日水株が下落、魚病でサケ養殖事業の赤字続く-業績大幅未達との見方

水産品に強みのある食品会社、日本水産の 株価が下落。海外のサケ養殖事業では地震に関連したストレスや魚病で漁獲量 が減少し、採算が取れなくなっているうえ、米国の冷凍食品事業も低迷。海外 事業の悪化を受けてアナリストが2009年3月期業績予想を相次いで下方修正し ており、株価は下値を模索している。

株価は一時、前日比20円(5.1%)安の375円まで下落した。5日の第1四 半期(4-6月)決算の発表後27%下落し、4月1日に記録した年初来安値(360 円)に接近している。

13日付で日本水産の投資判断を「中立」から「中立マイナス」に引き下げ たみずほインベスターズ証券の大島守雄シニアアナリストは、「回復基調にあ ったチリのサケ養殖会社の第1四半期業績が大幅に悪化したことは予想外だっ た。通期業績は下振れの公算大」と投資家向けのメモで指摘する。

第1四半期の連結営業利益が前年同期比81%減の6億2100万円に急減した のは、水産事業でチリのサケ養殖会社であるサルモネス・アンタルティカ(S. A.)社が赤字になったことが主因。昨年の地震を受けて魚を移したものの、 いけすが十分な大きさでなかったうえ、魚病が広がり生残率が低下。いけすの 網に穴が開く被害も発生し、漁獲量が減少した。

大島氏はサケ養殖の生残率は実際に水揚げしてみないと分からない側面が あるとしながらも、S.A.社は通期で20億円前後の営業赤字は避けられない と予想する。

北米事業もガソリン高が直撃

また北米の業務用水産調理冷凍食品会社であるキングアンドプリンス(K &P)社は、郊外のレストランにエビなどの食材を供給している。ガソリン高 の影響でレストランへの来客数が減少傾向にあり、売り上げが落ちている。

会社側は09年3月期の業績予想を据え置き、連結営業利益は前期比87%増 の135億円を見込んでいるが、市場では大幅な下ぶれは避けられないとの見方 が大勢。ブルームバーグに登録された証券系アナリストの収益予想によると、 第1四半期決算発表後に業績予想を修正した5人全員が減額。営業利益予想の 中央値は80億円。大島氏もこれまでの110億円から80億円に修正した。