日本株(終了)輸出中心に大幅反発、インフレ警戒和らぐ-ゴムも上昇

東京株式相場は4営業日ぶりに大幅反発。 原油安や米金融当局の物価見通しをきっかけに米国を中心とした世界的なイン フレ警戒が和らぎ、ソニーやトヨタ自動車、コマツなど電機、輸送用機器、機 械といった輸出関連株中心に買われた。コスト高懸念の緩和から、化学や建設 なども上げ、ゴム製品は東証1部の業種別上昇率で1位。

トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテジストは、 「商品市況は景気動向と通常それほど相関度が高くないものの、1991年や 2006年のように、ある一定水準以上になると景気の方向性が変わる傾向があ る」と指摘。今回は、原油高が景気を悪化させるとの市場の見方が強まったの はバレル当たり120ドル水準からだったとし、「マーケットを覆っていた不安 要素が原油安で少し緩んだ」との見方を示した。

日経平均株価の終値は前日比340円23銭(2.6%)高の1万3254円89銭、 TOPIXは29.56ポイント(2.4%)高の1277.27。東証1部の売買高は概算 で22億7438万株、売買代金は同2兆4478億円。売買代金は3日連続で増加 した。値上がり銘柄数は1472、値下がり銘柄数は201。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が30、値下がり業種が3。 電気機器、輸送用機器、機械、化学、鉄鋼、証券・商品先物取引、不動産が高 い。半面、電気・ガス、陸運、医薬品と景気動向に左右されにくいディフェン シブ関連業種が下げた。

一時118ドル、FOMCは金利据え置き

インフレに対する警戒が後退し、終始買いが先行する展開となった。5日 のニューヨーク原油先物相場は大幅続落し、一時はバレル当たり118ドルちょ うどまで落ち込んだ。終値ベースで、7月3日高値からの下落率は18%に達す る。また、同日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、フェデラルフ ァンド(FF)金利の誘導目標を予想通り2%に据え置くことを決定。声明で は1次産品価格上昇に関し、前回までの「上昇が続いており」から「先に見ら れた」へと修正。過去の事象と表現することで、価格上昇が頭打ちになってき たとの認識を示した。

丸和証券の小林治重調査情報部長によると、「原油価格の下げが鮮明にな り、インフレ懸念は影が薄くなった。米金融当局が厳しい認識を示すなど景気 はまだ見極めなければならないが、2つの懸念のうち、1つについては安心感 が出ている」という。インフレ懸念の後退とともに、企業業績悪化に対する過 度の警戒も緩和し、幅広い上げにつながった。日経平均は、今週に入っての下 落で割り込んでいた25日線(1万3138円)を回復した。

5日の米国株市場では、米ダウ工業株30種平均が前日比331ドル (2.9%)高と約4カ月ぶりの大幅高を記録。大和総研の木野内栄治チーフテ クニカルアナリストによると、「過去1年間のニューヨークダウの大幅高は、 戻り歩調の過程で示現するケースが多い」そうだ。昨年9月18日335ドル高 (次の取引時間中のピークは10月11日)、11月28日331ドル高(次のピー ク12月11日)、今年3月11日416ドル高、18日420ドル高、4月1日391 ドル高(次のピーク5月19日)などで、「半月-1カ月間は安心できる」と 木野内氏は指摘している。

輸出関連が主導

業種別では電気機器、輸送用機器、機械という輸出関連株がけん引役とな った。原油安によって、米個人消費に対する不安が弱まり、きのうの米国株市 場では、百貨店チェーンのシアーズ・ホールディングが急伸し、S&P500種 の小売株指数は5.4%上昇、24業種の中で上昇率3位となっていたことも好影 響を与えた。トヨタアセットの浜崎氏は、「輸出関連にとって原油安はコスト 高の緩和、エネルギーなどに向かっていた購買力が再び消費のコア品目に戻る 期待というダブルでメリットを受ける」と見ている。

日写印が急伸、三菱UFJは反落

個別では、4-6月期の連結営業利益が前年同期比68%増と伸びた日本写 真印刷が急伸。4-6月期連結営業利益が同20%増のマースエンジニアリング は値幅制限いっぱいのストップ高となり、中間期に対する4-6月期連結営業 利益の進ちょく率の高さが評価されたクレハも大幅高。UBS証券が格上げし た日本電波工業はストップ高で、外国株を除く東証1部の値上がり率で1位。

このほか、午後に9月中間期の利益予想を減額修正した旭化成は、悪材料 が確定したとして切り返し、4日ぶり反発。きのう業績予想を引き下げながら も、新たなリスクが浮上したわけではないと中長期成長力が評価されたセキュ アード・キャピタル・ジャパンも急騰した。

半面、4-6月期連結純利益が前年同期比66%減と落ち込んだ三菱UFJ フィナンシャル・グループは、通期計画の未達懸念から売買代金首位で反落。 業績予想を引き下げたチャイナ・ボーチー・エンバイロメンタル・ソリューシ ョンズ・テクノロジーがストップ安となった。同じく利益予想を引き下げたア シックスやパラマウントベッド、ウッドワン、双葉電子工業などもそろって急 落した。4-6月期連結純利益が63%減になったと昼に発表したバンダイナム コホールディングスは反落した。

国内新興3市場も反発

国内新興市場もそろって反発した。ジャスダック指数の終値は前日比0.46 ポイント(0.8%)高の57.69と5日ぶり反発。東証マザーズ指数は9.73ポイ ント(2.1%)高の482.25、大証ヘラクレス指数は16.99ポイント(2.3%)高 の768.64とそれぞれ7日ぶりに上昇した。

個別では、9月中間期業績予想を増額修正したミクシィ、4-6月期は会 社計画に対してインラインで進捗したもようと大和総研が指摘したアクロディ アがそれぞれ続伸。ノキアとのライセンス契約を1年更新することを決定した アプリックスは大幅高となった。セブン&アイ・ホールディングスとの提携で 成長ポテンシャルが増大した、と野村証券が最上級の投資判断を強調したアイ ンファーマシーズは3連騰。

半面、業績予想を減額したエス・イー・エスは急落。1日に業績予想を引 き下げた船井財産コンサルタンツは3日連続のストップ安となった。売買代金 上位ではセブン銀行、ゼンテック・テクノロジー・ジャパンなどが軟調。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo

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