今日の国内市況:株式は大幅反発、債券上昇―ドル堅調、原油安が要因

東京株式相場は4営業日ぶりに大幅反発。 原油安や米金融当局の物価見通しをきっかけに米国を中心とした世界的なイン フレ警戒が和らぎ、ソニーやトヨタ自動車、コマツなど電機、輸送用機器、機 械といった輸出関連株中心に買われた。コスト高懸念の緩和から、化学や建設 なども上げ、ゴム製品は東証1部の業種別上昇率で1位。

日経平均株価の終値は前日比340円23銭(2.6%)高の1万3254円89銭、 TOPIXは29.56ポイント(2.4%)高の1277.27。東証1部の売買高は概算 で22億7438万株、売買代金は同2兆4478億円。売買代金は3日連続で増加 した。値上がり銘柄数は1472、値下がり銘柄数は201。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が30、値下がり業種が3。 電気機器、輸送用機器、機械、化学、鉄鋼、証券・商品先物取引、不動産が高 い。半面、電気・ガス、陸運、医薬品と景気動向に左右されにくいディフェン シブ関連業種が下げた。

インフレに対する警戒が後退し、終始買いが先行する展開となった。5日 のニューヨーク原油先物相場は大幅続落し、一時はバレル当たり118ドルちょ うどまで落ち込んだ。終値ベースで、7月3日高値からの下落率は18%に達す る。また、同日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、フェデラルフ ァンド(FF)金利の誘導目標を予想通り2%に据え置くことを決定。声明で は1次産品価格上昇に関し、前回までの「上昇が続いており」から「先に見ら れた」へと修正。過去の事象と表現することで、価格上昇が頭打ちになってき たとの認識を示した。

業種別では電気機器、輸送用機器、機械という輸出関連株がけん引役とな った。原油安によって、米個人消費に対する不安が弱まり、きのうの米国株市 場では、百貨店チェーンのシアーズ・ホールディングが急伸し、S&P500種 の小売株指数は5.4%上昇、24業種の中で上昇率3位となっていたことも好影 響を与えた。トヨタアセットの浜崎氏は、「輸出関連にとって原油安はコスト 高の緩和、エネルギーなどに向かっていた購買力が再び消費のコア品目に戻る 期待というダブルでメリットを受ける」と見ている。

個別では、4-6月期の連結営業利益が前年同期比68%増と伸びた日本写 真印刷が急伸。4-6月期連結営業利益が同20%増のマースエンジニアリング は値幅制限いっぱいのストップ高となり、中間期に対する4-6月期連結営業 利益の進ちょく率の高さが評価されたクレハも大幅高。UBS証券が格上げし た日本電波工業はストップ高で、外国株を除く東証1部の値上がり率で1位。

半面、4-6月期連結純利益が前年同期比66%減と落ち込んだ三菱UFJ フィナンシャル・グループは、通期計画の未達懸念から売買代金首位で反落。 業績予想を引き下げたチャイナ・ボーチー・エンバイロメンタル・ソリューシ ョンズ・テクノロジーがストップ安となった。同じく利益予想を引き下げたア シックスやパラマウントベッド、ウッドワン、双葉電子工業などもそろって急 落した。4-6月期連結純利益が63%減になったと昼に発表したバンダイナム コホールディングスは反落した。

債券は上昇、先物137円台回復

債券相場は上昇(利回りは低下)。朝方は売り先行で始まったものの、米 連邦公開市場委員会(FOMC)声明文を受けて米国の年内利上げ観測が薄れ たことに加え、国内の景気後退認識が強まり、買い優勢となった。先物中心限 月は終値で137円台を回復し、一時は約3カ月半ぶりの高値をつけた。

東京先物市場の中心限月9月物は急反発。前日比22銭安の136円53銭で 寄り付き、直後に日中安値136円48銭をつけた。その後は徐々に買いが膨ら み、水準を切り上げて、午後2時17分ごろに65銭高い137円40銭まで上昇。 4月24日以来の高値をつけた。結局は44銭高の137円19銭で終了。9月物 の日中売買高は4兆4427億円。

内閣府が発表した6月の景気動向指数の一致指数CIは前月比1.6ポイン ト低下の101.7%、先行指数CIは同1.7ポイント低下の91.2%となった。ブ ルームバーグ・ニュース調査によると予想中央値は、一致指数が101.7%、先 行指数は91.1%だった。内閣府は一致指数に基づく景気の基調判断について、 景気後退の可能性が高いことを暫定的に示す「悪化」へ下方修正した。

現物債市場で新発新発10年物の295回債利回りは、前日終値1.545%を2 ベーシスポイント(bp)上回る1.565%で取引を開始した。その後は徐々に水準 を切り下げ、午後2時過ぎには1.51%まで低下し、節目の1.50%に接近した。 3時前からは2.5bp低い1.52%で推移した。

中期債相場も堅調。新発5年債利回りは一時4.5bp低い1.04%まで低下し た後、3bp低い1.055%で推移。また、新発2年債利回りは2bp低い0.735% と、短期金利の上限とされるロンバート型貸出金利の0.75%を下回っている。

財務省はあす7日、10年物価連動債(8月債)の価格競争入札を実施する。 今回は6月5日入札の16回債のリオープン(追加発行)となるため、表面利 率(クーポン)は1.4%。発行予定額は前回債と同じ5000億円程度。

ドル堅調、原油安が支援材料

東京外国為替市場では、ドルが堅調。原油安や株高を背景にドルが買われ た海外市場の流れが続き、ドル・円相場は一時、6月中旬以来のドル高値を付 けた。ただ、国内輸出企業などのドル売り意欲が壁となり、もう一段のドル上 昇には歯止めが掛かった。

一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し、あすの欧州中央銀行 (ECB)の定例理事会に焦点が移るなか、ユーロ売りは一服。ユーロは対ド ル、対円で前日の下落幅の一部を取り戻した。

海外市場からのドル堅調地合いが続くなか、ドル・円は108円台前半で早 朝の取引を開始すると午前10時過ぎには108円台半ば付近までドルが強含ん だ。しかし、108円50-60銭には邦銀を中心にかなり大口のドル売りが並んで いるほか、108円50銭手前ではオプション取引に絡んだドル売りも出ていたと いい、午後にかけてはドルが伸び悩んだ。

もっとも、108円20銭付近は堅く、欧州市場に向けては一時、108円54 銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)までドルが上昇。6月16日に 付けたドル高値にあと4銭と迫った。

ユーロ・ドルは前日の海外市場で1ユーロ=1.5447ドルと6月16日以来 の水準までユーロ安・ドル高が進んだが、この日の東京市場ではドルが上げ幅 を縮める展開となり、午後には一時、1.5516ドルまでドルが値を切り下げた。

また、株高を背景に円売り安心感が広がるなか、ユーロ・円は海外時間に 付けた約2週間半ぶり円高値の166円86銭から1円以上円安の168円23銭ま で値を戻す場面が見られた。