日本株(終了)金融中心に大幅続落、米金融不安再燃-国内景気も鈍化

東京株式相場は大幅続落。米国における金 融不安の再燃から、三菱UFJフィナンシャル・グループや野村ホールディング ス、オリックスなど金融株中心に安い。為替相場では円高が進み、キヤノンやソ ニー、三菱電機など輸出関連株も軟調、海外原油相場の下落傾向を受けて三菱商 事や新日本石油など資源関連銘柄も下げた。取引開始前に発表された4-6月の 国内総生産(GDP)はマイナス成長となり、国内景気が後退入りするとの見方 を裏付けた。東証業種別33指数は海運と空運、水産・農林を除き30業種が下落。

ちばぎんアセットマネジメントの安藤富士男専務は、「為替相場で円高が進 行している上、米国株の先行きに懸念があり、外部環境が一転して悪化している。 中国株が下げ止まらず、新興国の景気動向も気になるところ」と指摘した。

日経平均株価終値は前日比280円55銭(2.1%)安の1万3023円5銭。T OPIXは同24.94ポイント(2%)安の1246.48。東証1部の売買高は概算で 19億3144万株。東証1部市場の騰落状況は値上がり銘柄数211、値下がり1432。

一時13000円割り込む

この日の日経平均は、シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物9月物の 12日清算値1万3260円を下回って開始。一時は300円以上下げ、3営業日ぶり に心理的な節目の1万3000円を割り込む場面もあった。きっかけとなったのが、 米金融不安の再燃だ。直近の日本株は海外株高やドル高・円安傾向、商品相場の 下落など外部環境の好転を追い風に上昇してきたが、この日は逆風が吹いた。

米銀大手JPモルガン・チェースは2008年7-9月(第3四半期)に少な くとも15億ドル(約1650億円)の評価損を計上することを明らかにした。届出 書によると、トレーディング状況は7月以降、4-6月(第2四半期)と比べて 「著しく悪化した」したほか、不動産担保証券や貸出債権のスプレッド(米国債 に対する利回り上乗せ幅)が「急速に拡大」して、損失計上につながったという。

サブプライム(信用力の低い個人向け)ローン問題に端を発した金融不安が なおくすぶり、前日の米株式市場では金融株中心に売られてダウ工業株30種平 均は139ドル安となった。この流れを東京市場も引き継ぎ、TOPIXの業種別 値下がり率上位にはその他金融、保険、証券、銀行指数が並んだ。

こうした中、米証券取引委員会(SEC)による一部金融株の空売り規制が 解除された13日の米株式相場の動向を見極めようとの見方も強まった。お盆休 暇で市場参加者も少なく、東証1部の売買代金は2兆130億円と過去1年間の1 日当たり平均2兆4650億円を下回った。

為替相場の円高進行も足を引っ張った。東京外国為替相場は一時1ドル= 108円38銭と、6日以来、1週間ぶりの水準までドル安・円高が進んだ。前日 の取引時間中は1ドル=110円台で推移していただけに輸出採算性の観点から輸 出株には売りが先行しやすかった。東証1部市場の売買代金上位には、トヨタ自 動車やホンダ、キヤノン、ソニーなど輸出関連株が並んだ。

戦後最長の景気拡大が終えんへ

国内景気の後退局面入りが確認されたことも上値を抑えた。4-6月GDP は前期比年率2.4%減と、1年ぶりのマイナスとなった。ブルームバーグニュー スが調査した民間エコノミスト29人の予想中央値(同2.3%のマイナス)とほ ぼ一致したが、「いざなぎ景気」(1965年11月から57カ月)を抜いて2002年 から続く戦後最長の景気拡大は、終止符を打つことになり、相場の雰囲気を暗く した。ガソリンや生活必需品の相次ぐ値上げで個人消費が振るわず、これまで景 気拡大を主導してきた輸出が失速した。

みずほ投信投資顧問の清水毅シニアファンドマネジャーは、「8月の月例経 済報告で政府は後退局面にある可能性が高いと示唆したが、今のGDPはそれを 裏付ける内容となった。企業収益を含めて悪くなっていくため、しばらくは上値 の重い展開になるだろう」と見ている。

電通など広告代理店に売り

個別では、国内景況感の悪化の影響などで2008年9月中間期の連結営業利 益予想を9%引き下げた電通が反落。同業のアサツーディケイも業績と配当予想 の引き下げ、大幅安。博報堂DYホールディングスも1月22日の年初来安値 5130円に接近してきた。

このほか、原材料高で印刷用インキ事業の利益率が低下しているとして、今 期(09年3月期)の連結営業利益予想を43%引き下げたサカタインクスのほか、 会員権買い控えなどで今期(09年3月期)業績予想を下方修正したリゾートト ラストは、急落して約6年ぶり安値に沈んだ。

電炉用人造黒鉛電極の需要が増大して08年6月中間期は19%の営業増益と なったが、下半期は6%の営業減益という前回予想を据え置いた東海カーボンも 急落。取引先の経営悪化による貸倒引当金計上額の増加などで08年6月中間期 の最終損益が赤字となった福田組も大幅安。

コープケミ、CCCは大幅高

半面、主力の肥料事業で値上げに備えた前倒し的な仮需が発生したことが大 きく寄与し、第1四半期(4-6月)の利益が9月中間期計画を上回ったコープ ケミカルが急反発。提携先の拡充などでTSUTAYAの会員数が大きく伸びて 第1四半期(4-6月)決算は36%の営業増益となったカルチュア・コンビニ エンス・クラブ(CCC)も急騰。ネットインフラ事業、ネットメディア事業と もに順調に推移し、08年6月中間期業績は従来予想を上回ったようだと発表し たGMOインターネットも大幅高となった。

新興3市場は下落

国内新興3市場はいずれも下落。ジャスダック指数は前日比1.9%安の

56.87、東証マザーズ指数は同3.4%安の456.68、大証ヘラクレス指数は同

1.1%安の734.02。不動産市場収縮の影響などで今期(08年9月期)は最終赤字 に転落する見通しとなったアパマンショップホールディングスのほか、パソコン 販売の競争激化などで第1四半期(4-6月)業績が減益となったMCJが大幅 安となった。今期(08年9月期)業績予想を上方修正したが、FX(外国為替 証拠金取引)事業への高依存度が不安視されたサイバーエージェントも売られた。