東京外為:ドルが110円台でもみ合い、原油動向・各国景況に注目

午前の東京外国為替市場では、ドル・円相 場が約7カ月半ぶりのドル高値圏でもみ合った。お盆休み明けで国内実需筋の 動向が注目されるなか、急速に進んだドル高への警戒感からドル売りが先行す る場面が見られたが、原油をはじめとする商品相場の動向や各国の景況悪化度 合いを見極めたいとの意向が強く、売り一巡後はもみ合い相場となった。

1ドル=110円台半ばで週明け早朝の取引を開始したドル・円は一時、1ド ル=110円ちょうどを割り込み、109円97銭までドル売りが進行。しかし、ド ルの下値は堅く、その後は110円台前半へ下げ渋っている。

三菱東京UFJ銀行市場業務部の金成大介上席調査役は、今週は原油相場 がもう一段下がるかどうかということがポイントになるが、「春先からの原油 買い・ドル売りのポジションを調整する動きも、価格的にはそろそろ一巡して いる感があり、どちらかというと次の材料を探す局面に入ってきている」と指 摘。「これまでは米国以外の経済も悪いという動きだったが、米国の悪さが再 確認されるような場合には、ドル・円が108円台まで調整することもあり得る」 とみている。

前週末の外国為替市場では商品相場の下落を背景にドル高が一段と進み、 対円では一時、1ドル=110円66銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ) と1月2日以来の水準までドルが上昇。8月のニューヨーク連銀製造業景況指 数など一部米経済指標が予想を上回ったこともドルに追い風となり、対ユーロ では1ユーロ=1.4659ドルと2月20日以来の水準までドル高が進んだ。

しかし、急速なドル高に対する警戒感もあり、週明け午前の取引ではドル 売りが先行。18日の時間外取引で原油先物相場が小幅上昇していることもあり、 ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.46ドル後半から1.47ドル台前半までドルが水 準を切り下げる格好となった。

ドル・円も「きょうから日本の輸出企業が戻っていると思えば、海外勢を 中心にドルを買っていた向きもちょっとポジションを落としたくなる」(金成 氏)といい、ドル売りが先行。しかし、「利食いが終わった後は先週ドルが一 段高となる前の水準で止まっており、細かいポジション調整の範囲内の動き」 (同)にとどまっている。

原油相場・各国景気動向を注視

ニューヨーク原油先物相場は7月11日に付けた最高値147.27ドルからは 20%以上下落しており、前週末には一時、バレル当たり111.34ドルと5月1日 以来の安値を記録。ニューヨーク金先物相場は1オンス当たり800ドルを割り 込み、週間では8.4%安と過去25年以上で最大の値下がり率を記録した。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッド・オブFXストラテジ ー・ジャパンの山本雅文氏は、「商品市況の調整が継続すると、ドルの買い戻 しにつながり、ドル・円は111円台もあり得ない話ではない」とする一方、「商 品市況が戻す局面では、ドルが全般的に売られやすくなる可能性があり、110円 台の半ばは上値の重い感じも残る」と指摘。また、「原油価格の下落が米国の 金利低下に結びついて、ドルの頭を抑える材料になる」ともいう。

一方、世界的に景気減速感が強まるなか、米国では今週、この日発表され る8月の全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数をはじめ、7月の 生産者物価指数(PPI)や住宅着工件数、景気先行指数、8月のフィラデル フィア連銀の製造業景況指数などが発表される。22日には米連邦準備制度理事 会(FRB)のバーナンキ議長の講演が予定されており、金融市場や景気の見 通しについてどのような見解を示すかが注目される。

また、ユーロ圏では19日にドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が8 月の景況感指数を発表する予定で、事前予想では前月から一段と低下し、過去 最低を更新する見通しとなっている。

そのほか、国内できょうから2日間の日程で、日本銀行の金融政策決定会 合が行われる。金融政策については据え置きが見込まれているが、4-6月の 実質GDP(国内総生産)が4四半期ぶりのマイナス成長となったことで、あ すの白川方明総裁の会見と合わせて日銀がどのような景気判断を示すかが注目 される。

三菱東京UFJ銀の金成氏は、「原油が下がってユーロが下がっているが、 欧州も景気が悪化しているのは事実。一方、絶対値として米国も良くないわけ だし、日本も良いかというと疑問符が付く」と指摘。引き続き原油相場の動向 は大事だが、今後は各国の経済指標などを見ながら次の材料を探る展開になる とみている。

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