8月18日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:下落。米政府が住宅金融大手のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)と フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)への資金注入を余儀なくされるとの観 測が強まり、銀行株や小売株が売られた。

フレディとファニーは投資週刊紙バロンズの記事を嫌気し、いずれも22%を 超える値下がりとなり、ほぼ20年ぶりの安値。バロンズ紙は米財務省が両社を救 済すれば既存株主の権利はほとんど消失する可能性があると指摘した。レナーや ライランド・グループなど住宅建設株は5.5%下げた。チョコレート菓子最大手 のハーシーは値上げで収益が伸び悩むとの見通しを示し、株価は2002年以来の大 幅安となった。

S&P500種株価指数終値は前週末比19.60ポイント(1.5%)下げて

1278.60。ダウ工業株30種平均は同180.51ドル(1.6%)安の11479.39ドルで終 了。ナスダック総合株価指数は同35.54ポイント(1.5%)下げて2416.98で終え た。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は2対7。

ペン・キャピタル・マネジメント(ニュージャージー州チェリーヒル)の調 査ディレクター、エリック・グリーン氏は、「金融機関に関するひどい悪材料が 出てくる可能性のない日はない」と語る。フレディとファニーについては、「米 国の住宅市場における最大の貸し手だけに、両社に関する悪材料は住宅建設株や 金融株全般に確実に影響する」と述べた。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の出来高概算は約9億8600万株。終日 営業としては昨年12月27日以来の薄商い。3カ月平均を29%下回った。

ファニーとフレディ急落

S&P500種は今年に入り13%下落。住宅ローン市場の崩壊で世界の金融機 関で生じた損失は5000億ドルを越えた。S&P500種は7月15日に付けたほぼ 3年ぶりの安値から5.2%戻した水準にある。

ファニーメイは22%急落し、1989年5月以来の安値。フレディは25%下げ て1991年1月以来の安値に沈んだ。レナーやライランドの下げでS&P建設株価 指数は一時6%安。S&P500種の金融株価指数は3.6%下げ、株価指数10種の うちで最大の値下がり率だった。

ハーシーは9.4%安。同社は原料のカカオ価格や梱包、エネルギー、輸送費 用の上昇による影響を抑えるため、米国での価格を平均10%引き上げた。同社は 2009年の商品相場が今年の2倍のペースで上昇する可能性があるとし、これに伴 うヘッジのコストや販促費用も上昇するとの見方を示した。

シティグループの米国株チーフストラテジスト、トビアス・レブコビッチ氏 は2008年末時点のS&P500種株価指数の予想を1475と、従来見通しから4.8% 下方修正した。同氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「信用 状況が悪化した」として、「製造業の業況にとって芳しくない。設備投資にとっ ても良くない展開だ」と説明した。

「回復の兆し見えず」

米自動車最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)は7.3%下げ、ダウ銘柄で 値下がり率トップ。リック・ワゴナー最高経営責任者(CEO)は、原油価格が 最近下落したものの、米経済や自動車販売に回復の兆候はまだ見えないと述べた。

デジタルカメラなどに使用されるメモリーカードの最大手、米サンディスク は10%下落。シティグループのアナリストらはサンディスクの株価が月初来で 15%上昇したことから、売りの好機を迎えていると指摘した。

米住宅関連用品小売り2位のローズは上昇。2008年5-7月期(第2四半期) 決算は減税効果に助けられ、アナリストの予想ほど悪化しなかった。同社はまた、 通期の1株当たり利益見通しを最大1.56ドルとした。アナリスト見通しは1.50 ドル。19日には同業最大手のホーム・デポが四半期決算を発表する。

米地方銀のユニオンバンカル(UNBC、カリフォルニア州)は上昇。三菱 UFJフィナンシャル・グループは65%を出資するユニオンバンカルに対する株 式の公開買い付け(TOB)価格を17%引き上げ、35億ドル(約3850億円)に 拡大した。

○米国債:相場は上昇。政府は米住宅金融大手のファニーメイ(連邦住宅 抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)への資金注入を 余儀なくされるとの警戒感が広がり株価が下落したことから、比較的安 全な投資先としての国債買い需要が強まった。

