短期市場:先物金利0.8%割れ、欧米金利が低下-2年スワップ1%割れ

短期金融市場のユーロ円3カ月先物金利は約 3カ月半ぶりに0.8%を下回った。景気懸念から欧米の中短期金利が低下したう え、株価も続落し、先物の買いが優勢となっている。2年物のスワップレートは 1%を下回り、6カ月物のLIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)と並んでいる。

ユーロ円3カ月先物の中心限月2009年3月物は一時5ベーシスポイント低 下の0.760%(価格は99.240)と4月17日以来の水準を付けた。08年12月物 から09年9月物までの4限月は0.8%を一時下回っている。取引対象であるT IBOR(東京銀行間貸出金利)3カ月物は0.84%台と7月中旬以降0.1ベー シスポイント刻みで緩やかに低下している。

2年物のスワップレートは一時1%を下回り、取引が成立すると固定するス ワップレートとの交換対象である変動金利LIBOR6カ月物の0.99438%にほ ほ並んだ。スワップ金利を固定受け(債券の買いに相当)することによる期間収 益(キャリー)確保が難しい水準に達している。新発2年債利回りも0.67-

0.71%と、短期金利の上限である日銀補完貸付金利0.75%を下回っている。

東海東京証券債券ディーリング部の有麻智之シニアリーダーは、金利先物は チャートポイントを上に抜けているため、予想以上に買い戻しが加速していると 指摘。「きのうは欧州の金利低下も大きかった。午後の景気ウォッチャー調査で 株が一段安となれば、再び高値を試す可能性もある」という。

欧米金利低下、午後の株価に注目

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は7日の会見で、「何カ月も前から 成長下振れリスクを認識していた。それらのリスクが幾分、現実のものとなりつ つある」と述べ、金融政策の「バイアスはない」とした。これを受けて独2年債 利回りは一時17ベーシスポイント低下した。

米国市場でも2年債利回りが15ベーシスの大幅低下。保険最大手の赤字決 算や小売り売上高の減速見通し、6年ぶりの高水準を記録した失業保険申請件数 などから、景気の先行きに懸念が強まった。前日は日本でも政府が景気後退局面 に入った可能性があるとの認識を示している。

午前の日経平均株価の終値は74円安の1万3050円と、辛うじて1万3000 円を維持した。午後2時に内閣府が7月の景気ウォッチャー調査(街角景気)を 発表する予定で、市場の反応が注目される。政府は7日に公表した月例経済報告 で、景気判断を01年5月以来となる「弱含み」に下方修正している。

利下げ催促相場、TIBORの思惑も

市場では利上げ観測が後退する一方、インフレ圧力を背景に利下げを予想す る声も少なく、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)が政策金利

0.5%を下回る動きは限定的。「金先は持ち高解消の買い戻しで行き過ぎやす い」(セントラル短資総合企画部・金武審祐部長)と指摘されている。

もっとも、金利水準から見ると、「利下げを催促しているような相場にもな っている」(東海東京証券・有麻氏)という。また、金利低下が鈍いTIBOR に対する思惑が先物に影響しているとの指摘も聞かれた。

政策金利0.5%に対して、3カ月物のTIBORは35ベーシスポイント程 度のプレミアム(上乗せ金利)が付いている。利上げ観測が後退するなか、国内 銀行の提示金利にしてはプレミアムが高すぎるとの見方から、徐々に修正される との思惑がくすぶっている。

翌日物0.49-0.50%

無担保コール翌日物は0.49-0.50%付近で推移している。外資系金融機関 が為替スワップの円転で安く調達した資金の運用に動いており、資金余剰感が出 ている。一方、この日の準備預金残高は5兆円に小幅増加しており、日銀は午後 に資金吸収オペを実施するとの見方も一部にあるようだ。

7日の加重平均0.499%に対して、朝方に0.505%で取引された後は0.50% を中心に推移し、日銀が調節を見送ると0.49%まで低下した。レポ(現金担保 付債券貸借)は11日や12日の受け渡し分が0.52%で取引されている。

朝の定例調節が見送られ、準備預金(除くゆうちょ銀)は1000億円増の5 兆円程度。一方、残り必要積立額(1日平均4兆3600億円)と積み終了先(7 日は1900億円)から推計した中立水準は4兆6000億円程度で、資金需給には余 裕がある。

レポ市場関係者からは、資金の出し手に回る海外勢の動きに、国内勢の運用 も追随せざるを得なくなっているとの指摘が聞かれる。0.4%台のユーロ円に対 して割高なコールでの資金調達の需要は低迷している。

この日は週末を挟んだ3日物の取引となり、準備預金の積み上げも日数計算 上から進ちょくしやすい。ただ、積みの平均ペースと比べた進ちょく率かい離幅 はプラス2.8と、進み具合は緩やかだ。大手銀行の積み需要が金利を下支えして いる面もある。

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