短期市場:金利低下、円転効果で足元から資金余剰感-期越え低下圧力

短期金融市場では、政府短期証券(FB)3 カ月物の入札や日本銀行の資金供給オペで金利が低下した。為替スワップ取引の 円転コスト低下を背景に、外資系金融機関から資金流入が続いているもよう。足 元から資金余剰感が広がり、9月期末越えの金利にも低下圧力となっている。

財務省が実施したFB3カ月物533回債(償還11月10日)の入札では、最 高利回りが前回比0.6ベーシスポイント低下の0.5784%(99.8560円)と、4月 16日(0.5761%)以来の低水準になった。案分比率は3.2%の低水準で、入札後 は落札できなかったディーラーの買いなどが入り、0.57%まで低下した。

日銀が午後に実施した本店共通担保オペ8000億円(期日10月30日)の最 低金利は、前回の9月末越えのオペ(期日10月23日)より1ベーシス低下の

0.56%となり、6月末を越えて以降の取引では初めて水準が低下した。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、FB入札では一部投資家のまとまった需 要があったとの見方を示したうえで、「円転の影響で手前から資金が余ってきて いる。投資家が期末越えの運用を本格的に始めた場合、3カ月物のFBもじりじ り低下していく可能性がある」という。

期内に円転からむ資金

この日は9月に償還するFBが0.535%まで低下した。レポ(現金担保付債 券貸借)は0.50-0.51%と、無担保コール翌日物の誘導目標0.50%と比較して 下限域に達している。期内物の国債買い現先オペ(期日8月26日)や本店共通 担保オペ(期日9月3日)の落札金利は0.52-0.53%まで低下した。

レポ取引では、これまで資金の調達側にいた外資系金融機関の運用が指摘さ れたほか、期内物のFBについても「円転がらみの買いが強く、在庫が不足して いる」(東短リサーチ・寺田氏)という。最近のFBは海外投資家からの買いも 目立っている。

国内大手銀行の資金担当者によると、0.4%台の安い資金が流入しており、 ドルなど外貨取引の影響が為替スワップを通じて円にも出てきているという。影 響が恒常化しており、期末を越えるターム(期日)物で調達した資金の手前で余 った部分が市場に出てきている可能性が高いとの見方も示された。

もっとも、期末が近付けば資金手当てのコストは上昇する可能性が高い。F B3カ月物の0.57%台は、期末越えのコスト・プレミアム(上乗せ金利)を考 慮すると、買い進みづらい水準との指摘も多い。

金利先物は3カ月半ぶり高値

ユーロ円金利先物相場は一段高(金利は低下)。約3カ月半ぶりの高値を付 けた。原油安や米国の年内利上げ観測の後退が好感され、株価が大幅上昇する一 方で、中短期債にも買いが強まったことを受けた。

午後の中心限月2009年3月物は一時0.030ポイント高の99.190(0.810%) と、4月21日以来の高値をつけた。08年12月物も99.190で並び、先物の取引 対象であるTIBOR(東京銀行間貸出金利)3カ月物の金利水準0.84846%を 大きく下回っている。

ブルームバーグ端末の価格・出来高グラフを見ると、08年12月物の99.180 や09年3月物の99.175-99.180で買い優勢の展開が示されており、相場上昇に よってヘッジ売りの買い戻しがあぶり出されている可能性がある。

5日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明は、政策スタンスに大きな 変化はなかったが、前回の声明にあった「景気下振れリスクは幾分か縮小した」 が削除され、景気改善見通しを後退させたと受け止められた。

ただ、期近3限月には高値警戒感も出てきており、「買い戻しはあっても、 新規の買いは利下げを見込まない限り入りづらい水準」(三菱東京UFJ銀行戦 略債券トレーディンググループ・木下英明次長)との見方が出ていた。

翌日物0.50%付近

無担保コール翌日物は0.50%付近で安定。税揚げ日の通過と年金払い日を 控えて資金運用が増加している。準備預金(除くゆうちょ銀)を4兆9000億円 程度まで縮小されたが、残り必要積立額(1日平均4兆3900億円)と積み終了 先(5日は2300億円)から推計した中立水準も4兆6000億円程度に下がってお り、資金需給には余裕があった。

為替スワップの円転コストはコール金利に比べて安い状況が続いており、外 銀のコール市場での調達需要は低迷。無担保コール残高も14兆円を下回ってい る。準備預金の積みは、平均ペースと比べた進ちょく率かい離幅がプラス3.2と 緩やかに進んでおり、国内銀行の調達を中心に相場が安定しやすい情況だ。

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