短期市場:3カ月TIBORじわじわ低下、円転効果でプレミアム縮小

短期金融市場では、ユーロ円TIBOR (東京銀行間貸出金利)3カ月物がじわじわ低下している。サブプライム(信用 力の低い個人向け)住宅ローン問題を背景とした信用リスクや9月期末越えのプ レミアム(上乗せ金利)は高止まりするものの、為替スワップの円転コスト低下 に伴う安い資金の流入で、足元から金利低下圧力が広がっている。

13日のTIBOR3カ月物は前日比0.00077ポイント低い0.84538%と 3日連続で低下し、6月26日以来の低水準。期日が9月末超え以降となるもの では最も低くなった。12日のユーロ円LIBOR(ロンドン銀行間貸出金利) 3カ月物も0.8975%と、2月25日以来、約半年ぶりの0.9%割れとなってい る。

景気懸念を背景に欧米の利上げ観測が後退するなか、国内でも4-6月期国 内総生産(GDP)が1年ぶりのマイナス成長となり、先物金利が先行して低下。 ユーロ円3カ月先物金利は2008年9月物が0.83%程度、中心限月09年3月 物は0.8%を下回っている。

三菱東京UFJ銀行の小倉毅円資金デスクチーフは、市場全体の金利低下基 調に後追いしているとしながらも、「LIBORの上昇圧力が弱まっている影響 も大きい。1週間物は1年前のパリバ・ショック前の水準で、円転効果が足元か らプレミアムを圧縮している」と指摘する。

昨年8月以前の低水準-リスクくすぶる

ユーロ円LIBOR1週間物は0.56594%と、2007年2月20日以来の低水 準。サブプライム問題が市場で噴出した同年8月9日の「パリバ・ショック」以 前の水準だ。1週間物は四半期末ごとに急騰するなど、為替スワップを通じた外 貨の影響も大きいが、通常は円転コスト低下を受けてユーロ(オフショア)円金 利が国内コール金利を下回っている。

無担保コール翌日物では、外国銀行の調達がほとんど見られなくなっている。 為替スワップを使うと日本銀行の誘導目標0.5%を大幅に下回る0.3%台の資金 が作れる場合もあり、国内市場取引の低迷につながっているという。

国内証券のトレーダーによると、最近は海外投資家が短期国債を継続的に購 入しているという。外からの安い資金の流入が国内の運用資金を押し出し、政府 短期証券(FB)3カ月物は0.57%台と、期末のプレミアムを考えるとターム (期日)プレミアムはほとんどない状態だ。

もっとも、「金融市場の不安が解消されたわけでもなく、プレミアムはいつ 拡大するか分からない」(三菱東京UFJ銀・小倉氏)ともいう。欧米金融機関 の損失拡大が続き、リスクプレミアムは高止まりしているのが実情だ。国内大手 銀行の資金担当者は、円転の安い資金も四半期末を越えてまでは出てこないとこ ろがポイントだと話す。

FB3カ月入札-大口需要か

財務省が実施したFB3カ月物入札では、落札利回りは前回とほぼ横ばい。 償還日の設定が嫌気された2カ月物入札に比べて、一部の恒常的な投資家需要が 相場を支えた。15日に国から年金が払い込まれるため、余剰資金を消化する需 要もあったようだ。

FB535回債の最高落札利回りは0.5784%(99.8560円)、平均落札利回り は0.5768%(99.8564円)と、前回(最高0.5784%、平均0.5755%)とほぼ横 ばい。入札後は0.575%で大きく出合った。応札倍率は4.17倍と前回(4.19 倍)とほぼ同水準だった。

市場関係者によると、発行総額の4割にあたる1兆8000億円程度を証券2 社が落札したもようで、大口投資家の注文が入っていた可能性があるという。国 内証券のトレーダーは、強い買いが入るような利回り水準でもないが、一部の大 口需要が相場を支えている面もあるだろうとみていた。

翌日物は調達しっかり

無担保コール翌日物は0.505-0.51%程度で調達しっかり。国内銀行は15 日の準備預金積み最終日に向けた需要が強かった。午後の運用が少ない場面で一 部外銀が0.515-0.525%でも調達したもよう。レポ(現金担保付債券貸借)は 15日受け渡し分が0.57%付近に上昇し、大手行の運用が慎重だった。

午後の本店共通担保オペ7000億円(8月14日-9月9日)の最低金利は、 前回(8月13日-9月4日)と横ばいの0.53%だったが、3兆5590億円の応 札が集まり、応札倍率は5.08倍と前回(3.43倍)から急上昇した。

インターバンクの市場関係者によると、積みの調整でメガバンクから調達意 欲があるが、日銀はあすまで資金需給がきつめの調節を続けてくるだろうという。

金利先物は反発

ユーロ円金利先物は反発(金利は低下)。米大手金融機関による追加損失計 上の懸念から、安全な投資先である米短期債利回りが大幅低下。日経平均株価も 大幅安となるなか、金利先物は買いが優勢だった。4-6月期国内総生産(GD P)のマイナス成長に驚きはなかったが、政府が景気後退を示唆するなか、日銀 の景気判断も下方修正されれば、相場の買い余地が生じるとの見方が聞かれた。

中心限月2009年3月物は午後に一時0.025ポイント高い99.230(0.770%) と、前週末に記録した4月17日以来の高値(99.240)に迫った。新発2年国債 利回りは一時1ベーシスポイント低下の0.69%まで買われた。