【今日のチャート】「帝国の終えん」か-OPEC収入が米税収超えへ

石油輸出国機構(OPEC)の石油収入 が、米政府の個人所得税収を上回りつつある。

きょうのチャートは、OPECの輸出収入が、米政府が2007年に国民か ら徴収した所得税の総額を上回る見通しであることを示す。OPECの輸出収 入はことし、1兆1740億ドル(約128兆円)に達し、1980年以来初めて米政 府が国民から徴収する所得税総額をわずかに上回る可能性がある。80年当時の 米国は、ガソリン不足とイランでの米国大使館職員人質事件で身動きが取れな い状況に陥っていた。

OPECの石油収入の膨大さを見ると、米議会で沖合油田開発をめぐる議 論が再び白熱している理由が分かる。米資産家のブーン・ピケンズ氏ら財界の リーダーらは、再生可能エネルギーの利用促進を呼び掛けている。ガソリン価 格の高騰により、自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)やコーヒー 店チェーンのスターバックスなどの米企業が打撃を受けるなか、中東の投資家 らは世界の銀行への出資を拡大し、クライスラービルなどの象徴的な建物の買 収を進めている。

米国のエネルギーの自立達成への処方せんを提示する「Energy V ictory」の著者であるロバート・ズブリン氏は「これは、帝国が終えん を迎える可能性をはらんだ問題だ」と指摘。「米国の勢力が衰える一方、だれ かが勢力を強めている」との見方を示す。

サウジアラビアやイラン、ベネズエラを含むOPEC加盟13カ国の過去 3年間の収入は3兆5000億ドルに上る可能性がある。この額は、米国の株式 指標であるダウ工業株30種平均の時価総額にほぼ匹敵する。全米自動車協会 (AAA)によると、米国の14日時点のガソリン小売価格は1ガロン当たり

3.78ドルと、前年同期比で37%高い水準となっている。