日本株(終了)輸出や化学、ゴム中心に大幅続伸、原油急落や円安好感

週明けの東京株式相場は続伸。原油相場の 急落や為替相場のドル高・円安傾向など外部環境の好転を受け、キヤノンや松下 電器産業、トヨタ自動車など輸出関連株中心に買いが先行した。原油安を背景に コスト悪化懸念が後退する信越化学工業などの化学、ブリヂストンなどのゴム製 品、東京電力などの電気・ガス株も上昇。東証業種別33指数は29業種が上昇、 下落は4業種にとどまった。

安田投信投資顧問の茶野宏ファンド運用部長は、「原油や為替動向などの懸 念材料が薄れている。原油安を背景に国内企業のコスト圧迫懸念は後退しやすい。 外部環境の好転から売りを仕掛けにくい。ただ、景気は良くないため、相場の上 昇は緩やかになるだろう」との見方を示した。

日経平均株価終値は前営業日比262円50銭(2%)高の1万3430円91銭。 TOPIXは同20.07ポイント(1.6%)高の1280.00。東証1部の売買高は概 算で17億9342万株。東証1部市場の騰落状況は値上がり銘柄数1129、値下が り471。

先物主導で午後一段高、代金は2兆円割れ

この日の日経平均株価は大幅上昇して始まり、シカゴ先物市場(CME)の 日経平均先物9月物の8日清算値(1万3300円)を一気に上抜けた。午後には 先物主導で一段高となり、一時は300円以上の上げとなった。背景にあるのは、 警戒されてきた外部環境の好転だ。世界経済の成長鈍化が需要後退につながると の見方から前週末のニューヨーク原油先物相場は急落し、5月5日以来の3カ月 ぶりの安値水準となった。ニューヨーク金先物相場が1.5%安となるなど商品相 場は軒並み下落、グローバルマネーの流れに変化の兆しが表れている。

商品相場の下落は企業収益を押し上げるとの見方から、前週末の米株式市場 では小売や製造業、運輸株を中心に幅広い業種が上昇。ダウ工業株30種平均が 300ドル以上の上昇となるなど主要株価指数は軒並み上げた。日本株にも買い安 心感が広がり、東証1部の売買代金ランキング上位には、トヨタ自動車やみずほ フィナンシャルグループ、コマツなど時価総額の大きい主力銘柄が並んだ。住友 ゴム工業が一時ストップ高となるなど、コスト圧迫懸念が後退したゴム製品の上 昇も目立った。

原油安を背景に外国為替相場ではドルの買い戻しが進行。東京市場早朝のド ル・円相場は一時1ドル=110円40銭までドルが買われ、1月2日以来、約7 カ月ぶりのドル高・円安水準を付けた。約1カ月前は1ドル=104円台を割れる 場面もあっただけに、輸出採算性の観点から輸出株には買いが入りやすかった。 東証業種別33指数の値上がり率1位は、輸送用機器指数となった。

市場では「原油安で欧米の消費者心理が好転すれば、民生用エレクだとか、 半導体株関連の優良企業が買われやすくなる」(野村証券投資情報部の品田民治 課長)との声があった。

もっとも、この日の東証1部市場の売買代金は1兆8722億円と、過去1年 間の1日当たり平均2兆4684億円を大きく下回った。2兆円割れも7月29日以 来、およそ2週間ぶり。一方、日経平均先物9月物の出来高は10万5527枚と活 況とされる10万枚を4営業日連続で上回った。お盆休みなどで市場参加者が少 ない中、先物主導の展開をうかがわせた。

アドバネクスが急伸、JUKIが大幅安

個別では、携帯電話向けの部品を扱う子会社の業績が順調なことなどから、 第1四半期(08年4-6月)決算が黒字化したアドバネクス、機械・プロセス 機器部門が堅調に推移し、第1四半期(08年4-6月)決算が黒字転換した日 立造船が大幅高となった。北米市場の冷え込みによる輸出向け車種の販売減少が、 期初予想ほど大きくないとして、9月中間期の業績予想を上方修正したタチエス も高い。

新興国向け設備投資を増やした日系自動車メーカー向けが好調で、07年10 月-08年6月までの9カ月累計の連結純利益は前年同期比16%増となったOB ARAも急伸。昨年からの値上げが順調に浸透し、第1四半期(08年4-6 月)連結営業利益の中間期に対する進ちょく率が9割を超えた日清オイリオグル ープも買われた。

半面、中国で工業用ミシンの販売が減少するほか棚卸資産の評価損も響くた め、今期(09年3月期)業績予想を下方修正したJUKIが大幅安。米国市場 に不透明感があるとして、今期(09年3月期)業績を一転して減益予想に修正 したホソカワミクロン、たばこ自動販売機用の成人識別ICカード(タスポ)対 応たばこ自販機の需要一巡などで第1四半期(4-6月)が大幅減益となったグ ローリーも売られた。

新興3市場は上昇

国内の新興3市場は軒並み上昇。ジャスダック指数は前営業日比1.4%高の

57.82、東証マザーズ指数は1%高の476.26、大証ヘラクレス指数は0.3%高の

746.86。3指数いずれも上昇して始まり、堅調に推移した。

個別では、クレジットカード関連事業の損益改善などで6月中間期の連結純 利益が前年同期比26%増の72億円と、中間期で過去最高を記録した楽天がスト ップ高。液晶業界のおう盛な設備投資の影響などで、第1四半期(4-6月期) 業績が黒字転換したブイ・テクノロジーも急伸した。半面、電子カルテルシステ ム事業の不振で今期(08年9月)業績予想を下方修正したシーエスアイが売り 気配のまま終了。