日本株(終了)反落、鉄鋼や非鉄金属売り-景気減速懸念で上値追えず

東京株式相場は反落。6月の普通鋼鋼材受 注量の伸びが急速に鈍化したと伝わり、新興国の景気鈍化懸念などから新日本製 鉄やJFEホールディングスといった鉄鋼株に売りが優勢となった。海外商品相 場の下落傾向を受け、住友金属鉱山などの非鉄金属株の下げも目立った。原油安 を背景に前日の上昇が目立った旭化成など化学株は反落。

住友信託銀行の島津大輔調査役は、「相場にけん引役がいない。原油相場が 下落傾向にあるが、背景には新興国などの景気減速がある。景気が減速している 中、株式相場に資金がどんどん流れてくることは考えにくい」との見方を示した。

日経平均株価終値は前日比127円31銭(1%)安の1万3303円60銭。T OPIXは同8.58ポイント(0.7%)安の1271.42。東証1部の売買高は概算で 20億3512万株、東証1部の騰落状況は値下がり銘柄数1328、値上がり312。東 証業種別33指数は23業種が下落、10業種が上昇。

GDP控え「戻りいっぱい」

この日の日経平均は反落して始まった。午後に前日比10円安まで下げ幅を 縮小する場面もあったが、後半にかけて下げ幅を拡大し、結局この日の安値圏で 終えた。前日までの2営業日で300円以上の大幅上昇となっていたため、あすの 日本の4-6月期GDP(国内総生産)発表を控え、投資家の持ち高整理が進ん だ。東証1部の売買代金は2兆799億円と過去1年間の1日当たり平均2兆 4668億円を下回った。

ブルームバーグ・ニュースが民間エコノミスト29人に調査したところ、4 -6月期GDPの予想中央値は前期比年率2.3%のマイナスとなっている。原 油・素材価格の高騰に伴う生活必需品の値上がりで個人消費が減少、米国をはじ めとする世界経済の減速を背景に、これまで景気拡大を主導してきた輸出も落ち 込み、1年ぶりにマイナス成長となる見通しだ。

明和証券の矢野正義シニアマーケットアナリストによると、「直近の日本株 の上昇は原油安、円安を背景にした買い戻しが中心だった。あすにマイナス予想 のGDP発表を控え、『戻りいっぱい』と見た向きが売ってきた」という。

鉄鋼など新興国関連安い、米緊急策後も見極め

中国上海総合指数が連日で年初来安値を更新するなど、新興国の景気動向に も警戒感が強まる中、新興国関連の業種、銘柄にも売りが広がった。終日軟調だ ったのが鉄鋼株。12日付の日本経済新聞朝刊の報道などによると、日本鉄鋼連 盟が11日発表した6月単月の普通鋼鋼材の受注量の伸びは急速に鈍化した。建 設向けを中心に国内向けが減少したほか、輸出が7.2%増と上期全体(12.6% 増)の伸びに比べると鈍化したという。コマツやダイキン工業などの機械株、三 井物産などの大手商社株も売られた。

米金融株に対する緊急空売り規制の期限切れも警戒された。SMBCフレン ド証券の中西文行ストラテジストは、「今晩で期限が切れる。米国株がどう反応 するか警戒感があるため、買い上がることは難しい」と指摘した。この日のシカ ゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)のS&P500種株価指数先物は、 基準比マイナスで推移していた。

TOWAや大分銀が下落

個別では、半導体メーカーが設備投資を絞り込む傾向は当面続くとして、今 期(2009年3月期)の連結純利益予想を前期比43%減の12億円(従来予想22 億円)へと引き下げたTOWA、取引先の破たんなどに伴う引当金増加、将来の 貸倒リスクに備えるための貸倒引当金の大幅な積み増しが要因となり、今期(09 年3月期)業績予想を下方修正した大分銀行も大幅安となった。

また、エネルギーや原材料価格の高騰が響き、4-6月期(第1四半期)の 連結営業利益が前年同期比9.7%減となった雪印乳業、真夏日が続いて消費者が きのこ商品を買い控え、7月の売上高が会社計画を5%下回ったホクトが急落し た。大型案件のテスト費用や不採算案件の費用を第1四半期(4-6月)に前倒 しで計上し、発足後初の四半期決算が赤字となったITホールディングスも安い。

金融株は上昇、ニッパツが高い

半面、三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株、三井住友海上グ ループホールディングスなどの保険株といった金融株が上昇。自社株買いによる 需給好転が見込まれた東京海上ホールディングスも小高い。原油安を背景にコス ト圧迫懸念が後退した東京電力など電気・ガス株、日本航空や商船三井など空運 や海運株も高い。

個別では、自動車用懸架ばねの受注が国内やアジアなど新興国で伸びて8日 に発表した4-6月期の連結純利益が前年同期比68%増となったニッパツに買 いが継続し、大幅高。液晶洗浄装置や通信基地局向けの小型アンプなどが好調で、 第1四半期(4-6月期)の連結純利益が9月中間期計画を上回った島田理化工 業、価格転嫁や市況堅調などで第1四半期(4-6月期)連結営業利益が前年同 期比42%増となったマルハニチロホールディングスも大幅上昇となった。

また、住宅着工の低迷や原材料高が響いて第1四半期(4-6月)業績は減 益となったが、コスト削減効果で9月中間期計画に対する進ちょく率が75%に 達した日本カーバイド工業が上昇。8月度納入分から順次にカーボン製品を 20%から30%値上げすると発表した東洋炭素も買われた。

新興3市場はまちまち

国内新興3市場は、高安まちまち。ジャスダック指数は前日比0.3%高の

57.97。一方、東証マザーズ指数は同0.7%安の472.93、大証ヘラクレス指数は 同0.6%安の742.33となった。

成功報酬の減少などで、第1四半期(4-6月)業績が営業損益段階から赤 字となったスパークス・グループ、物件売却の延期などから前期(08年6月 期)業績が赤字となったようだと発表したライフステージが年初来安値を更新。 半面、WEB広告の売り上げが伸びたことなどから第1四半期(4-6月)の連 結営業利益が前年同期比2.4倍となったオリコンは大幅続伸。

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