債券は小幅安か、米株高・債券安で売り先行―あすのGDP待ち(2)

債券相場は小幅安(利回りは上昇)が予想 される。前日の米国市場で、株高・債券安となった地合いを引き継ぎ、売りが先 行しそうだ。もっとも夏季休暇入りで市場参加者が少ない中、あすに4-6月期 国内総生産(GDP)発表を控えて動きづらく、積極的な取引は手控えられる見 込み。

みずほインベスターズ証券マーケットアナリストの井上明彦氏によると、 「海外市場ではユーロ安・ドル高を受けて、原油安が止まらず、株高・債券安と なった。売り材料に反応の鈍い円債市場も、さすがにGDPを控え、ポジション (持ち高)調整の動きから小甘い動きが予想される」という。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日の通常取引終値137円68銭を若干 下回る水準で始まった後、日中は137円30銭-137円70銭程度のレンジが予想 されている。11日のロンドン市場で9月物は、前日の東京終値から13銭安の 137円55銭で引けた。

日興シティグループ証券チーフストラテジストの佐野一彦氏は、「米債安・ 株高という外部環境の悪化にあまり反応しない地合いが続いている。しかし、そ れらが原油価格急落などに起因する景気回復期待を反映している以上、円安で 相殺される部分はあるが、日本でも交易条件の好転を通じて、債券安要因が存在 するはずだ」と指摘、「上値重く、先物中心に調整」と予想している。

11日の先物相場はもみ合い。前週末の米国市場で原油安などを受けて株 高・債券安となった流れを引き継ぎ、円債市場は売りが先行した。もっとも、国 内景気懸念を背景に売りも限られ、その後は横ばいで底堅く推移した。現物債で は、中期債が軟調となった半面、超長期債が堅調だった。先物9月物の終値は前 週末比変わらずの137円68銭。日中売買高は1兆8764億円と今年最低となった。

ブルームバーグ・ニュース予測調査によると、朝方発表される7月の国内企 業物価指数は前月比0.8%上昇、前年比5.7%上昇の見通し。6月は前月比

0.8%上昇、前年比5.6%上昇だった。

また13日発表の4-6月期実質GDPは前期比0.6%減、年率2.3%減と1 年ぶりのマイナス成長が見込まれている。

新発10年債利回りは1.4%台半ばから後半か

現物債市場で新発10年物の295回債利回りは、前日終値1.45%を若干上回 る水準で始まり、日中ベースでは1.4%台半ばから後半での取引が見込まれる。

三菱UFJ証券シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏は、「長期金利は 強含みもみ合い」を予想。「このところ、米債や日経平均株価とのデカップリン グ(かい離)を強めているが、あすの4-6月期GDP統計の発表を前に、いっ たん手じまい売りが出ても不思議ではない」と説明した。

日本相互証券によると、11日の現物債市場で新発10年物の295回債は、前 週末比0.5ベーシスポイント(bp)高い1.47%で寄り付いた後、徐々に水準を 切り下げ、一時1bp低い1.455%に低下した。その後は若干水準を切り上げ、1 bp高い1.475%まで上昇した。午後は、再び水準を切り下げ、結局、1.5bp低い

1.45%と新発10年債としては4月24日以来の低水準で引けた。

一方、10年物国債の295回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各社 の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると1.455%だ った。

米国市場は株高・債券安

11日の米国債相場は下落。原油など商品相場の下落で個人消費が持ち直し、 ぜい弱な景気を下支えするとの見方から売りが優勢になった。BGキャンター・ マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後4時16分現在、10年債利 回りは前週末比6bp上昇の4.00%と、7月25日以来で最大の上げ幅。30年債 利回りは7bp上昇の4.61%、2年債は4bp上昇の2.55%。

一方、米株式相場は上昇。原油価格が14週ぶり安値に沈んだことから小売 業者やクレジットカード会社の株価に買いが入り、4月以来の大幅高となった先 週の流れを継続した。S&P500種株価指数は前営業日比9ポイント(0.7%) 上げて1305.32。ダウ工業株30種平均は同48.03ドル(0.4%)高の11782.35 ドルで終了。