日本株は小反発、海運や金融が高い-不動産ショック続き後半にしぼむ

午前の東京株式相場は小幅反発。ばら積み 船の運賃市況であるバルチック・ドライ指数の大幅高を受け、商船三井など海運 株が続伸。米国における過度の金融不安の後退から、東京海上ホールディングス や野村ホールディングスなど金融株にも買い戻しが入った。為替相場の落ち着き を受け、キヤノンなど輸出株の一角も堅調。

半面、相次ぐ企業破たんで業界全体の信用リスクが高まっている余波が続き、 東証1部の下落率上位には新興系を中心に不動産株、中低位の建設株が前日と同 様に並んだ。前日に上げが目立った商社や鉄鋼株も安く、株価指数は午前終了に かけて失速している。

ミョウジョウ・アセット・マネジメントの露久保裕道ディレクターは、海運 株について「世界景気に対して過度に悲観し過ぎていたため、下げ過ぎの反動で 戻っている」と解説。新興不動産株については「グローバルな信用収縮で、金融 機関がお金を貸せなくなっている。不動産価格はもう少し下がる可能性がある」 との見方を示した。

午前の日経平均株価終値は前日比13円37銭(0.1%)高の1万2970円17 銭。TOPIXは同0.73ポイント(0.1%)高の1239.66。東証1部の売買高は 概算で8億8185万株。東証業種別33指数は17業種が上昇、16業種が下落。

銀行、輸出株は後半にしぼむ

午前の日経平均は小幅に反発して始まり、一時70円高まで上げたが、後半 にかけて徐々に上げ幅を縮小、この日の安値圏で終えた。ひとまず好感されたの が、外部環境の落ち着き。米証券業金融市場協会(SIFMA)が、ファニーメ イとフレディマックのジャンボ(大口)ローンを住宅ローン証券の主要市場で限 定的に受け入れると表明。前日の米株式市場でファニーメイとフレディマック株 はともに7%超上昇し、米主要株価指数はいずれも上げた。朝方はこの流れを受 け、銀行や保険、証券、その他金融株にひとまず買い戻しが先行した。

もっとも、その後は上値の重い展開。銀行指数は前日比3%高まで上げる場 面があったが、結局0.1%高とこの日の安値で終えた。大和証券SMBCグロー バル・プロダクト企画部の西村由美次長は、「買い戻し中心にとどまっている。 銀行株は、海外に連動する動き以外にも不良債権処理など国内景気の減速が意識 され、上値が重くなっている」と話していた。朝方高かった輸出株も、同様に上 げ幅を縮小した。

バルチック大幅反発、ダイコク電が上昇トップ

こうした中、堅調だったのが海運株。ばら積み船の運賃市況であるバルチッ ク・ドライ・インデックス(BDI)は14日、前日比323ポイント(4.6%)高の 7420ポイントまで続伸。上昇率は1月30日(5.1%)以来の大きさ。海運は、 東証業種別の値上がり率1位。バルチック指数は12日まで、23営業日連続で下 げていた。売買高上位に商船三井や川崎汽船、日本郵船の大手3社がそろって入 り、いずれも上昇した。

個別では、主力のホール向けコンピュータなどが好調で第1四半期(4-6 月)の連結業績が黒字転換したダイコク電機、コスト削減や製品価格の値上げで 原価率が改善して08年9月中間期の連結純利益が前年同期比48%増となったJ -オイルミルズ、生産改革などでコストを抑制したことが奏功して前期(08年 6月期)の連結営業利益は従来予想から上振れたアルバックが大幅高となった。

このほか、ロシアやインドネシアなどの資源開発やインフラ整備の需要増大 から、海外向けに道路機械の売り上げが大幅に増加して第1四半期(4-6月) 業績が黒字化した酒井重工業が急伸した。

不動産、建設の下げ目立つ

半面、前日に上げの目立った三菱商事など大手商社株、新日本製鉄など鉄鋼 株には売りが先行。東京電力などの電気・ガス株、武田薬品工業などの医薬品株、 NTTなどの情報・通信株といった景気動向に影響を受けにくいディフェンシブ 株も軟調だった。

信用不安の高まりから、東証1部市場の値下がり率上位には、民事再生法が 適用されたアーバンコーポレイションのほか、飯田産業、アトリウム、新日本建 設、東栄住宅、サンシティ、東急建設、明和地所など不動産、低位の建設株が並 んでいる。

半導体事業をロームに売却したことなどで同事業の収益が縮小して今期(09 年3月期)の最終損益が175億円の赤字となる見込みとなったOKIや、原油価 格の下落などを背景に、後入先出法による在庫評価の増益要因の一部は期末まで に解消されると想定して今期(08年12月期)の利益予想を引き下げた東燃ゼネ ラル石油も下落した。

東海東京証券の鈴木誠一マーケットアナリストは、相場の先行きについて 「当面はボックス相場だろう。原油の下落でインフレリスクが後退、米S&P小 型株指数が年初来高値圏で推移するなど外部環境は好転している。ただ、日本株 は投資マインドが低下している上、株券電子化に伴う個人投資家の売りなどで需 給環境が悪い」との見方を示していた。