東京外為:ユーロ軟調、欧州景気の減速感で調整圧力-GDPを警戒

午前の東京外国為替市場ではユーロの上値 が重い展開となった。ユーロ・円相場は1ユーロ=162円台後半を中心に、前日 のニューヨーク時間午後遅くに付けた163円43銭からユーロが水準を切り下げ て推移した。この日はユーロ圏で域内総生産(GDP)の発表を控え、市場で はマイナス成長が見込まれていることから、ユーロの調整圧力が強まった。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、英国で経済成 長の見通しが引き下げられて英ポンドが弱含んでおり、欧州通貨全般の下押し 圧力は根強いと指摘。「ユーロ圏の景気減速感が強まるなか、原油相場が落ち 着いてきていることから、利下げ方向しかなくなってくるとの見方につながっ ている」として、対欧州通貨を中心とした円の買い戻しが進みやすいとみてい る。

ユーロやオセアニア通貨の売り圧力くすぶる

この日はユーロ圏で4-6月のGDPが発表される。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめた市場予想では、前期比年率マイナス0.2%が見込まれており、 徐々にユーロの売り圧力が強まっている。

ユーロ・円相場は一時162円51銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同 じ)までユーロが下落。1ユーロ=1.49ドル台前半で東京時間早朝の取引を迎 えたユーロ・ドル相場も、1.48ドル台後半で上値の重い展開となっており、一 時は1.4865ドルまで下値を切り下げている。

また、オーストラリア準備銀行(RBA)のバッテリーノ副総裁がこの日、 利下げを示唆する発言をしており、豪ドルの売り圧力もくすぶっている。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッド・オブ・FXストラテ ジー・ジャパンの山本雅文氏は、ボラティリティの高止まりを背景に金利差を 追求する動きは出にくく、円の買い戻しが進みやすいと説明。さらに、「織り 込みが進んでいるとはいえ、オーストラリアの利下げ観測やユーロ圏の景気減 速見通しなどを背景に、基調としては豪ドルやユーロの反発は見込みにくい」 としている。

そうしたなか、午前の取引では、ドル・円相場がクロス・円(ドル以外の 通貨と円の取引)での円買い戻しを受けて、一時1ドル=109円04銭と、前日 のニューヨーク時間午後遅くに付けた109円53銭から円高が進行。その後は109 円台前半を中心に推移している。

クロス・円に振らされる展開

一方、前日の米国市場では、原油先物相場が4日ぶりに反発。金先物相場 も今月に入って初めてのプラスとなり、銅先物相場は約1カ月ぶりの大幅上昇 となった。

商品市況がやや持ち直しを示したことから、世界的な景気減速に伴い商品 需要が縮小するとの観測を背景に売り圧力が強まっていた豪ドルやニュージー ランド・ドルなどの資源国通貨が買い戻された。

豪ドル・円相場は前日の東京市場で一時1豪ドル=93円15銭と、4月14 日以来の安値まで豪ドルが売られていたが、海外市場では96円20銭まで大幅 反発する場面が見られた。

ドル・円相場は一時108円38銭と、6日以来の水準まで円高が進んでいた が、対資源国通貨での円売りが波及して、海外時間には109円74銭まで円が下 落していた。

バークレイズ銀行トレーディング部の小川統也ディレクターはドル・円相 場について、方向感のない展開が続くとみており、クロス・円の動向次第だと 指摘。そのうえで、「原油価格の調整というかたちで、豪ドルなど資源国通貨 の売りが始まった相場のため、引き続き原油動向を注視する必要がある」とし ている。