NTTが急反落、4-6月期の固定不振で「ドコモ上げ」分消す(3)

国内通信最大手のNTTの株価が急反落、 一時前日比4万1000円(7.3%)安の52万4000円まで売られた。6日発表し た第1四半期(2008年4-6月)連結決算は、稼ぎ頭である携帯電話子会社N TTドコモが貢献し増益だったものの、固定部門の収益低迷も裏付けられ、失 望売りが優勢となった。午前終値は6.9%安の52万5000円。

取引時間中の下落率7.3%は、昨年5月14日に記録した8.8%以来の大き さ。当時の下げは、同月11日発表の07年3月期決算が、固定通信の次世代収 益源としている光ファイバーの販売負担増から前の期比7%の営業減益となっ たことが引き金だった。

NTTの連結業績は、ドコモの利益動向で収益の方向性が定まる傾向が強 い。NTT株は、ドコモが第1四半期増益を発表した7月30日から4営業日 続伸、8月4日に52週高値の58万1000円を付けていた。7日になってこの 上昇分がはく落、ドコモ決算発表前の水準に逆戻りした。

営業利益でドコモが前年同期比45%増益だったものの、固定の不振が足を 引っ張り、NTTの連結業績では24%増にとどまった。失望感による高値から の調整に加え、相場全般が下落傾向となる中でKDDIも4.9%安まで下げる など情報・通信株全般も不振なことから、一気に売り込まれた格好だ。

通期予想は変えず

また、ドコモもNTTも通期(2009年3月期)予想は変えていない。ドコ モの第1四半期増益はあくまで、端末の割賦販売導入による補助負担減という 一時的効果が背景で、通期の増益幅は前期実績より鈍化の見込み。NTTは、 前期に厚生年金基金の代行返上益を計上した反動などから減益を見込む。

三浦惺NTT社長は6日の会見で、稼ぎ頭であるドコモが競争激化にさら されているのは「グループ最大の課題」だと強調。資源価格高騰による電力使 用コストの上昇懸念もあり、NTTの今期業績は「年度としては必ずしも楽観 できる状況ではない」と述べていた。

会社側の通期営業益予想は前期比11%減の1兆1600億円。関連してゴー ルドマン・サックス証券の安藤義夫アナリストらは7日付の英文リポートで、 同証としての営業利益予想を1兆2400億円から1兆2200億円に引き下げてい た。ただ、株価は依然安値圏だとして、投資判断は「買い」を継続している。

「光」の鈍化

三菱UFJ証券の森行眞司アナリストは7日付のリポートで、決算結果に ついて「固定系3社の業績伸び悩みを鑑みれば、若干ネガティブな印象」と評 した。光ファイバー契約の獲得鈍化にも懸念を示している。クレディ・スイス 証券の早川仁アナリストも、6日の決算発表直後に「固定部門が弱いのが気掛 かりだ」と話していた。

第1四半期3カ月間の契約純増数は76万件と、前年同期の71万件よりも 加速。これは「3月契約が4月にずれ込んだことが主因」(森行氏)で、5月、 6月の純増実績は前年同月を下回った。

6月末の契約数は954万件だが、三浦NTT社長は記者会見で、11年3月 末の契約目標2000万件の達成は「非常に厳しい状況だ」と認めた。森行氏は 関連して、「下半期にはエリア拡充効果が期待され出遅れを取り戻すだろうが、 拡販コストの増加リスクもあるだろう」と指摘している。