日経平均一段安で13000円割り込む、米金融不安や国内景気後退入り

午前の東京株式相場は、一時300円以上下 げた日経平均株価が3営業日ぶりに1万3000円割り込んだ。米銀大手のJPモ ルガン・チェースが追加評価損を計上するとの発表を受けて金融不安が再燃して おり、トヨタ自動車やキヤノンなど輸出関連株、三菱UFJフィナンシャル・グ ループや野村ホールディングスなど金融株が安い。第1四半期(4―6月期)業 績が減益となったT&Dホールディングスを中心に、保険株も下落。また、午前 8時50分に発表された4-6月のGDP(国内総生産)は、前期比年率2.4% 減となり、景気後退入りしたとする見方を裏付けた。

みずほ投信投資顧問の清水毅シニアファンドマネジャーは、GDPについて 「8月の月例経済報告で政府は後退局面にある可能性が高いと示唆したが、今回 のGDPはそれを裏付ける内容となった。企業収益を含めて悪くなっていくため、 しばらくは上値の重い展開になるだろう」と見ている。

午前10時31分現在の日経平均株価は前日比282円9銭(2.1%)安の1万 3021円51銭。TOPIXは同25.33ポイント(2%)安の1246.09。東証1部 の売買高は概算で7億7345万株。東証業種別33指数は空運と海運を除いて31 業種が下落。

米JPモルガンは評価損計上へ

午前の日経平均株価は続落して始まった後、下げ幅を拡大し、シカゴ先物市 場(CME)の日経平均先物9月物の12日清算値1万3260円を下抜けた。その 後も底値を探る展開となっている。きっかけとなったのが米金融不安の再燃。直 近の日本株は外部環境の好転を追い風に上昇してきたが、この日は逆風となった。

米銀大手JPモルガン・チェースが、信用市場や住宅ローン市場の混乱の影 響で関連資産の価値が低下したため、2008年7-9月(第3四半期)に少なく とも15億ドル(約1650億円)の評価損を計上することが明らかになった。11 日に当局に提出された届出書によると、トレーディング状況は7月以降、4-6 月(第2四半期)と比べて「著しく悪化した」したほか、不動産担保証券や貸出 債権のスプレッド(米国債に対する利回り上乗せ幅)が「急速に拡大」して、損 失計上につながったという。

サブプライム(信用力の低い個人向け)ローン問題に端を発した金融不安に 対する警戒感が強まり、前日の米株式市場では金融株中心に売られてダウ工業株 30種平均は139ドル安となった。この流れを朝方の東京市場も引き継ぎ、TO PIXの下落寄与度上位には、電気機器、銀行指数が並んでいる。

GDPはマイナス

国内景気の鈍化傾向も相場の上値を重くした。内閣府が発表した4-6月の GDPは前期比年率2.4%減と1年ぶりのマイナスとなった。ブルームバーグ・ ニュースが調査した民間エコノミスト29人の予想中央値(同2.3%のマイナ ス)とほぼ同水準だったが、相場の雰囲気を暗くしている。ガソリンや生活必需 品の相次ぐ値上げで個人消費が振るわなかったほか、これまで景気拡大を主導し てきた輸出が失速した。

明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストは、「日本経済はすでに景 気後退入りしたとする見方を裏付ける格好となった。米国景気の回復次第である ため、年内は厳しい状況が続くだろう」と指摘している。

リゾートトは年初来安値

個別では、食料品などの値上げで国内景況感が悪化、米国経済の減速で企業 収益も弱含んでいるとして、2008年9月中間期の連結営業利益予想を9%引き 下げた電通が反落。同業のアサツーディケイも、業績と配当予想の引き下げを受 けて大幅安。このほか、会員権買い控えなどで今期(09年3月期)業績予想を 下方修正したリゾートトラストは、急落して年初来安値を更新した。