東京外為:円がもみ合い、景気後退懸念で7カ月ぶり安値圏-110円意識

朝方の東京外国為替市場では、ドル・円が 1ドル=109円台半ばと約7カ月ぶりのドル高・円安水準で推移している。原油 安や米株高を背景にドルの堅調地合いが続くなか、海外市場では日本の景気後 退入り懸念から円安が進行。ただ、1ドル=110円の節目を前に、朝方は値ごろ 感からドル売り・円買いがやや優勢となっている。

ドイツ証券の深谷幸司シニア為替ストラテジストは、日本は景気後退から 貿易黒字も大幅に縮小しており、ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件) の面で円高になる理由はまったくない、と指摘する。その上で、「109円台後半 は日米10年債利回り格差から見ると適正レベルで、ここからどんどんドルが上 がるというわけではない」といい、東京時間は109円台前半から後半でドルが もみ合う展開を見込んでいる。

ドル・円は前日の海外市場で一時、109円88銭(ブルームバーグ・データ 参照、以下同じ)と1月10日以来の水準までドル高・円安が進行。輸出企業の ドル売り注文が指摘されるなか、ドルは108円台半ば手前で上値を抑えられる 展開が続いていたが、同水準を上抜けたことで、ドル買い・円売りが加速した。

ユーロ・円も海外時間に一時、1ユーロ=169円32銭と約1週間ぶりの水 準まで円が下落。その後は168円台後半から169円ちょうど前後でもみ合う展 開となっている。

日本の景気後退入り懸念が台頭

内閣府が6日発表した6月の景気動向指数の一致指数CI(コンポジッ ト・インデックス、速報値)は前月比1.6ポイント低下の101.7%。内閣府は一 致指数に基づく景気の基調判断について、景気後退の可能性が高いことを暫定 的に示す「悪化」に下方修正。日本経済は2002年2月から続いてきた戦後最長 の景気拡張局面が終わり、景気後退局面に入った公算が高まった。

一方、朝方発表された6月の機械受注統計では、国内民間設備投資の先行 指標である船舶・電を除く民需(コア機械受注)が前月比2.6%減と、3カ月ぶ りに減少した。事前予想は上回ったが、先行きは受注減少を見込んでいる。

こうしたなか、7日に公表される8月の月例経済報告では、景気の基調判 断を7月の「景気回復は足踏み状態にあるが、このところ一部に弱い動きがみ られる」から下方修正される可能性が濃厚となっており、日本の景気後退リス クが改めて意識されそうだ。

ECB控えユーロ売り一服

一方、海外時間に欧州中央銀行(ECB)の定例理事会を控え、ユーロ・ ドルが1ユーロ=1.54ドル前半と6月中旬以来のユーロ安・ドル高水準で推移。 海外時間には1.5400ドルを割り込む場面も見られたが、イベントを前に足元で はユーロの売り持ち高を手じまう動きも見られている。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では、60人の回答 者全員がECBはこの日の定例理事会で政策金利を4.25%に据え置くと予想し ている。

ECBは先月の定例理事会で16年ぶり高水準のインフレに対応するため、 約1年ぶりに利上げを実施。その後の会見でトリシェ総裁は、今後の金融政策 について「バイアスはない」と表明していた。ただ、前回の理事会以降、域内 景気の悪化を示す経済指標が目立っており、きょうの会見でトリシェ総裁が景 気についてどのような認識を示すかが注目されている。

--共同取材 進藤優 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Hidenori Yamanaka

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