日本株は続伸、輸出やゴム製品株などに買い-原油安と円安で環境好転

午前の東京株式相場は続伸。原油急落やド ル高・円安傾向など外部環境の好転を受け、キヤノンやトヨタ自動車などの輸出 関連株中心に幅広い業種に買いが先行した。三菱UFJフィナンシャル・グルー プやみずほフィナンシャルグループなどの銀行株も上昇。原油安を背景に、コス ト悪化懸念が後退した信越化学工業などの化学や、ブリヂストンなどのゴム製品 株の上昇も目立った。

T&Dアセットマネジメントの天野尚一運用統括部長は、「原油高を価格転 嫁できずに企業は苦しんでいる。最終需要が弱いため、当面状況は変わらないが、 原油価格の下落により価格転嫁の負担は若干緩和される。企業業績にはプラスの 要因」との見方を示した。

午前の日経平均株価終値は前営業日比225円96銭(1.7%)高の1万3394 円37銭。TOPIXは同16.31ポイント(1.3%)高の1276.24。東証1部の売 買高は概算で8億5087万株。東証業種別33指数は27業種が上昇、6業種が下 落。東証1部の騰落状況は値上がり銘柄数1065、値下がり516。

原油相場が3カ月ぶり安値

午前の日経平均株価は大幅上昇して始まり、シカゴ先物市場(CME)の日 経平均先物9月物の8日清算値(1万3300円)を一気に上抜けた。背景にある のは、警戒されてきた外部環境の好転だ。世界経済の成長鈍化が需要後退につな がるとの見方から前週末のニューヨーク原油先物相場は急落し、5月5日以来の 3カ月ぶりの安値水準となった。ニューヨーク金先物相場が1.5%安となるなど 商品相場は軒並み下落している。

商品相場の下落は企業収益を押し上げるとの見方から、前週末の米株式市場 では小売や製造業、運輸株を中心に幅広い業種が上昇。ダウ工業株30種平均が 300ドル以上の上昇となるなど、前週末の主要株価指数は軒並み上げた。日本株 にも買い安心感が広がり、東証1部の売買代金ランキング上位には、トヨタ自動 車やみずほフィナンシャルグループ、コマツなど景気敏感株が並んだ。住友ゴム 工業が一時ストップ高となるなど、コスト圧迫懸念が後退したゴム製品の上昇も 目立った。

原油安を背景に外国為替相場ではドルの買い戻しが進行。週明けの東京市場 早朝には、ドル・円相場は一時1ドル=110円40銭までドルが買われ、1月2 日以来、約7カ月ぶりのドル高・円安水準を付けた。約1カ月前は1ドル=104 円台を割れる場面もあっただけに、輸出採算性の観点から輸出株には買いが入り やすかった。東証業種別33指数の値上がり率1位は、輸送用機器指数となった。

みずほ証券の北岡智哉ストラテジストは、「日本株は反転へのきっかけが見 えつつある。原油と為替動向が注目点だ。原油安を背景に収益の出やすい体質と なる企業に、中期的投資家からの評価が入ってくる可能性がある」との見方を示 した。

日清オイリやアドバネクが急伸、JUKIが大幅安

個別では、携帯電話向けの部品を扱う子会社の業績が順調なことなどから、 第1四半期(08年4-6月)決算が黒字化したアドバネクス、機械・プロセス 機器部門が堅調に推移し、第1四半期(08年4-6月)決算が黒字転換した日 立造船が大幅高となった。

このほか、製油関連事業において昨年からの値上げが順調に浸透し、第1四 半期(08年4-6月)連結営業利益の中間期に対する進ちょく率が9割を超え た日清オイリオグループも急伸。原油価格の前提引き上げで今期(09年3月 期)業績を上方修正したAOCホールディングスも急反発した。

半面、中国で工業用ミシンの販売が減少するほか棚卸資産の評価損も響くた め、今期(09年3月期)業績予想を下方修正したJUKIが大幅安。米国市場 に不透明感があるとして、今期(09年3月期)業績を一転して減益予想に修正 したホソカワミクロン、たばこ自動販売機用の成人識別ICカード(タスポ)対 応たばこ自販機の需要一巡などで第1四半期(4-6月)が大幅減益となったグ ローリーも売られた。