NY外為:ユーロは8週ぶり安値、ECBが景気減速リスクを指摘

ニューヨーク外国為替市場のユーロ は対ドルでほぼ8週間ぶりの安値を付けた。欧州中央銀行(ECB)の トリシェ総裁がユーロ圏の経済成長が減速するとの見通しを示し、EC Bの利上げ観測が後退したことが背景。

ユーロは対円、対カナダ・ドルでも下落。ECBはこの日の政策委 員会で政策金利を据え置いた。ポンドも円とドルに対して下げた。英国 のインフレが加速する一方で、リセッション(景気後退)懸念が広がる なか、イングランド銀行は金利を据え置いた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)のグローバル為替戦略責任者、 ロバート・シンチ氏(ニューヨーク在勤)は「利上げの選択肢は明らか になくなった」と指摘。「ユーロにとっては一歩後退だ」と語った。

ニューヨーク時間午後4時現在、ユーロは対ドルで前日比0.6%下 落し1ユーロ=1.5323ドル(前日は同1.5408ドル)。一時は1.5310ド ルと、6月13日以来の安値を付けた。ユーロは対円で0.9%下げ、1ユ ーロ=167円63銭(前日は169円16銭)。ユーロはカナダ・ドルに対 しては0.2%安の1ユーロ=1.6135カナダ・ドル。米ドルは対円で

0.3%下落し1ドル=109円42銭。前日は同109円79銭だった。

ユーロは7月15日に対ドルで1.6038ドルの最高値を記録。同日、 BOAのシンチ氏は顧客に対し、ユーロは「ピークを付けた」と指摘し ていた。ユーロはその日以来4%下げている。シンチ氏によれば、ユー ロは年末までには1.50ドルに下落する見通し。

米ゴールドマン・サックス・グループのテクニカルアナリスト、ケ ビン・エッジレイ氏(ロンドン在勤)は、ユーロがこの日、対ドルで1 ユーロ=1.53ドルを割り込めば、「ドル強気局面の長期化が示唆され る」と指摘、1.46ドルに向けたユーロ一段安の可能性が出てくると述べ た。

ユーロが対ドルで1.53ドル水準を割り込んだのは5月8日が最後だ った。

ポンドの軟調

イングランド銀行はこの日の金融政策委員会(MPC)で、政策金 利のレポ金利を5%に据え置くことを決めた。これを受けてポンドは

0.2%下落し1ポンド=1.9431ドル。金利据え置き決定はブルームバー グ・ニュースの調査に応じたエコノミスト60人全員の予想と一致した。 ポンドは対ユーロで1ユーロ=78.92ペンス。前日は79.11ペンスだっ た。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は74.604と、2月27日以来の水準に上昇した。

トリシェECB総裁は金融政策決定後の記者会見で金融政策につい て、「バイアスはない。ECBは決して、あらかじめ政策を決めること はない」と述べ、7月3日の見解を繰り返した。さらに、成長へのリス クについては、「ECBはリスクを認識し、そのリスクが現実となりつ つあることを確認した」と述べた。

トレーダーの間ではECBが年内に2回目の利上げを実施するとの 見方が弱まった。3カ月物EURIBOR(欧州銀行間貸出金利)先物 12月限は4.95%と、前日の5.03%から低下した。

ユーロ安

原油相場が下落し、ユーロ圏に一段の景気減速の兆候が出ているこ とを受けて、ユーロは対ドルで最高値から4%下げている。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が今月5日に発表した 6月のユーロ圏小売売上高指数は1995年の統計開始後で最大の下げとな った。