インフレは峠を超えた、景気鈍化で商品高騰続かない-TIPSが示唆

英資産運用会社、シュローダー・インベス トメント・マネジメントのデービッド・スキャメル氏は、インフレは峠を超え たと確信し、この7-9月(第3四半期)にインフレ連動債(TIPS)を売 却した。

スキャメル氏は、1-6月(上期)には原油相場が1バレル=100ドルを 超えたため、TIPSを含むインデックス連動債をできる限り買い集めていた が、今では世界経済が弱くなりすぎて商品相場の急騰は維持されず、インフレ は頭打ちになってきたとみている。同氏は同債の保有高を減らしていることを 明らかにした上で、「各国の中央銀行はインフレ期待を抑え込む必要から、タカ 派的なトーンを維持しなければならないが、現実には弱い経済指標が目白押し だ」と指摘する。

銀行間取引ブローカー、ICAPの債券調査部門リード・サンバーグの11 日付調査によると、対象となった債券担当ファンドマネージャーのうち79%は、 インフレが「今年遅くから来年にかけて和らいでくる」と回答している。

メリルリンチがまとめた指数によれば、TIPSのリターン(投資収益率) は6月以降、プラス0.8%と、上期のプラス4%を下回った。一方、通常の米 国債リターンはプラス1.9%。上期は0.1%だった。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は今月7日、ユーロ圏経済は第3 四半期に「特に弱くなる」との見通しを明らかにしたほか、米連邦公開市場委 員会(FOMC)は5日の声明で労働市場の縮小と金融市場の緊張状態が米経 済の成長を妨げるとの見方を示した。

コンサルタントで元ソロモン・ブラザーズのチーフエコノミスト、ヘンリ ー・カウフマン氏は先週、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、 米経済がリセッション(景気後退)入りする可能性は「60%を超える」とし、 回復するには時間がかかるとの認識を示した。

また、景気の鈍化に伴って商品相場も下落し始めた。商品先物の指標であ るロイター・ジェフリーズCRB指数は6月末までの1年間で、平均47%も上 昇してきたが、過去1カ月間で12%の下落に転じ、インフレ懸念が後退してい る。

ブルームバーグの集計データによれば、10年物TIPSと米10年債の利 回り格差(ブレークイーブン・レート)は7月、急速に縮小。先週は2.23ポイ ントとなり、7月4日に付けた今年最大の2.6ポイントを大きく下回った。

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