東京外為:ドルが対円で約2カ月ぶり高値、株高が支え-実需の売り意識

午前の東京外国為替市場では、ドルが堅調。 原油安や米国株高を背景にドル買いが優勢だった海外市場の流れを引き継ぎ、 ドル・円相場は一時、1ドル=108円48銭(ブルームバーグ・データ参照、以 下同じ)と6月16日以来のドル高値を付けた。ただ、108円台半ばからは引き 続き国内輸出企業などのドル売りが見込まれており、もう一段のドル上昇には 歯止めが掛かっている。

メリルリンチ日本証券外国為替部の今泉光雄ディレクターは、5日の米連 邦準備制度理事会(FOMC)声明は、「景気の下振れリスクとインフレ加速 の両方を並列に考えた、非常にニュートラル(中立的)な内容だったが、景気 に配慮しているというところは株にとって良かった」と語る。その上で、目先 は「株高イコール円安」という動きから、ドル・円も堅調な展開が続くが、108 円台半ばからはドルの上値が重くなり、海外市場にかけてはドルが伸び悩む展 開もあるとみている。

一方、ユーロ・ドルは1ユーロ=1.54ドル後半と、前日の海外市場で付け た6月16日以来のドル高値、1.5447ドルからややドルが値を切り下げている。

また、ユーロ・円は1ユーロ=167円82銭まで円が軟化し、海外時間に付 けた約2週間半ぶり円高値の166円86銭から約1円値を戻している。

米利上げ観測後退で株価上昇、ドル堅調

米連邦準備制度理事会(FRB)は5日、FOMCの定例会合を開き、フ ェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2%に据え置くことを決めた。声 明は6月の前回声明に盛り込まれていた「景気下振れリスクは幾分か縮小した」 を削除し、景気改善見通しを後退させた。その上で、「インフレ加速リスクは 重大な懸念」と表明し、景気悪化リスクとともに、物価安定により強い決意で 臨む姿勢を示した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の伊庭剛バイスプレジデント は、FOMC声明は「両論併記的な感じで、一部早期利上げをはやしたい向き にしてみるとやや物足りない内容だったが、声明自体にそれほどサプライズは なかった」と指摘する。

実際、FOMC声明発表直後には年内利上げ観測の後退からドルが売られ る場面も見られたが、ドル・円が108円ちょうどを割り込むことはなかった。

一方、原油安を背景に上昇していた米株式相場はFOMC後に一段高とな り、S&P500種株価指数は4月以来の大幅高で取引を終了。6日午前の東京株 式相場も大幅上昇となっている。

ECBに焦点移行

FOMCを通過したことで、市場の関心はあす7日に開かれる欧州中央銀 行(ECB)の定例理事会に移る。金融政策については据え置きとなる見込み だが、5日発表のユーロ圏小売売上高指数が1995年の統計開始後で最大の下げ となるなど、景気減速を示す経済指標も目立ち始めているなか、会合後のトリ シェ総裁の会見で今後の金融政策についてどのようなスタンスが示されるかが 注目される。

前日にはオーストラリア準備銀行(RBA)が5カ月連続で政策金利の据 え置きを決めた後、声明で「現行よりも引き締め姿勢を緩めた政策に移行する 余地が拡大している」と将来的な利下げの可能性を示唆。これを受け、オース トラリア・ドルは急落し、対ドルでは約4カ月ぶり、対円では5月中旬以来の 安値付けた。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの伊庭氏は、かつて米国売りの受け皿だ った欧州通貨や資源国通貨の巻き戻しが相対的なドルの堅調さにつながってい ると説明。その上で、あすのECBの定例理事会では特にサプライズはない見 通しだが、「欧州地域の景気の落ち込みが懸念材料として確認されるようなこ ととなれば、少し欧州通貨安に勢いが付く可能性もある」とみている。

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