メリル提訴も辞さず、ARSでゴールドマンも調査中-NY司法長官

米ニューヨーク州のクオモ司法長官は15 日、米証券大手のメリルリンチとゴールドマン・サックス・グループに対し、金融 機関が入札方式証券(ARS)を投資家に不正販売したとされる問題で当局と和 解するよう、一段の圧力をかけた。米銀ワコビアはこの日、90億ドル(約9940 億円)相当のARSを買い戻すことで合意した。

クオモ長官は記者会見し、メリルが先週自主的に申し出た100億ドル相当の ARS買い戻しでは投資家保護に不十分だとし、同社を「近く」提訴する可能性 を示唆した。ニューヨーク州当局はARS問題でこれまでに金融機関約25社に 召喚状を送っており、うち5社は既に和解。長官の事務所が送付した書簡によれ ば、メリルには提訴回避に向けた事情説明の時間が5日間与えられた。

長官は「会社の組織や投資規模が大きいほど、われわれの取り組み方も大き くなる」と語り、「ゴールドマン・サックスについても調査を続けている。この 調査の過程で、話し合いも持っている」と述べた。

3300億ドル規模のARS市場は事実上崩壊しており、同証券を現金同様安 全な資産だとして金融機関が販売したことが問題になっている。

メリルの広報担当、マーク・ハー氏は発表文で「ニューヨーク州当局がAR S問題で法的措置をちらつかせた書簡を送付してきたことに驚いた」とコメン ト。「われわれが顧客からARSを買い戻す計画を先週発表して以来、この問題 でニューヨークをはじめとする複数の当局と話し合いを続けており、事態は進展 していると思っていた。一段の交渉を期待していた」としている。

ゴールドマンの広報担当、アンドレア・ラファエル氏は14日のコメントを繰 り返し、同社が「すべての当局に十分に協力しており、顧客の流動性ニーズに対 処するよう作業を進めている」と話した。

当局はこの問題で金融機関に対し、個人投資家を含むリテール(小口)顧客 に販売したARSの買い戻しのほか、額面を下回る価格での売却を余儀なくされ た顧客に対する還元措置や機関投資家への対応を求めている。

クオモ長官は「この問題に関わっているのは数十社ある」と語り、「トップ から手を付け、リストの下の方へと作業を進める」と述べた。