東京外為:ドルが対ユーロで一段高、商品安受け資源国通貨が総崩れ

東京外国為替市場では、午後の取引でドル がユーロに対して一段高となった。一時は1ユーロ=1.4816ドル(ブルームバ ーグ・データ参照、以下同じ)と、2月26日以来、約5カ月半ぶりのドル高値 を更新した。原油や金を中心とした商品相場の下落基調を背景に資源国通貨の 先安観が強まっているほか、米個人消費の圧迫懸念が緩和していることから、 ドルの買い戻しが進んだ。

三井住友銀行市場営業統括部の山下えつ子チーフ・エコノミストは、7月 の半ば以降続いている原油相場の下落や、原油安を好感した米国株の上昇がド ル高のベースにあると説明。そうしたなか、「ユーロなど経済が思ったよりも 悪いとの見方から売られている通貨が目立っており、米国以外で発表される経 済指標が注目される」として、指標が弱含みとなれば、ユーロが一段安となる 展開を予想している。

一方、資源国通貨の先安観を背景にクロス・円(ドル以外の通貨と円の取 引)では、円の買い戻し圧力が強まっており、ユーロ・円相場は一時1ユーロ =163円26銭と、6月5日以来の安値を付けている。

ドル・円相場はクロス・円での円買い戻しが影響して、午前のドル高値1 ドル=110円32銭を上抜けできず、110円台前半を中心としたもみ合いが続い た。

資源国通貨に調整圧力

前日のニューヨーク原油先物相場は続落し、一時は1バレル=112.72ドル と、5月2日以来の水準まで下値を切り下げた。また、金先物相場が急落して、 昨年12月以来の安値を付けたほか、銅先物相場も半年ぶりの安値に落ち込んで いる。

商品市況が軒並み下落基調を強めたことを背景に、オーストラリア・ドル やニュージーランド・ドルを中心に資源国通貨が総崩れとなっており、全般的 にドルの買い戻し基調が強まっている。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部の斉藤裕司部長は、欧州をはじ めとして世界的に景気減速感が強まっていることから、1次産品に対する需要 がかなり減るとの思惑が生じ、商品市況の調整が進みやすくなっていると説明。 「資源国通貨の下落基調が一段と強まるなか、欧州の景気減速感も相まってド ル高につながっている」と指摘している。

円買い圧力

半面、豪ドルは対円で一時1豪ドル=96円19銭と、4月26日以来の安値 まで下落。クロス・円での円買い戻しが対ドルにも波及する格好となり、ドル・ 円相場の上値は抑えられた。

また、市場では、「今週は夏期休暇入りとなる輸出企業が、休暇中のドル 売り注文を残すと観測されているほか、15日には米国債の償還を控えて、円転 に伴うドル売りも警戒される」(SG銀・斉藤氏)との指摘があり、110円台半 ばではドルの上値が重くなる可能性も残っている。

米景気の先行き警戒感くすぶる

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が11日に発表した銀行の融資担当 者を対象にまとめた調査によると、住宅ローンの不履行と返済遅延が増加する 中、4月以降は法人・個人向け融資基準を引き上げた銀行が増加している。

サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題を背景とした信用 収縮懸念はくすぶっており、依然として米景気の先行きに対して強気の見方は 醸成されにくい面も残っている。

市場ではドルについて、「底を打って持続的な回復局面に入ったという見 方と、調整の動きに過ぎないという見方がきっ抗している」(みずほコーポレ ート銀行国際為替部・加藤倫義参事役)といった状況で、週内に発表される米 経済指標の結果を受けて、ドル高が修正される可能性も警戒される。

--共同取材:曽宮一恵 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Hidekiyo Sakihama

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