NY外為:ドルが対ユーロで5カ月半ぶり高値-商品安が支援材料(2)

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが ユーロに対して5カ月半ぶり高値に上昇。欧州経済が減速する兆候をみせる中、 商品相場の下落は米国経済を支える材料になるとの観測が広がった。

円とスイス・フランは主要国通貨のほとんどに対して上昇。米国に端を発 した景気減速が世界的に波及しているとの懸念から、投資家は低金利の円やス イス・フランで資金を調達し、高金利通貨で運用するキャリー取引を解消した。 ロシア・ルーブルは対ドルで2月以来の安値。ロシア軍がグルジア西部の軍事 基地を占拠したのが嫌気された。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの為替グループ担当グローバル戦略 ディレクター、サマルジット・シャンカー氏(ボストン在勤)は「活発なドル 買いがみられる。商品相場が下落し、世界的な経済成長懸念が再燃する中で、 ドルが恩恵を受けている」と語った。

ニューヨーク時間午後4時11分現在、ドルは対ユーロで0.7%上昇し1ユ ーロ=1.4899ドル。一時は同1.4881ドルと、2月26日以来の高値をつけた。 前週末は同1.5005ドルだった。ユーロはこの日、対円で0.7%下落し1ユーロ =164円21銭(前週末は165円38銭)。一時は6月5日以来安値の1ユーロ =163円65銭まで売り込まれる場面もあった。ドルは対円で110円16銭。前 週末は110円18銭だった。

英ポンドは対ドルで最大0.8%下げて1ポンド=1.9067ドル。2006年11 月以来の安値に落ち込んだ。米プライスウォーターハウスクーパースの発表し たリポートによると、信用危機で英国内の資産1兆2000億ドルが失われた。

ロシア・ルーブルは最大1.6%安の1ドル=24.618ルーブル。2月20日 以来の安値をつけた。ロシアによるグルジア軍事介入が下げ材料。

円が上昇

円はブラジル・レアルに対して0.9%上昇して1レアル=67円95銭。ス イス・フランは対ユーロで0.2%高の1ユーロ=1.6206スイス・フランだった。 日本の政策金利は0.5%、スイスは同2.75%と、ユーロ圏の4.25%やブラジル の13%と比べて大幅に低い。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物9月限 は前週末比75セント(0.7%)安の1バレル=114.45ドルで終えた。ブルーム バーグによると、ユーロ・ドルの値動きと原油相場の値動きの相関指数は、過 去1年間で0.9。同指数1は同方向に動くことを示す。

TDセキュリティーズ(トロント)の主任通貨ストラテジスト、ショー ン・オズボーン氏は、「原油には一層の下振れリスクがあるようだ。これがド ルの買いを支えている」と語った。同氏によると、ドルが1ユーロ=1.4907ド ルの抵抗線を上回る堅調を維持した場合は、1ユーロ=1.4550ドルを試す可能 性もある。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数 は7営業日続伸。一時は76.362と、2月20日以来の高水準を記録した。

フランス国立統計経済研究所が発表した6月の仏鉱工業生産指数は前月比

0.4%低下と、予想外の落ち込みだった。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト24人の予想では0.6%の上昇が見込まれていた。

リープシャー総裁の発言

欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、リープシャー・オースト リア中央銀行総裁は、通信社マーケット・ニュース・インターナショナル(M NI)とのインタビューで、ECBが「懸念する」水準にあるインフレ率に引 き続き注視しているとの認識を示した。

豪ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・フラヌ ロビッチ氏は、「リープシャー総裁の発言はただの脅し文句だ。市場は欧州の 経済成長が一段と減速すると見込んでいる。ユーロが同様のスピードで下落す るとは思っていないが、売り圧力は依然としてユーロにかかっている」と語っ た。

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