債券相場、高値警戒感で売られる、10年物一時1.5%-午後戻し基調(終

債券相場は下落(利回りは上昇)。高値警 戒感から売りが先行し、長期国債先物の中心限月9月物は一時1円近く下落した。 新発10年債も売られ、利回りが節目の1.5%に乗せる場面もあった。午後の取 引にかけて相場は戻し基調となった。

三菱UFJ証券チーフストラテジストの石井純氏は、「来週は5年債入札、 再来週は20年債入札もあり、消化不安があるので、いったんロング(買い持 ち)の利益確定売りが出たようだ。しかし、売り切りにできなかったのではない か。9月決算を控えて、下期に収益源として債券を保有しておく必要もある」と 述べた。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日比7銭安の137円80銭で寄り付い た後、すぐに日中高値137円81銭をつけた。その後は、売りが膨らみ、午前9 時45分ごろには6月13日以来となる97銭安の136円90銭まで下落した。137 円割れは6日以来。午後にかけて相場は、徐々に下げ幅を縮める展開となり、結 局18銭安の137円69銭で取引を終了した。9月物の日中売買高は5兆4903億 円と6月3日以来の高水準となった。

新発10年債は1.5%で買い戻し

現物債市場で新発10年物の295回債利回りは、前日比0.5ベーシスポイン ト(bp)高い1.445%で寄り付いた後、水準を切り上げ、7日以来の1.5%台に 乗せた。その後は、徐々に上げ幅を縮小し、午後3時過ぎは1.5bp高い1.455% で推移している。新発5年債利回りは2bp高い1.02%で推移している。

また新発20年債利回りは、午後3時半過ぎは4bp高い2.08%、新発30年 債利回りは、5.5bp高い2.285%で推移している。

岡三証券経済調査部シニアエコノミストの坂東明継氏は、「週末のポジショ ン調整となった。これまで相場が結構上昇していたため、高値警戒感が強まって いた。手じまい売りを出すのは自然な動きだ。来週は5年債入札があるが、この ままいくとクーポン(表面利率)は1%となる。そうなると買いづらい」と説明 した。

トヨタアセットマネジメントのチーフファンドマネジャー、深代潤氏は、 「国内総生産(GDP)発表を受けて景気後退を材料に買い上げた投資家が材料 出尽くしで調整の売りを出したようだ。ただ、ロイター短観も悪かったので、10 年債1.5%での底堅さを確認して、買い戻しが入った」と話した。

日銀も景気判断下方修正見通し、経済対策への警戒感も

日本銀行は、来週18、19日に金融政策決定会合を開催する。ブルームバー グ・ニュースの調査では有力日銀ウオッチャー17人全員が現状維持を予想して いる。政府は既に景気判断を下方修正しており、日銀も情勢判断を「さらに減 速」から「停滞」へ下方修正すると見込まれている。

一方で、政府が月末までに策定する総合経済対策に対して、規模と財源を見 極めたいとの警戒感も強い。

第一生命経済研究所主席エコノミストの熊野英生氏は、政府の財源に関して、 「国債利払い費を削減すれば予備費3500億円よりも余力ができると考えられる。 しかしそうした財源を使ってしまうことには慎重であった方がよい。必ずしも歳 出拡大が最も有効な使途で使われない可能性がある」と指摘した。

市場では、「補正予算が編成される可能性が高まっているが、1兆円程度の 財政資金であれば政権維持コストとして仕方がないと財政再建派の経済閣僚も認 めているということだろうか。不況対策の名の下に、バラマキが行われることを 強く懸念している」(BNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎氏)な どの声が聞かれた。

--共同取材 東京 宋泰允 Editor:Hidekiyo Sakihama

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