10年債と30年債の利回りは1カ月ぶりの低水準を付けた。世界的 な経済鈍化でインフレが抑制され、債券投資の魅力が高まったことも背 景にある。原油相場が5月1日以来の安値付近にとどまるなか、インフ レ連動債の利回りはトレーダーのインフレ期待が過去5年間で最低水準 に低下していることを示した。

イートン・バンス・マネジメントで運用に携わるスチュアート・ テーラー氏は「米国債は現在、悪い結果を織り込みつつある」と指摘。 「株価の下落が見られるなか、米国債には質への逃避買いが見られてい る」と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間 午後4時1分現在、10年債利回りは前週末比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.81%。一時は3.80%と、7月15日 以来の低水準を付けた。10年債価格(表面利率4%、償還期限2018年 8月)は7/32上げて101 17/32。

30年債利回りも7月15日以来の低水準となる4.42%を付けた。2 年債利回りは前週末比6bp低下の2.33%。

ドゥワイト・アセット・マネジメント(バーモント州バーリント ン)のチーフ・エコノミック・ストラテジスト、ジェーン・キャロン氏 は「投資家の懸念はインフレから世界の経済成長にシフトしている」と 述べた。このシフトで「債券市場では売りよりも買いが優勢となってい る」と付け加えた。

ファニーメイとフレディマックが急落

この日の米株式市場では、住宅金融大手のファニーメイ(連邦住宅 抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の株価が急落。 投資週刊紙バロンズが米政府当局は両社が必要な増資を実施することが できず、政府による資金注入を余儀なくされると考えていると報じたこ とが手掛かりとなった。S&P500種株価指数は前週末比1.5%下げた。

財務省のジェニファー・ザッカレーリ報道官はこの日、バロンズ紙 の記事に対し、両社救済の権限を行使する「計画はない」と述べた。

原油先物9月限は続落。7月11日に付けた高値のバレル当たり

147.27ドルから22%下落している。

ブルームバーグの調査によると、19日に発表される7月の米生産者 物価指数(PPI)は0.6%上昇が見込まれている。6月のPPIは

1.8%上昇だった。

RBCキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の米国債トレーデ ィング責任者、トーマス・トゥッチ氏は「インフレに関する最悪の材料 は出尽くしたとの認識があり、PPIの結果はすでに古い数字のように 扱われるだろう」と述べ、「年末にかけてインフレが改善するという見 方が債券相場の上昇につながっている」と指摘した。

金利見通し

先週発表された7月の米消費者物価指数は年率5.6%上昇と、過去 17年間で最も速いペースとなったものの、10年債相場は上昇した。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利 先物相場の動向によると、トレーダーの間では米連邦公開市場委員会 (FOMC)が政策金利を年内は引き上げないとの見方が強まっている。 政策金利が2%で据え置かれる確率は77%と、先週の53%から上昇した。 少なくとも0.25ポイントの利上げ見通しは23%。次回定例FOMCは 9月16日に予定されている。

○NY外為:ドルが反落。対ユーロではほぼ6カ月ぶりの高値を付けた後、下げ に転じた。ニュージーランド・ドルや豪ドルに対しても下落した。最近の上昇基 調が持続するには速過ぎるとの見方から売りが出た。

米政府がファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅 貸付抵当公社)の救済に乗り出すとの見通しを背景に、低金利の日本で資金を 調達し、高金利通貨で運用するキャリー取引が解消されたため、ドルは対円で も下げた。米国以外の国でも景気減速が鮮明となり、ドルは対ユーロで7月に 過去最安値を付けた後、8.1%戻している。

ABNアムロのシニア通貨ストラテジスト、ダスティン・リード氏(シカ ゴ在勤)は「ドルは値固めすることなく大きく上げてきた。上昇一服は意外で はない」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時9分現在、ドルはユーロに対して前週末比

0.1%下落し、1ユーロ=1.4702ドル。一時は1.4647ドルと、2月20日 以来のドル高・ユーロ安水準を付ける場面もあった。前週末は同1.4687ドル。 ドルは対円で0.5%安の1ドル=109円99銭(前週末は同110円53銭)。 ユーロは対円で0.4%下げて1ユーロ=161円70銭。前週末は同162円30 銭だった。

