東京外為:ドル堅調、原油安が支援材料-6月高値にらみの攻防続く

東京外国為替市場では、ドルが堅調。原油 安や株高を背景にドルが買われた海外市場の流れが続き、ドル・円相場は一時、 6月中旬以来のドル高値を付けた。ただ、国内輸出企業などのドル売り意欲が 壁となり、もう一段のドル上昇には歯止めが掛かった。

一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し、あすの欧州中央銀行 (ECB)の定例理事会に焦点が移るなか、ユーロ売りは一服。ユーロは対ド ル、対円で前日の下落幅の一部を取り戻した。

みずほコーポレート銀行国際為替部の宮地崇調査役は、原油安がドル買い を喚起している一方、ドル・円については「108円台のミドルレベルは直近の高 値ということもあり、そういう意味では同水準をめぐる攻防が今後もしばらく 続く」と予想。また、世界景気がデカップリング(非連動)からリカップリン グ(再連動)の方向に進んでいるなか、高金利通貨や資源国通貨が売られてお り、「クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)の売りがドル・円の上値を抑える 可能性もある」とみている。

海外市場からのドル堅調地合いが続くなか、ドル・円は108円台前半で早 朝の取引を開始すると午前10時過ぎには108円台半ば付近までドルが強含んだ。 しかし、「108円50-60銭には邦銀を中心にかなり大口のドル売りが並んでい る」(エービーエヌ・アムロ・バンク・エヌ・ブイ外国為替本部の高安佳子部 長)ほか、108円50銭手前ではオプション取引に絡んだドル売りも出ていたと いい、午後にかけてはドルが伸び悩んだ。

もっとも、108円20銭付近は堅く、欧州市場に向けては一時、108円54銭 (ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)までドルが上昇。6月16日に付け たドル高値にあと4銭と迫った。

FOMC声明は中立的、株式は好感

米連邦準備制度理事会(FRB)は5日のFOMCで、フェデラルファン ド(FF)金利の誘導目標を2%に据え置くことを決定。声明は6月の前回声 明に盛り込まれていた「景気下振れリスクは幾分か縮小した」を削除し、景気 改善見通しを後退させた上で、「インフレ加速リスクは重大な懸念」と表明。 景気悪化リスクとともに、物価安定により強い決意で臨む姿勢を示した。

メリルリンチ日本証券外国為替部の今泉光雄ディレクターは、FOMC声 明は、「景気の下振れリスクとインフレ加速の両方を並列に考えた、非常にニ ュートラル(中立的)な内容だったが、景気に配慮しているというところは株 にとって良かった」と語る。

実際、原油安を背景に上昇していた米株式相場はFOMC声明発表後には 一段高となり、S&P500種株価指数は4月以来の大幅高で取引を終了。6日の アジア市場でも日本を含めた主要株価指数はほぼ全面高となった。

一方、外国為替市場では年内の利上げ観測の後退からFOMC後に一時ド ルが売られる場面も見られたが、高金利通貨や欧州通貨に対してドルが堅調に 推移するなか、ドル・円が108円を割り込むことはなかった。

ECBに焦点移行

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、ECB はあす7日の定例理事会で政策金利を4.25%に据え置く見通し。一方、5日発 表のユーロ圏小売売上高指数が1995年の統計開始後で最大の下げとなるなど、 最近は域内景気の減速を示す経済指標が目立ち始めており、会合後のトリシェ 総裁の会見で景気や今後の金融政策についてどのような見解を示すかが注目さ れている。

前日にはオーストラリア準備銀行(RBA)が5カ月連続で政策金利の据 え置きを決めた後、声明で「現行よりも引き締め姿勢を緩めた政策に移行する 余地が拡大している」と将来的な利下げの可能性を示唆。これを受け、オース トラリア・ドルは急落し、対ドルでは約4カ月ぶり安値を付けた。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の伊庭剛バイスプレジデント は、かつて米国売りの受け皿だった欧州通貨や資源国通貨の巻き戻しが相対的 なドルの堅調さにつながっているとした上で、あすのトリシェ総裁の会見で「欧 州地域の景気の落ち込みが懸念材料として確認されるようなこととなれば、少 し欧州通貨安に勢いが付く可能性もある」と指摘する。

こうしたなか、ユーロ・ドルは前日の海外市場で1ユーロ=1.5447ドルと 6月16日以来の水準までユーロ安・ドル高が進んだが、この日の東京市場では ドルが上げ幅を縮める展開となり、午後には一時、1.5516ドルまでドルが値を 切り下げた。

また、株高を背景に円売り安心感が広がるなか、ユーロ・円は海外時間に 付けた約2週間半ぶり円高値の166円86銭から1円以上円安の168円23銭ま で値を戻す場面が見られた。

--共同取材:曽宮一恵 Editor: Tetsuzo Ushiroyama, Hidenori Yamanaka

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