7月マネーストックは小幅鈍化-投信から定期預金にシフト継続(3)

日本銀行は8日、7月の通貨供給量「マネー ストック統計」速報値を発表した。投資信託の伸びが鈍化する一方、定期預金 など準通貨が伸びを高めている。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住 宅ローン問題に端を発した国際金融市場の動揺から世界的に株式相場が低迷。 その影響で投資信託への資金流入が細っており、安全資産である定期預金への 資金流入が続いているとみられる。

代表的指標である「M2」の月中平均残高は前年同月比2.1%増、ゆうちょ 銀行などの預貯金を加えた「M3」は同0.8%増と、いずれも前月から伸びが小 幅縮小した。ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想調査では、M2は同2.4% 増、M3は同1.0%増が見込まれていた。

準通貨が同2.1%増と前月(同1.7%増)から伸びを高めた一方、投資信託 は同5.8%増と前月(同8.4%増)から伸びが鈍化した。BNPパリバ証券の丸 山義正シニアエコノミストは「昨年9月に全面施行された金融商品取引法で販 売時の説明義務が強化されたことや、クレジットバブル崩壊に伴う金融市場の 混乱を受け、投資信託から準通貨への資金シフトが続いている」としている。

日銀は先月発表した5月分の通貨供給量から統計内容を見直すとともに、 名称を「マネーサプライ統計」から「マネーストック統計」に変更した。新「M 2」は現金と国内銀行等に預け入れられた預金(定期性預金や譲渡性預金など 長めの預金を含む)で、7月速報値は前月の確報値(同2.2%増)の伸びを小幅 に下回った。

M1もマイナス幅が拡大

新「M2」はゆうちょ銀行を含まなかった旧「M2+CD」との連続性を 確保するため、ゆうちょ銀行を除外している。これに対し、ゆうちょ銀行を含 むのが、現金通貨や預金通貨といった流動性の高いマネーからなる新「M1」。 7月速報値は同0.8%減と、前月の確報値(同0.3%減)からマイナス幅が拡大 した。

M1の内訳をみると、預金通貨が同1.0%減と前月(同0.4%減)からマイ ナス幅が拡大する一方で、定期性預金など準通貨が同2.1%増と前月(同1.7% 増)から伸びを高めた。新「M1」に準通貨とCD(譲渡性預金)といった長 めの預金を加えたのが新「M3」で、7月速報値は前月の確報値(同0.9%増) から伸びが小幅縮小した。

新「広義流動性」は7月速報値が同0.6%増と、前月の確報値(同0.9%増) から伸びが鈍化した。投資信託が同5.8%増と前月(同8.4%増)から伸びが鈍 化したことが全体を押し下げた。日銀調査統計局の鈴木純一企画役は「投信よ りも定期預金などに資金が集まっていることが考えられる」としている。