債券は上昇、株続落や信用不安で買い-10年債利回り一時1.425%(2)

債券相場は上昇(利回りは低下)。日経 平均株価の続落に加えて、信用不安や景気減速感の強まりが買い材料視され、 相場の押し上げ要因となった。先物中心限月は節目の138円台を回復したほか、 新発10年債利回りは一時1.425%と約4カ月ぶりの低水準を付けた。

損保ジャパン・グローバル運用部の砺波政明グループリーダーは、「不動 産に対する不安感や米金融株の下落などが、金利低下圧力となっている」と説 明した。

東京先物市場の中心限月9月物は前日比12銭高の137円85銭で寄り付い た。その後は高値警戒感もあって、137円80銭台を中心にもみ合っていたが、 午前の取引終盤に買いが増えると、一気に節目の138円台に乗せた。一時は34 銭高の138円7銭まで上昇し、中心限月としては、4月24日以来の高値を付 けた。結局、28銭高い138円1銭で引けた。9月物の午前売買高は1兆2890 億円。

UBS証券の清水麻希ストラテジストは、夏季休暇中ながらも底堅く、下 値では押し目が入る展開が続いているという。「米国株がぜい弱で金融株が続 落しており、金融不安、景気減速が主要なテーマになっている」と述べた。

日経平均株価は続落。前日比39円16銭安の1万2983円89銭で午前の取 引を終えた。株式市場では、信用不安の高まりから東証1部の値下がり上位に は不動産株が並んだ。不動産会社のアーバンコーポレイションは13日、東京 地裁に民事再生手続きを申請して受理されたと発表。安全資産としての国債に 資金を振り向ける動きが出たとの指摘も聞かれた。

みずほインベスターズ証券の井上明彦マーケットアナリストは、「不動産 会社の民事再生法申請、消費者金融会社の格下げと信用市場に逆風が吹く中、 質への逃避的な買いで、中短期国債に資金がシフトする可能性がある」という。

新発10年債利回りは一時1.425%

現物債市場で新発10年物の295回債は、前日比1ベーシスポイント (bp)低い1.435%で取引を開始した。その後は水準を切り下げ、一時は2bp 低い1.425%と、新発10年債利回りとしては、4月21日以来の低水準を付け た。そこでは小口の売りが出て、結局は1.43%で午前の取引を終えた。

中期債相場も堅調。新発5年物の73回債利回りは、前日比1bp低い

0.99%。前日に約4カ月ぶりに節目の1%を割り込み、この日は一時0.985% まで下げた。一方、新発2年債利回りは0.5bp低い0.69%に低下している。

大和証券SMBCの岩下真理チーフマーケットエコノミストは、10年債の

1.5%割れまで買い上がってきていることから高値警戒感が出ているという。 そのうえで、「ここからさらに買い進むには、新たな材料が必要」と指摘した。

政府対策の規模など見極め

政府、与党が月内にまとめる経済対策の規模や財源などを巡り、自民党の 麻生太郎幹事長は13日夕、2008年度補正予算案を臨時国会に提出する可能性 があるとの見通しを示した。4-6月期GDP(国内総生産)の伸び率がマイ ナス成長だったことを受けて、公明党側からは、補正予算案は1兆円規模にす べきだといった意見が出されたという。

リーマン・ブラザーズ証券の山下周チーフJGBストラテジストは、GD Pの伸び率のマイナスを受けて、「補正予算規模の大型化の声が強まっている が、財政健全化路線のスタンスも維持しなければいけないため、追加的な国債 発行を伴う規模には至らない」との見方をしている。

--共同取材:池田祐美、進藤優 Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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