債券もみ合いか、米国債高で買い先行後に利益確定の売りとの見方(2)

債券相場はもみ合いが予想される。前日の 米国市場で、金融機関の業績不安から安全資産として買いが入った国債相場の反 発を引き継ぐ半面、相場の上昇後には利益確定の売りが出やすいとみられている。 朝方発表の4-6月期の国内総生産(GDP)については、市場で織り込まれて いるとされる景気後退が示唆されるかが見極めのポイントとなりそうだ。

UBS証券チーフストラテジストの道家映二氏は、債券相場は買い先行後に 伸び悩むと予想。寄り付き前に発表されるGDPについて、「市場は1年ぶりに マイナス成長を予想しているが、過去の数字との評価だ。円債市場は、買い先行 となろうが、今期予算の着地を意識した利益確定売りが始まる時間帯であり、水 準的にも戻り売りがでやすい」との見方を示した。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日の通常取引終値137円71銭を若干 上回る水準で始まった後、日中は137円60銭-137円90銭程度のレンジが予想 されている。12日のロンドン市場で9月物は、前日の東京終値から14銭高の 137円85銭で引けた。清算値は137円83銭。

みずほインベスターズ証券マーケットアナリストの井上明彦氏は、「米国金 利の低下を手がかりに、いったん上値を試す動きが予想される」と指摘。一方で、 「原油安はインフレ圧力の緩和要因とみられているものの、足元では物価上昇が 加速しており、利下げ観測は高まりにくい」と話している。

4-6月期GDP

ブルームバーグ・ニュース予測調査では、日本の4-6月期実質GDP成長 率は前期比0.6%減、年率2.3%減と1年ぶりのマイナス成長が見込まれている。

日興シティグループ証券チーフストラテジストの佐野一彦氏は、「予想通り でも景気後退感を一段と強める数字と言える。それでも、すでに織り込み済みで あり、反応は限定的と見るのが妥当」と指摘する。みずほインベスターズ証の井 上氏もまた、「景気の悪化は織り込み済みであり、GDPが市場の予想通りであ れば、いったん材料出尽くしとなる可能性が高い」と言う。

12日の日本国債先物相場は小幅高。国内株式相場が下落したことや、6月 の鉱工業生産確報値や7月の全国消費動向調査で景気の悪化が確認されたのを受 けた。ただ、4-6月期GDP発表を控えて様子見気分が強く、取引は少なかっ た。先物9月物は前日比3銭高の137円71銭で引けた。日中売買高は1兆9461 億円。

新発10年債利回りは1.4%台半ばか

現物債市場で新発10年物の295回債利回りは、前日終値1.455%を若干下 回る水準で始まり、日中ベースでは1.4%台半ばでの取引が見込まれる。

日興シティグループ証の佐野氏は、米国市場は支援材料としながらも、水準 的に売りが出て債券価格は伸び悩むと予想。「テーマ性が強い景気後退という材 料がある上、下値で買えていない分、戻り売りは少ない。しかし、5年の1.0% 割れ、20年の2.0%接近といった水準感が抵抗を示す可能性が高い」と説明した。

日本相互証券によると、12日の現物債市場で新発10年物の295回債は、前 日比0.5ベーシスポイント(bp)高い1.455%で寄り付いた後、若干水準を切り 下げ、1.45%に低下した。その後は、徐々に水準を切り上げ、午後零時半過ぎに

1.465%まで上昇した。結局、0.5bp高い1.455%で引けた。

一方、10年物国債の295回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各社 の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると1.45%だ った。

米国市場では株安・債券高

12日の米国債相場は反発。金融機関の業績が予想よりも悪かったため、信 用損失が深刻化するとの懸念が広がり、安全資産としての買いが入った。利回り の低下幅は7日以降で最大。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後4時 44分現在、2年債利回りは前日比12bp低下の2.43%。10年債利回りは9bp低 下の3.91%。

一方、米株式相場は反落。米銀大手JPモルガン・チェースが追加評価損を 計上すると発表したことから売りがかさみ、3営業日ぶりに下落した。米国のサ ブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンの崩壊が世界の金融機関にもた らした損失は総額で5000億ドルを突破した。

S&P500種株価指数は前日比15.73ポイント(1.2%)下げて1289.59。ダ ウ工業株30種平均は同139.88ドル(1.2%)安い11642.47ドルで終了。