ドルは111円台半ばをピークに再び下落か-三菱UFJ信託銀・井上氏

三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明 グループマネージャーは18日までに、ブルームバーグ・テレビジョンとのイン タビューで、ドル・円相場について、足元のドル上昇は長期的な下落トレンド の調整局面に過ぎないと指摘。1ドル=111円台半ばをドルの上値めどとして、 夏場以降は再びドル安・円高傾向が戻る可能性があるとの見通しを示した。

ドル・円相場は前週末15日の海外市場で一時110円66銭(ブルームバー グ・データ参照、以下同じ)と、1月2日以来のドル高値を付け、この日の東 京市場では110円台前半を中心に推移した。

井上氏は「足元のような調整色の強い局面では、マーケットは時にオーバ ーシュートする(行き過ぎる)傾向がある」と指摘。ドルが戻りを試すような 展開になっているものの、「マクロの情勢からかい離した値動きによって、相 場の真の方向性を見失い勝ちになる」といい、中長期のチャートで相場の方向 性を見極める必要があるとしている。

そのうえで、井上氏は「中長期のトレンドを見る上で、高い確率でその方 向性を指示している月足の17カ月移動平均線に注目している」として、ドルの 下値あるいは上値を結んだトレンドラインが同平均線をクロスすると、中長期 的な相場の方向性が変わると説明する。

夏場以降にドル下落再開か

直近ではドル・円相場は昨年6月22日に付けた124円13銭でドル高のピ ークを付け、同水準から下値を結んだトレンド線が月足の17カ月移動平均線を 下方向に抜けていることから、ドルが「長期的な下落トレンドに入っている」 (井上氏)ということが分かるという。

井上氏によると、過去10年間の月足チャートでは、ドル安を示す2つのパ ターンがあり、その1つである波形のパターンでは、下落、上昇、下落の3波 動が形成されているという。足元の相場を波形に当てはめると、昨年6月の124 円台前半からことし3月17日に付けた95円76銭までが下落局面の第1波とな り、現在は上昇局面の第2波にあたる。

今後は下落の第3波が待ち構えているが、第2波の上昇期間を分析すると、 過去にはちょうど半年になっている。95円台後半を付けたことし3月に第2波 が開始しており、8月がちょうど6カ月目にあたるため、ドルが「下落に転じ る時間も近い」(井上氏)とみられる。

井上氏はドル・円相場の見通しについて、「17カ月移動平均線に沿って下 落トレンドが続くと仮定すると、移動平均線を超えないということになるため、 今月17カ月移動平均線が位置している111円台半ばがドルの戻りのめどにな る」とみている。

来年10月までドル安トレンド継続も

ドルの下落期間については、過去20年間のサイクルで底値から次の底値ま での期間を分析すると、1990年11月から95年4月の54カ月、95年4月から 99年11月の56カ月、99年11月から2005年1月の63カ月ということで、平 均して57.7カ月、すなわち約5年で底値を付けるということが分かる。

井上氏は、「これを今回に当てはめると、2005年1月が直近の安値になる ので、そこからカウントすると、2009年の10月までドル安トレンドが続く可能 性がある」と予想する。

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