6月経常黒字は前年比で4カ月連続縮小-輸出が4年7カ月ぶり減(3)

6月の日本の経常収支黒字額は4カ月連続 で前年同月を下回り、減少幅は過去最大を記録した。貿易収支は原油高騰の影 響で輸入額が9カ月連続で増加して過去最大額となった一方で、世界的な景気 減速の影響で輸出額が2003年11月以来4年7カ月ぶりの減少に転じたため黒 字幅が縮小、減少額は過去最大だった。

財務省が13日発表した国際収支状況によると、6月の経常黒字額は前年同 月比67.4%減の4939億円となった。このうち、貿易収支の黒字額は同81.3% 減の2521億円と2カ月ぶりに減少。所得収支の黒字額は同29.9%増の5934億 円と3カ月ぶりに黒字幅が拡大した。ブルームバーグ・ニュースのエコノミス ト調査では、経常黒字額の予想中央値は4947億円だった。

経常収支を構成する貿易収支と所得収支の2本柱のうち、貿易収支は原油 高の影響で輸入額の増加が続く一方、輸出額は米国や欧州連合(EU)など先 進国向けの減少が続き、好調だったアジア向けも伸びが鈍化している。円高に 伴う輸出収入の減少も、貿易黒字額縮小の要因の一つとなっている。

みずほ総合研究所の草場洋方シニアエコノミストは発表後、「輸出の勢いが 落ちているなかで輸入が増えたため、ダブルで貿易収支が厳しい状況にある」 と指摘。輸出の先行きについては「欧米の経済成長率が落ちている。全体とし ては伸びは維持されるが、GDP(国民総生産)ベースで3-4%程度に下が り、輸出が景気をけん引していく構図は描きにくい」としている。

また、輸入については「原油価格は落ち着きを取り戻しているが、前年比 でみるとまだ押し上げ要因。基調的に落ちていくかどうか見極めができる段階 ではない。石炭や鉄鉱石などの原材料も単価が上がっており、原油だけで輸入 金額がすぐに落ちるわけではない」との見方を示している。

足元の原油価格は下落傾向

6月の国際収支や4-6月期の国内総生産(GDP)一次速報値の発表を 受けた東京外国為替市場のドル円相場は円が上昇し、午前11時3分現在は1ド ル=108円68銭。東京株式市場の日経平均株価の午前終値は前日終値比297円 02銭安の1万3006円58銭と続落、東京先物市場の中心限月9月物の午前終値 は同変わらずの137円71銭。

同省が発表した6月の貿易統計速報(通関ベース)では、貿易黒字額は前 年同月比88.9%減の1386億円と4カ月連続で減少した。原油価格の高騰が輸入 額を押し上げた一方で、輸出額は米国向けが10カ月連続、EU向けが2カ月連 続で減少し、アジア向けも1けた台の伸びにとどまった。

この時期の原油価格はドルベースで1バレル=121.79ドルと、前年同月に 比べて80.3%上昇していた。一方で、12日のニューヨーク原油先物相場は一時 同112.31ドルと5月2日以来の安値を付けるなど、足元の価格は下落傾向にあ る。これに対し、同省では「原油価格の動向がどの段階で国際収支の数字に反 映されるかは何とも言えない」との見方を示している。

一方、同時に発表された08年上半期(1-6月)の経常収支の黒字額は10 兆4558億円と、前年同期比15.9%減少した。半期ベースでは05年上半期以来 6期ぶりの減少。このうち貿易収支は3兆7642億円の黒字で、輸出が同4.4% 増、輸入が同11.6%増と輸入の増加が輸出の増加を上回り、黒字幅は4期ぶり に縮小した。所得収支の黒字は同0.8%増の8兆5371億円と過去最大となった。

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