日本株は続落へ、米金融不安再燃で輸出や金融に売り-国内GDP注目

東京株式相場は続落する見通し。米銀大手 のJPモルガン・チェースが追加評価損を計上するとの発表を受けて金融不安が 再燃、米国景気と株式相場の先行き懸念からトヨタ自動車など輸出関連株に売り が先行しそうだ。三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株も下落しそ う。また、国内景気の方向性を見極める上で、取引開始前に発表される4-6月 のGDP(国内総生産)にも注目が集まる。

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は、「日本株はこれまで外 部環境の改善を受けて上昇してきたが、前日の米株は反落し、ドル・円相場は1 ドル=109円台前半まで円高が進んでいる。市場エネルギーは減少しており、ひ とまず売り先行となるだろう」と予想した。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物9月物の12日清算値は1万3260 円で、大阪証券取引所の終値(1万3310円)に比べて50円安となった。前日の 日経平均は前日比127円31銭(1%)安の1万3303円60銭。

米金融不安収まらず

米銀大手JPモルガン・チェースは、信用市場や住宅ローン市場の混乱の影 響で関連資産の価値が低下したため、2008年7-9月(第3四半期)に少なく とも15億ドル(約1650億円)の評価損を計上することが明らかになった。11 日に当局に提出された届出書によると、トレーディング状況は7月以降、4-6 月(第2四半期)と比べて「著しく悪化した」したほか、不動産担保証券や貸出 債権のスプレッド(米国債に対する利回り上乗せ幅)が「急速に拡大」して、損 失計上につながった。

これを受けてサブプライム(信用力の低い個人向け)ローン問題に端を発し た金融不安が再燃し、前日の米株式市場では金融株中心に売りが先行。オッペン ハイマーのアナリスト、メレディス・ホイットニー氏とドイツ銀行のアナリスト、 マイク・マヨ氏が、証券引き受け業務や助言業務の収入軟化を指摘して米ゴール ドマン・サックス・グループの第3四半期(6-8月)の利益見通しを下方修正 したことも嫌気された。

米主要株価指数の終値は、S&P500種株価指数が前日比15.73ポイント (1.2%)安の1289.59。ダウ工業株30種平均は同139.88ドル(1.2%)安の

11642.47ドル。ナスダック総合株価指数は同9.34ポイント(0.4%)安の

2430.61。

GDPはマイナス予想

内閣府が午前8時50分に発表する4-6月のGDP(国内総生産)にも注 目が集まる。ブルームバーグ・ニュースが民間エコノミスト29人に調査したと ころ、4-6月のGDPの予想中央値は前期比年率2.3%のマイナスとなってい る。原油・素材価格の高騰に伴う生活必需品の値上がりで個人消費が減少、米国 をはじめとする世界経済の減速を背景に、これまで景気拡大を主導してきた輸出 も落ち込み、1年ぶりにマイナス成長となる見通しだ。国内景気の鈍化懸念を背 景に、積極的に上値を追いにくい状況だ。

電通や横河電が軟調公算

個別では、食料品などの値上げで国内景況感が悪化、米国経済の減速で企業 収益も弱含んでいるとして、2008年9月中間期の連結営業利益予想を9%引き 下げた電通が反落しそう。半導体テスタビジネスの市況回復時期が10-12月期 (第3四半期)以降にずれ込むと想定し、今期(09年3月期)の連結営業利益 予想を5.8%引き下げた横河電機が軟調に推移するとみられる。

また、少子高齢化や保険金の不払い問題などで生保離れが進み、保険事業の 収益が減少、4-6月期(第1四半期)の連結純利益が前年同期比68%減とな ったT&Dホールディングスも売られそうだ。

半面、新興国の経済成長に伴う鉄鋼やタイヤの需要拡大を背景に、同社の黒 鉛電極やカーボンブラックが伸びて08年6月中間期の連結営業利益が前年同期 比19%増となった東海カーボン、原油高を追い風に自転車の利用が拡大し、今 期(08年12月期)業績予想を上方修正したシマノは高くなる公算が大きい。