ドルは対豪ドルで0.2%安の1豪ドル=86.79米セントと、1カ月ぶりの 大幅安。対NZドルでは0.5%下げた。

ドルの上昇基調

ドルは今月に入り、すべての主要通貨に対して上昇している。景気が減速 し、原油相場が最高値更新後に下落基調にあるため、米国以外の中央銀行も利 下げに踏み切るとの思惑が背景。先週、ドルは対豪ドルで85.93米セントと、 1月以来の高水準まで買い進まれた。

2%の米フェデラルファンド(FF)金利に対し、ユーロ圏の政策金利は

4.25%。オーストラリアは7.25%、ニュージーランドは8%。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数 は0.1%未満ながら12営業日ぶりに下落。日欧がマイナス成長になったこと を背景に、7月15日以降では約7%上げている。

対ドルでのユーロの相対力指数(RSI、期間14日)は18日に18とな った。30を下回ると、ユーロの反転を示唆しているとされる。

INGファイナンシャル・マーケッツの自己勘定取引ディレクター、マシ ュー・カッセル氏(ニューヨーク在勤)は「一本調子のドル高基調が終わりを 迎えつつある。市場は均衡点を探ろうとしている」と指摘。今後2週間は

1.45-1.50ドルで推移すると予想した。

政府がファニーメイとフレディマックに資金注入すれば、普通株の株主の 権利が大きく損なわれる恐れがあるとの思惑からキャリー取引の解消が進み、 ドルは対円で下げた。

ファニーメイとフレディマックを中心に売りが膨らみ、米国株は3日ぶり に下落。S&P500種株価指数は1.5%下げた。

スコシア・キャピタルの為替トレーディング担当ディレクター、スティー ブン・バトラー氏(トロント在勤)は「株安が対円でのドルの上値をやや抑え ている。実質的なデータがない中、市場は新たなドル買い材料を待っている」 と述べた。

ドル買い越し

先物市場ではユーロ、円、カナダ・ドル、スイス・フラン、豪ドル、ポン ドに対するドルの持ち高が07年3月以来で初めて買い越しに転じた。商品先 物取引委員会(CFTC)が15日に発表した統計によると、ヘッジファンド や大手機関投資家の持ち高は12日現在で、2万4060枚の買い越しとなった。 前週は2万886枚の売り越しだった。

RBCキャピタル・マーケッツのシニア通貨ストラテジスト、デービッ ド・ワット氏は「基本的にドルは強気相場にある。ドルの小幅な下げは新たに ドルを買い増す好機になるだろう」と指摘した。

○英国債:相場は下落。先週は週間ベースで4週連続高となっていた。 10年債利回りは前週末比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ

4.59%。

同国債(2018年3月償還、表面利率5%)価格は0.18ポイント下落し

103.08。2年債利回りは3bp上昇し4.56%。1週間前は4.74%だった。

独10年債に対する英10年債の上乗せ利回りは45bpと、今年最大だった 2月25日の69bpから縮小した。英国では10年にわたる住宅ブームが終了、 景気減速に伴う利下げ観測が広がっている。

○欧州債:相場は上昇。独10年債利回りは3カ月ぶりの低水準に近づいた。今 週発表される経済統計では、ドイツの景況感指数が1991年以来の低水準にとど まるほか、ユーロ圏のサービス業と製造業の業況悪化が示されるとみられている。

欧州中央銀行(ECB)の利上げ観測が後退したことを背景に、先週の欧 州債相場は3週連続高となった。先週発表されたユーロ圏の4-6月(第2四 半期)の域内総生産(GDP)は前期比0.2%減少した。米JPモルガン・チ ェースは、ユーロ圏の景気減速がインフレ抑制につながり、ECBは来年初め に利下げに踏み切る可能性があるとの見方を示した。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、ペーター・ミューラー氏(フランク フルト在勤)は「今週の経済データはユーロ圏経済が弱く、ECBに利上げの 余地がないことを裏付けると予想している」と語った。「最近の大幅上昇で短 期的には若干の調整が入る可能性があるが、市場の環境は欧州債に極めて好意 的だ」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時17分までに、10年債利回りは前週末比2ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下し4.14%。一時は4.12%まで下げ、 5月14日以来の低水準となった。同国債(2018年7月償還、表面利率4.25%) 価格は0.18ポイント上げ101.85。2年債利回りは1bp下げ3.98%。

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