【今日のチャート】空売り規制、ベアー破綻時水準に株価回復がやっと

米証券取引委員会(SEC)が一部金融 株の空売りを規制した措置が12日に期限を迎える。この緊急措置によって金 融株相場が、ベアー・スターンズが実質的に破たんした日よりも高い水準に押 し上げられることはなかった。

SECの同措置では、破たんすれば米政府に損失をもたらしかねないファ ニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)、 投資銀行17社の株式を対象に、現物株を手当てしないまま売り注文を出す 「裸の空売り」が禁じられた。

きょうのチャートは、規制の対象となった19銘柄の時価総額が7月15日 の緊急措置発表以降、率にして26%、金額ベースでは2700億ドル(約29兆 5000億円)増加したことを示している。時価総額は拡大したが、巨額のサブプ ライム(信用力が低い個人向け)住宅ローン関連損失を出し、破たんの危機に 直面していたベアー・スターンズをJPモルガン・チェースが買収すると発表 された3月17日の水準に戻ったに過ぎない。

ヘンダーソン・グローバル・インベスターズ(ロンドン)の北米株運用担 当者アンソニー・ギフォード氏は「急激な株価の上昇はSEC規制に後押しさ れたものだが、パニック売りの基になっていたファンダメンタルズ(基礎的諸 条件)は改善してきている」と指摘。「空売りに対する新たなルールがいつ示 されてもおかしくないため、現在の緊急措置を撤廃しても大した違いは出ない だろう」と述べた。

SECのコックス委員長は7月24日、投資家に売り持ち状況の報告義務 を課すことを検討中で、売り浴びせる空売りへの抑制で追加措置を講じる可能 性があると明らかにした。

空売りは本来、トレーダーが株を借りて売る。株価が下落すれば、売っ た株を買い戻して利益が得られる。裸の空売りでは、株を借りないまま、売り 注文が執行される。

SEC緊急措置の対象となった投資銀行17社は、BNPパリバ・セキュ リティーズ、バンク・オブ・アメリカ(BOA)、バークレイズ、シティグル ープ、クレディ・スイス・グループ、大和証券グループ、ドイツ銀行、アリア ンツ、ゴールドマン・サックス・グループ、ロイヤル・バンク・オブ・スコッ トランド・グループ(RBS)、HSBCホールディングス、JPモルガン・ チェース、リーマン・ブラザーズ・ホールディングス、メリルリンチ、みずほ フィナンシャルグループ、モルガン・スタンレー、UBS。

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