短期市場:FB2カ月入札0.6%乗せ、発行・償還日の要因で銀行敬遠

短期金融市場では、政府短期証券(FB) 2カ月物入札で落札利回りが0.6%台に上昇した。発行日や償還日が資金繰りを 付けづらい設定だったため大手銀行の需要が集まりづらく、ディーラーを中心に 慎重な応札となった。

FB534回債(発行8月15日、償還10月2日)の最高利回りは前回より

1.1ベーシスポイント高い0.6012%(99.9210円)、平均利回りは1.3ベーシス 上昇の0.5958%と、新発FB3カ月物533回債の0.57%を上回った。流通市場 では0.595-0.600%で取引されている。発行額は3兆円程度。

534回債は発行日が準備預金の積み上げ最終期日に当たる上、償還日は9月 期末明け直後で、日本銀行による期末越えの資金供給オペの担保として使えない 事情がある。国内証券のトレーダーは、最高利回りが予想通り流れた形で、

0.60%なら仕方なしの買いが入ったという。

資金繰りの影響を受けない投資家にとっては、相対的に妙味のある利回り水 準だった。ただ、大手投信投資顧問のファンドマネジャーは、2カ月物は一時的 な発行で償還時の再発行(ロール)がないうえ、期初に運用資金が償還しても再 投資先に困るとみていた。

534回債の発行日に当たる15日のレポ(現金担保付債券貸借)は0.55-

0.56%程度と、通常の水準に比べて3-4ベーシス上昇している。一方、午後の 本店共通担保オペ8000億円(8月13日-9月4日)の最低金利は、前回(8 月12日-19日)と横ばいの0.53%と、低位安定していた。

13日入札のFB3カ月物535回債の落札利回りについては、既発債を上回 る0.58%程度が予想されている。国内証券のトレーダーは、9月期末越え償還 物は大手銀行が積極的には買ってこないとして、在庫が積み上がっている業者も あるが、売り急ぐ状況でもないという。

金利先物は小幅続落

ユーロ円金利先物は小幅続落(金利は上昇)。前日の米債安の影響や、相場 が約4カ月ぶりの高値圏にあることへの警戒感から戻り売りが続いた。もっとも、 あすの4-6月期国内総生産(GDP)の発表を見極める姿勢もあった。変動利 付国債の減額に伴う中短期債の増発の影響は限定的と指摘された。

中心限月2009年3月物は一時0.015ポイント安い99.200(0.800%)まで下 落し、99.200-99.210で推移した。前週末は99.240(0.760%)と、4月17日 以来の高値を付ける局面もあった。新発2年国債利回りは前日と横ばいの

0.700%から0.710%で推移した。

国内大手銀行の先物トレーダーは、変動利付債のしわ寄せがすべて中短期債 にくるのは予想外だったとし、金先相場は急速な上昇に伴う利益確定の動きが実 際の要因だろうと指摘。利下げまで織り込むのは難しい状況のなかで、ユーロ円 TIBOR(東京銀行間貸出金利)3カ月物の低下も緩やかだという。

財務省が発表した今年度の国債発行計画では、15年変動利付国債の発行予 定額が2兆4000億円から1兆2000億円に減額される一方、2年利付国債と1年 割引短期国債(TB)は各6000億円増額される。

市場では、期間が短い債券は増額が相場に与える影響も限られるとの声が聞 かれた。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)からみた年度内の 利上げ織り込みがはく落し、中間決算を控えた市場では銀行勢から中短期債の需 要が根強いとの見方もある。

4-6月期GDPについて、ブルームバーグ調査の予想中央値は前期比

0.6%減、年率2.3%のマイナス成長となっている。大手銀のトレーダーは、政 府が景気後退を示唆するなか、相場には織り込み済みで、今後は日銀が景気判断 をさらに下方修正するかが注目だという。

翌日物0.505%付近-日銀は中立調節

無担保コール翌日物は0.505%付近で推移。外国銀行の調達が少ないなか、 日銀は朝の金融調節を見送り、準備預金残高を4兆5000億円程度と、ほぼ中立 水準まで縮小した。このため、午後に0.51%を調達する国内銀行もあった。

インターバンクの市場関係者によると、準備預金の積み最終に向けたメガバ ンクの需要もあり、4.5兆円はやや少なめだったが、外銀の需要がほとんどない ため、影響は限られたという。外銀はユーロ(オフショア)円金利の0.4%台を 受けて、割高なコールの調達低迷につながっている。

この日の準備預金(除くゆうちょ銀)は3000億円減の4兆5000億円程度。 残り必要積立額(1日平均4兆2000億円)と積み終了分(11日は2900億円) から推計した中立水準も4兆5000億円程度で、資金需給に余裕の少ない調節だ った。

準備預金の積みは平均ペースと比べた進ちょく率かい離幅がプラス1.8と、 15日の資金余剰を意識して抑制気味だ。同日は国から年金が払い込まれること で3.5兆円程度の余剰が見込まれている。