NY外為:ドル反落、急ピッチな上昇に警戒感‐公社救済観測で売り

ニューヨーク外国為替市場ではドルが反 落。対ユーロではほぼ6カ月ぶりの高値を付けた後、下げに転じた。ニュージ ーランド(NZ)・ドルや豪ドルに対しても下落した。最近の上昇基調が持続 するにはピッチが速過ぎるとの見方から売りが出た。

米政府がファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅 貸付抵当公社)の救済に乗り出さざるを得なくなるとの見通しを背景に、低金 利の日本で資金を調達し、高金利通貨で運用するキャリー取引が解消されたた め、ドルは対円でも下げた。米国以外の国でも景気減速が鮮明となり、ドルは 対ユーロで7月に過去最安値を付けた後、8.1%戻している。

ABNアムロのシニア通貨ストラテジスト、ダスティン・リード氏(シカ ゴ在勤)は「ドルは値固めすることなく大きく上げてきた。上昇一服は意外で はない」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時9分現在、ドルはユーロに対して前週末比

0.1%下落し、1ユーロ=1.4702ドル。一時は1.4647ドルと、2月20日 以来のドル高・ユーロ安水準を付ける場面もあった。前週末は同1.4687ドル。 ドルは対円で0.5%安の1ドル=109円99銭(前週末は同110円53銭)。 ユーロは対円で0.4%下げて1ユーロ=161円70銭。前週末は同162円30 銭だった。

ドルは対豪ドルで0.2%安の1豪ドル=86.79米セントと、1カ月ぶりの 大幅安。対NZドルでは0.5%下げた。

ドルの上昇基調

ドルは今月に入り、すべての主要通貨に対して上昇している。景気が減速 し、原油相場が最高値更新後に下落基調にあるため、米国以外の中央銀行も利 下げに踏み切るとの思惑が背景。先週、ドルは対豪ドルで85.93米セントと、 1月以来の高水準まで買い進まれた。

2%の米フェデラルファンド(FF)金利に対し、ユーロ圏の政策金利は

4.25%。オーストラリアは7.25%、ニュージーランドは8%。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数 は0.1%未満ながら12営業日ぶりに下落。日欧がマイナス成長になったこと を背景に、7月15日以降では約7%上げている。

対ドルでのユーロの相対力指数(RSI、期間14日)は18日に18とな った。30を下回ると、ユーロの反転を示唆しているとされる。

INGファイナンシャル・マーケッツの自己勘定取引ディレクター、マシ ュー・カッセル氏(ニューヨーク在勤)は「一本調子のドル高基調が終わりを 迎えつつある。市場は均衡点を探ろうとしている」と指摘。今後2週間は

1.45-1.50ドルで推移すると予想した。

政府がファニーメイとフレディマックに資金注入すれば、普通株の株主の 権利が大きく損なわれる恐れがあるとの思惑からキャリー取引の解消が進み、 ドルは対円で下げた。

ファニーメイとフレディマックを中心に売りが膨らみ、米国株は3日ぶり に下落。S&P500種株価指数は1.5%下げた。

スコシア・キャピタルの為替トレーディング担当ディレクター、スティー ブン・バトラー氏(トロント在勤)は「株安が対円でのドルの上値をやや抑え ている。実質的なデータがない中、市場は新たなドル買い材料を待っている」 と述べた。

ドル買い越し

先物市場ではユーロ、円、カナダ・ドル、スイス・フラン、豪ドル、ポン ドに対するドルの持ち高が07年3月以来で初めて買い越しに転じた。商品先 物取引委員会(CFTC)が15日に発表した統計によると、ヘッジファンド や大手機関投資家の持ち高は12日現在で、2万4060枚の買い越しとなった。 前週は2万886枚の売り越しだった。

RBCキャピタル・マーケッツのシニア通貨ストラテジスト、デービッ ド・ワット氏は「基本的にドルは強気相場にある。ドルの小幅な下げは新たに ドルを買い増す好機になるだろう」と指摘した。