短期市場:先物金利が3カ月半ぶり0.8%割れ、景気懸念で欧米金利低下

短期金融市場のユーロ円3カ月先物金利は約 3カ月半ぶりに0.8%を下回った。景気懸念から欧米の中短期金利が大幅に低下 したため。ヘッジ売りの買い戻しや短期的な買いが金利低下を加速させていると の指摘が多い。

中心限月2009年3月物は一時5ベーシスポイント低下の0.760%(価格は

99.240)と4月17日以来の水準を付けた。今週の低下幅は10ベーシスに達した。 この日は08年12月物から09年9月物までの4限月が0.8%を下回り、取引対 象であるTIBOR(東京銀行間貸出金利)3カ月物との格差は拡大した。

国内大手銀行の資金担当者は、1-3月に積み増した国債の金利上昇ヘッジ を4月にかけたが、ここにきてヘッジを外しているうえ、先物の買いをはやし立 てる動きもあると指摘した。原油安から相対的にみたドル安懸念が一服し、景気 悪化に対して素直に金利低下で反応しやすくなっているという。

2年物のスワップレートも約3カ月半ぶりに一時1%を下回り、スワップレ ートとの交換対象である変動金利LIBOR6カ月物(0.99438%)に並んだ。 スワップ金利を固定受け(債券の買いに相当)することによる期間収益(キャリ ー)確保が難しい状況だ。新発2年債利回りも0.67-0.71%と、短期金利の上 限である日銀補完貸付金利0.75%を下回っている。

ドル安一服で利上げ観測後退

東海東京証券債券ディーリング部の有麻智之シニアリーダーは、金利先物は チャートポイントを上に抜けているため、予想以上に買い戻しが加速していると 指摘。「欧州で中短期の金利低下が大きかったことも影響した」という。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は7日、「成長下振れリスクが現実 のものとなりつつある」と発言。金融政策の「バイアスはない」としたため、独 2年債利回りが一時17ベーシスポイント低下した。米2年債も15ベーシスの大 幅低下と、景気の悪材料に中短期金利が反応しやすくなっている。

外国為替市場では、景気減速懸念を背景にオセアニア通貨やユーロ、円が下 落し、相対的にドルが上昇している。景気減速でインフレ圧力が和らぐとの見方 も増えるなか、ドル防衛の米利上げ観測や欧州の金利先高観が後退している。

政府が月例経済報告で景気判断を01年5月以来となる「弱含み」に下方修 正し、景気後退懸念が強まっている。午後発表された7月の景気ウォッチャー調 査(街角景気)も景況感の悪化傾向が鮮明だった。欧米の利上げ観測が後退する なか、日本銀行の利上げ観測も大幅に後退している。

TIBOR低下の思惑

東海東京証券の有麻氏は、金先相場の上昇について、TIBOR低下の思惑 も指摘した。「利上げ観測がはく落するなか、政策金利0.5%に対して、3カ月 物が0.85%というのはプレミアム(上乗せ金利)が付きすぎではないかとの見 方もある」として、徐々に修正される可能性があるという。

翌日物が0.50%割れ、日銀は資金吸収

無担保コール翌日物は日銀の誘導目標0.50%を下回った。外資系金融機関 が為替スワップの円転で安く調達した資金の運用に動いており、余剰感が出てい る。日銀は7月15日以来となる即日の資金吸収を実施したが、0.50%前後で安 定推移が続いた。一方、11日以降に受け渡しするレポ(現金担保付債券貸借) は0.51-0.53%程度だった。

国内大手銀の資金担当者は、期間が3カ月物以上の円投ドル転によって期内 は資金が余っており、足元で余資を運用する動きがターム(期日)物にも低下圧 力になっていると指摘した。無担保コール1カ月物は0.60%を下回っている。

日銀は午後零時50分、即日の手形売りオペ2000億円を実施。準備預金(除 くゆうちょ銀)を1000億円減の4兆8000億円程度とした。もっとも、中立水準 の4兆6000億円程度は上回っており、資金需給には余裕が残った。オペの最高 金利は0.52%、平均金利は0.505%で、応札倍率は2.73倍だった。

午後の本店共通担保オペ4000億円(期日9月11日)の最低金利は、6日実 施のオペ(期日9月3日)に比べて1ベーシスポイント低い0.52%、平均金利 は0.2ベーシス低下の0.528%になった。応札倍率は3.41倍だった。

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