債券相場はもみ合いか、景気減速背景に米債高で買い先行も上値重い

債券相場はもみ合いが予想される。前日の 米国債相場が反発した地合いを引き継ぎ、買い先行となりそうだ。世界的な景気 減速懸念が支援材料となっているものの、市場の高値警戒感も強く上値も重いと みられている。

UBS証券チーフストラテジストの道家映二氏は、「景気後退局面入りが市 場のコンセンサスとなったものの、日銀の利下げをメインシナリオとする向きは 少ない。多くの市場参加者は、中短期ゾーンのさらなる金利低下に懐疑的であり、 足元はオーバーシュート(行き過ぎ)の領域に入ったと言えなくもない」との見 方を示した。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日の通常取引終値137円87銭を若干 上回る水準で始まった後、日中は137円台後半を中心に取引されそうだ。14日 のロンドン市場で9月物は、前日の東京終値から7銭安の137円80銭で引けた。 清算値は137円78銭。

14日の先物相場は3日続伸。日経平均株価の続落に加えて、信用不安や景 気減速感の強まりが買い材料視された。先物中心限月9月物は一時、節目の138 円台を回復し、前日比39銭高の138円12銭と4月23日以来の高値を付けた。 終値は14銭高い137円87銭。新発10年債利回りも一時1.415%と約4カ月ぶ りの低水準を付けた。9月物の日中売買高は2兆6680億円。

新発10年債利回りは1.4%台前半か

現物債市場で新発10年物の295回債利回りは、前日終値1.44%を若干下回 る水準で始まり、日中ベースでは1.4%台前半での取引が見込まれる。

日興シティグループ証券チーフストラテジストの佐野一彦氏は、「ユーロ圏 の4-6月期実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス。米市場は株高・債券 安と好悪まちまち。昨日でいったん天井を見たもの、調整は浅い」と見込んでい る。

日本相互証券によると、14日の現物債市場で新発10年物の295回債は、 前日比1ベーシスポイント(bp)低い1.435%で取引を開始した。その後は水準 を切り下げ、一時は3bp低い1.415%と、新発10年債利回りとしては、4月21 日以来の低水準を付けた。そこでは小口の売りが出て、再び水準を切り上げ、結 局、0.5bp低い1.44%で引けた。

一方、10年物国債の295回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各社 の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると1.43%だ った。

米国市場では株・債券ともに反発

14日の米国債相場は反発。新規失業保険申請件数が予想ほど減少しなかっ たため、景気減速懸念が強まり、買いが優勢になった。7月の消費者物価指数 (CPI)は予想以上に上昇したが、米国債市場への影響は限定的だった。

債権者への住宅所有権移転が7月に前年同月から3倍近くに増えたことも買 いを誘った。金融機関の評価損が膨らみ、信用状況がひっ迫する中、今週に入り、 3人の地区連銀総裁が米国は最悪期を脱していない可能性を指摘している。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後4 時17分現在、10年債利回りは前日比4bp低下の3.90%。2年債利回りは5bp 低下の2.43%。

一方、米株式相場は反発。米住宅金融大手ファニーメイ(連邦住宅抵当金 庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)に対する規制緩和が好感されて、 米主要株価指数は3日ぶりに上昇した。

米証券業金融市場協会(SIFMA)はファニーメイとフレディマックのジ ャンボ(大口)ローンを住宅ローン証券の主要市場で限定的に受け入れると表明。 これを受けてファニーメイとフレディマックの株式は買いを集め、いずれも7% 超上昇した。

S&P500種株価指数終値は前日比7.10ポイント(0.6%)上げて1292.93。 ダウ工業株30種平均は同82.97ドル(0.7%)高の11615.93ドルで終了。