米国債(15日):続伸、商品安で利上げ観測が後退-2年債2.39%

米国債相場は続伸。利回りは1カ月ぶり の水準に低下した。商品相場の下落を受け、年内の利上げ観測が後退し、買い が優勢になった。

10年債は週間ベースで3週連続上昇。13日発表の7月の小売売上高が5 カ月ぶりに前月比で減少し、債権者への住宅所有権移転(14日発表)が7月に 前年同月から3倍近くに増えたことが買いを誘った。ロシアとグルジアの衝突 をめぐる緊張状態が続いたことは安全資産買いにつながった。ドルは11日連 続で上昇。

キャンター・フィッツジェラルドの金利部門責任者、ブライアン・エドモ ンズ氏は「商品や原油市場から多額の資金が流出し、ドル市場に流れ込んでい る。それが米国債に引き続き恩恵を与えている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後4 時4分現在、2年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低 下の2.39%。一時は2.31%と、7月15日以来の低水準を付けた。週間ベー スでは11bp低下。2年債価格(表面利率2.75%、償還2010年7月)は 3/32上げて100 22/32。

10年債利回りは前日比5bp低下の3.84%。一時は3.82%と、7月16 日以来の低水準。週間では9bp低下した。

7月の米鉱工業生産指数が予想に反して上昇し、エネルギー安を背景に8 月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数が上昇したものの、米国債相 場は堅調を維持した。

アトランタ連銀のロックハート総裁は15日、ブルームバーグテレビジョ ンとのインタビューで、下半期もぜい弱な経済状況が続く可能性が高く、イン フレ抑制に役立つとの見通しを示した。シカゴ連銀のエバンス総裁は下半期の 景気は「非常に弱い可能性が高い」と予想。インフレは「中期的に」落ち着く との見通しを明らかにした。

逃避先

米銀大手JPモルガン・チェースが12日、2008年7-9月(第3四半 期)に少なくとも15億ドル(約1650億円)の評価損を計上することを明ら かにし、UBSが経済や金融市場の悪化傾向が年内続くとの見通しを示したた め、信用市場の損失拡大から国債買いが入った。

スタイフェル・ニコラウスの債券ストラテジスト、ジム・デマシ氏は「資 金の安全な逃避先はさほど多くない。米国債はなお逃避先になっている」と指 摘した。

ブルームバーグが集計したデータによると、30年物ファニーメイ(連邦住 宅抵当金庫)債利回りは5.96%、10年物国債利回りを2.12ポイント上回っ た。この利回り差は、米連邦準備制度理事会(FRB)がベアー・スターンズ 救済に乗り出す約1週間前の3月6日に付けた22年ぶりの高水準(2.38ポイ ント)にあと26bpに迫る水準。

米財務省が15日に発表した6月の対米証券投資統計によると、外国の政 府と投資家の米中長期国債の取引額は外国人からみて283億ドルの買い越しだ った。前月は同57億ドルの買い越し。

金融機関同士の資金取引を映すロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)の ドル建て3カ月物と同年限の米財務省証券利回りとの格差である「TEDスプ レッド」は98bpと今週のほぼ最大に拡大した。ワコビアが顧客から入札方式 証券(ARS)を買い戻すことで当局と和解したことが背景。

モルガン・スタンレーの米国債・機関債チーフストラテジスト、ジョー ジ・ゴンキャルベス氏は「市場の不安感を量るのはさほど難しくない。短期金 融市場の動向を見ればよい」と語った。

この日は総額430億ドルを超える3、5、30年債が償還を迎え、その一 部が米国債市場に再投資されたことも相場を押し上げた。

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