東京外為:ユーロが大幅続落、デカップリング崩壊でドル買い戻し加速

週末の東京外国為替市場では、ユーロが大 幅続落。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.5200ドルを割り込み、約5カ月ぶり のユーロ安値を付けた。前日にトリシェ欧州中央銀行(ECB)が域内景気の 減速見通しを示したことを受け、ユーロを売ってドルを買い戻す動きが加速し た。

みずほコーポレート銀行国際為替部の竪智司参事役は、米国に追随して各 国の需要低下、景気の低迷ぶりが鮮明になっており、「グローバル経済におい て、米国の景気が悪くても他の経済圏は大丈夫というデカップリング論が完全 に否定されるような動きになってきている」と指摘。商品相場の下落を背景に 資源国通貨も一方的に売られ始めており、しばらくは相対的にドルが買われる 流れが続くとみている。

ユーロ・ドルは一時、1ユーロ=1.5141ドル(ブルームバーグ・データ参 照、以下同じ)と、2月28日以来の水準までユーロ安が進行。ユーロ・円は一 時、1ユーロ=166円46銭と7月17日以来、約3週間ぶりユーロ安値を付けた。

ポンドは昨年3月以来の水準までポンド安が進行。オーストラリア・ドル も続落し、対ドルでは2月以来の安値を付けた。

一方、ドル・円相場は1ドル=109円台前半から半ばでのもみ合いが続いた が、午後に対ユーロでドルが一段高となると、109円95銭までドルが上昇。1 月10日以来のドル高値を更新した。

米国以外の金利見通しが悪化

トリシェECB総裁は7日、政策金利据え置き決定後の会見で、インフレ 率は「物価安定と呼べる水準を大きく上回る状態が長期化する公算が高い」と 指摘し、引き続きインフレ抑制を最重要視する考えを示した。同時に、成長に 対するリスクが「現実となりつつある」とも述べ、今年4-6月(第2四半期) と7-9月(第3四半期)の成長が「特に弱い」との見通しを示した。

トリシェ総裁が欧州圏の景気減速についても強調し始めたことで、市場で はユーロの金利先高観が後退。三菱UFJ信託銀行資金為替部の清水昭男グル ープマネージャーは、「少なくとも来月の利上げはなくて、年内の利上げ観測 も後退する結果になった」と指摘する。

イングランド銀行も7日の金融政策委員会(MPC)で、インフレが加速 する一方で英経済がリセッション(景気後退)の瀬戸際にあることを考慮し、 政策金利を4カ月連続で据え置くことを決定。一方、オーストラリア準備銀行 (RBA)が5日、利下げの可能性を示唆した。

ドル・円は110円にらみ

今週は、米国以外の主要国で景気減速感が強まったことから、相対的にド ルが買い戻される展開となり、ドル・円も約7カ月ぶりの水準までドル高・円 安が進行。来週から夏休み休暇入りする輸出企業からのドル売り注文が並ぶ中、 目先は心理的な節目であり、昨年6月から今年3月のドルの下落幅のほぼ半値 戻しに当たる110円を突破できるかどうかがポイントとなる。

みずほコーポレート銀の竪氏は、「米国も先週分の失業保険申請件数が40 万件を大きく突破するなど景気の低迷ぶりがかなり鮮明になってきており、将 来的には米国が再利下げに追い込まれる局面もあるのではないかと考えると、 ドルもそう一方的に伸びない」としながらも、「テクニカル的に110円50銭を 抜けてくるとドル・円もレンジ替わりということでもう一段上を狙う展開もあ り得る」とみている。

--共同取材 柿崎元子 Editor: Tetsuzo Ushiroyama, Hidenori Yamanaka

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