思案続くFRB議長-破たんさせても問題ない金融機関の定義とは何か

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB) 議長は、破たんを容認できる金融機関の定義を依然として探っている。その作業 時間が長くなればなるほど、結論に至るのは一層困難になりそうだ。

信用市場の混乱が始まってから1年が過ぎた。この間議長は、FRBが金融 機関を保護する役目を幾度も拡大し、ウォール街が抱える売却困難な証券をFR Bのバランスシートに一時的に引き取って、投資銀行に公定歩合での貸し出しを 実施してきた。また、ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)やフレディマック(連 邦住宅貸付抵当公社)にも連銀窓口貸し出しの利用を認めた。

しかし、こうした措置をどこまで適用するのか明確な定義がないため、FR Bの独立性が脅かされるリスクがある。FRBの資産ポートフォリオ9000億ド ル(約99兆3000億円)を緊急救済策に使えばよいと議会が気付いたからだ。 そうでなければ、政治的にデリケートな判断を必要とする予算や税金を用いる必 要が生じる。

フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は先週、インタビューに応じ、「冷 静かつ十分に考える必要がある」と述べている。「FRBは信用のおける組織と して素晴らしい評価を得ている。この信用をリスクにさらすようなことを引き受 けないように、慎重になる必要がある」と話した。

バーナンキ議長は22日、ワイオミング州でカンザスシティー連銀主催のシ ンポジウムで講演する。ここで、中央銀行の役割拡大は最もホットな話題となり そうだ。

米金融当局は3月、米銀JPモルガン・チェースによる米証券ベアー・スタ ーンズの買収を後押しするため、同社の資産リスク290億ドルを引き受けた。 以来、バーナンキ議長は今後のさらなる金融当局の使命拡大を示唆している。学 資ローンを裏付けとした証券を担保として認めるよう求めた議会の要請を受け 入れたほか、7月に可決した住宅関連法案では、公的管理下に置いた破たん銀行 向け連銀貸し出しを容易にする項目を加える議会の動きに反対しなかった。

米連邦準備制度の歴史に詳しいカーネギー・メロン大学のアラン・メルツァ ー教授は、当局が「金融市場や議会を落ち着かせようとしている」とみるものの、 こうしたやり方は「恐ろしい前例」になると警告する。