東京外為(予想):ドルは高値圏もみ合いか、利上げ期待後退でユーロ軟調

週末の東京外国為替市場では、ドルが高値 圏でもみ合いか。米国以外の主要国で景気の減速感が強まるなか、相対的にド ルが買われやすい展開が続いている。また、前日の海外市場では欧州中央銀行 (ECB)のトリシェ総裁の会見を受け、ユーロ圏の追加利上げ期待が後退し たため、対ユーロを中心にドル買いが進んでおり、東京時間もドルが底堅い動 きとなりそうだ。

一方、欧米の金融政策決定会合を通過したことで、材料出尽くし感も強く、 週末を前に目先は持ち高調整の動きが強まる展開も予想される。また、前日の 米国株が下落していることも、積極的なドル買いを抑制する要因となり、ドル・ 円については、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)での円買いがドルの上 値を抑える可能性もありそうだ。

早朝の取引ではドル・円相場が1ドル=109円台前半と、引き続き約7カ月 ぶりのドル高値圏で推移。7日の海外市場では、対ユーロでの円買いが強まっ た影響で、一時109円13銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)までド ルが軟化する場面も見られたが、その後は再び109円台前半から後半でもみ合 う展開となった。

また、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.53ドル台前半と6月中旬以来のユ ーロ安・ドル高水準で推移。ユーロ・円相場は、ユーロ売り・円買いの流れが 続き、早朝の取引で一時、1ユーロ=167円52銭と2営業日ぶりのユーロ安値 を付けている。

ECB総裁、景気減速リスクを指摘

欧州中央銀行(ECB)は7日、フランクフルトで定例政策委員会を開き、 短期金利の調節手段である短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レ ポ)の最低応札金利を4.25%に据え置くことを決めた。景気減速の兆候のなか でもインフレ抑制を優先し、7年ぶりの高金利を維持した。

トリシェ総裁は委員会後の記者会見で、インフレ率は「物価安定と呼べる 水準を大きく上回る状態が長期化する公算が高い」とし、「物価安定に対する 中期的なリスクは依然、上方向だ」との認識を示した。同時に、成長に対する リスクが「現実となりつつある」と述べ、今年4-6月(第2四半期)と7- 9月(第3四半期)の成長が「特に弱い」との見通しを示した。

景気減速見通しを受け、市場ではECBの追加利上げ期待が後退。外国為 替市場ではユーロ売りが活発化し、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.5500ドル前後 から一時、1.5310ドルと6月13日以来の水準までユーロ安・ドル高が進んだ。 米国で発表された中古住宅販売制約指数が予想を大きく上回ったこともドル買 いを後押しした。

ユーロ・円も1ユーロ=169円台から167円台へユーロが下落。ECB会合 前には169円47銭と7月29日以来のユーロ高値を付ける場面も見られていた。

米悪材料に反応せず

全米不動産業者協会(NAR)が7日に発表した6月の中古住宅販売成約 指数は前月比5.3%上昇した。価格低下を好感して買い手が市場に戻りつつある ことが示唆された。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は1.0% の低下だった。

一方、米労働省が発表した2日に終わった1週間の新規失業保険申請件数 (季節調整済み)は、前週比7000件増の45万5000件と、2002年3月以来の高 水準となった。また、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG) の赤字決算を嫌気して7日の米株式相場は反落。ただ、米国に関する悪材料は ある程度織り込み済みということで、ドル相場への影響は限られた。

ドル堅調地合いが続くなか、ドル・円は引き続き109円台でドルがしっか りとした展開が見込まれるが、夏休みを前に国内輸出企業のドル売り意欲が強 く、109円台後半にかけてはドルの上値が重くなりそうだ。また、米国株安を受 け、日本株やアジア株が大きく下落すれば、リスク回避志向の高まりからクロ ス円での円買い戻し圧力が強まる可能性もあり、ドル・円の110円台乗せは難 しそうだ。