【コラム】五輪で最もホットな競技、それは恋愛-S・ソシュニック

国際オリンピック委員会(IOC)は公式競 技に「恋愛行為」を加えることを検討すべきなのかもしれない。

これは冗談だとしても、「キッド・ダイナマイト」の異名を持つレスリング の米国代表、ジェイク・ダイチュラー選手はこの案に大賛成だ。スポーツ誌スポ ーツ・イラストレーテッドの記者が発案したニックネームによって、チームメー トから「キッド・ダイナマイト」と呼ばれるようになったという18歳のジェイ クは、「ぼくはいつも、『ワオ、彼女はいいなあ。会ってみたいな』といった調子 だよ」と語る。

ジェイク選手以外にも多くの選手が、選手村での恋の盛り上がりについて、 顔を赤らめながら率直に語ってくれた。オーストラリアのビーチバレー選手、ジ ョシュア・スラックさんは「誰もが別の言語を話す場所での春休み」のようだと 巧みな解釈を示してくれた。

ジェイク選手のチームメートでアテネに続き五輪に出場するブラッド・バー リングさんは、「エネルギーのあり余った多くの若者がいる」のだから「当然の ことだ」と話す。

こうしたことに五輪の組織委員会も気付いたのだろう。8年前のシドニー五 輪では、到着した各選手に51個のコンドームが渡された。2万個が追加注文さ れたという。

腹筋の威力

水泳会場である北京の国家水泳センターを訪れると、選手たちの見事に発達 した腹筋が目に付いた。同僚の1人が、水が沸騰しないのが不思議なくらい、選 手たちは「ホット」だと言ったのが思い出された。

スラックさんによると、「水泳選手は脂肪を落とさなければならないので、 異性にすごくもてる」そうだ。そのほかにも、水泳選手には「有利」なことがあ る。水泳競技は日程の早い時期に行われるため、競技が終わってしまえばあとは 「うたげの時間」になるのだ。

ただ選手たちによれば、これは単なる「ホルモンのなせる技」ではなく、厳 しいトレーニングを長く続けた反動で、競技が終わると「安心と浮かれた気持ち と寂しさが入り混じった」不思議な精神状態になるのだという。

しかし、残念ながらレスリング選手は女性にもてもてとはいかないようだ。 形の変形した耳が大好きという女性にお目にかかったことはないからだ。

五輪で出会った選手同士が結婚した例もある。また北京五輪の水泳競技に恋 人同士で参加するオーストラリアのステファニー・ライス選手とイーモン・サリ バン選手は、五輪期間中は「禁欲」することを明らかにしている。

ソーシャル・ネットワーキング

4回目の五輪出場となるインドのテニスプレーヤー、リーンダー・パエス選 手は、テロ事件が起こったミュンヘン五輪に両親が参加。母親がバスケット選手、 父親がホッケー選手だった。

犯人グループが人質を取って選手村に立てこもっている間、選手は外出を禁 止された。新聞もテレビもラジオもなかったという。「こうしてぼくが生まれた んだと思う」とパエス選手は語った。

ジェイク選手の望みがかなうかどうかは今後にかかっている。ジェイクはレ スリング競技が終了する8月13日以降、閉会式の24日までフリーだと選手村の 女子選手に知ってもらいたいと言う。「コンタクトを取るのには十分な時間があ る。もちろんぼくの『フェースブック』を使うんだ」。フェースブックは人と人 とのつながりを促進するサイト「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サー ビス)」だ。まさに、ソーシャル・ネットワーキングである。 (スコット・ソシュニック)

(ソシュニック氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。この コラムの内容は同氏自身の見解です)

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