日本株は続落へ、米消費懸念で輸出や金融中心安い-海運は下げ拡大も

週末の東京株式相場は続落する見通し。米 国の個人消費に対する懸念からソニーやホンダなど輸出関連株が安くなるほか、 国内景気低迷も不安視される銀行や不動産なども売りが膨らみそう。運賃市況 が急落した海運株、三井造船などの業績悪化銘柄は下げが大きくなる可能性も ある。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフストラテジストは、「米小売売 上など景気や業績に対する不透明感が強い。国内企業の4-6月期減益は想定 通りだが、政府が事実上のリセッション(景気後退)入りを認めるなど今後の 展望が開けてこない」と話した。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物9月物の7日清算値は1万3070 円、大阪証券取引所の通常取引終値(1万3130円)に比べて60円安だった。

米失業保険、ウォルマート、月例経済報告

米労働省が7日に発表した1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み、 2日終了週)は、前週比7000件増の45万5000件と、6年ぶり高水準となっ た。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値では 42万5000件への減少が見込まれていた。

また、米小売大手各社が発表した7月既存店売上高の増加率は前年同月比

2.6%増と過去4カ月間で最低にとどまった。燃料や食品コストの上昇で、シ ョッピングモールへの客足が鈍ったことが響いた。小売業最大手の米ウォルマ ート・ストアーズはまた、8月の既存店売上高が7月(3%増)ほどの増加に はならないとの見方を示している。

米国の景気情勢が厳しさを増していることから、ソニーやキヤノン、ホン ダ、日産自動車など、輸出関連株は売り圧力が強まることが予想される。また、 国内でも政府が7日公表した8月の月例経済報告で、日本経済の基調判断を 「景気はこのところ弱含んでいる」に下方修正した。国内景気の基調判断変更 は既に株価に織り込んでいる部分はあるものの、海外景気に明るさが見えない だけに、実体経済の悪さが再認識されて銀行や不動産なども売りが出やすくな りそうだ。

海運、バルチック指数は4%超安

このほか、商船三井などの海運株は下げが拡大する可能性もある。ばら積 み船の運賃指標となるバルチック・ドライ指数は7日に前日比4.4%安と急落。 これで20日続落となっており、運賃市況下落への不安が継続しそう。UBS 証券では、海運のセクター判断を「中立」に引き下げるとともに、商船三井、 日本郵船、川崎汽船の投資判断も「中立」へ格下げした。

米国株の下げは一部織り込みも

一方、きのうの米国株市場は下落した。保険最大手のアメリカン・インタ ーナショナル・グループ(AIG)の決算が予想外に赤字になったことが金融 株全体の売りにつながったほか、小売株も安くなった。ただ、AIGの決算に ついては、きのうの東京株式市場ですでに織り込んでいる一面もある。

4-6月期業績の悪化が想定内だったトヨタ自動車は押し目買いが優勢に なる公算が大きいほか、取引開始直後に株価指数オプションの特別清算値(S Q)算出を通過すれば、需給面での波乱要因も後退すると見られ、株価指数は 売り一巡後にやや下げ渋る場面もありそうだ。

米主要株価3指数の7日終値は、S&P500種株価指数が前日比23.12ポ イント(1.8%)安の1266.07、ダウ工業株30種平均は224.64ドル(1.9%) 安の11431.43ドル、ナスダック総合株価指数は22.64ポイント(1%)安の

2355.73。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は1対4。

三井造やアルプス電など下落へ

個別に材料が出ている銘柄では、業績予想を引き下げたことで日興シティ グループ証券などアナリストの格下げが相次いだ三井造船に売りが増えそう。 4-6月期の連結営業利益が前年同期比87%減のアルプス電気、業績予想を減 額した昭和電工やDIC(旧大日本インキ化学工業)なども売られる見込み。

4-6月期の連結営業利益が前年同期比24%減で市場予想を下回った三洋 電機、4-6月期の連結営業利益が前年同期比19%減のヒロセ電機、9カ月累 計の連結純損益が赤字となったドワンゴなども軟調が予想される。

半面、ゲーム関連事業が想定以上に好調に推移しているとして業績予想を 引き上げたホシデン、4-6月期の連結営業利益が前年同期比11%増となった ヤマダ電機は業績評価が先行する見込み。4-6月期(第1四半期)の連結営 業利益が前年同期比5.7%増だった島津製作所も堅調となりそう。