米社債市場は病気、「まだ熱下がらない」-FRB治療の効果もいまいち

1年前に信用逼迫(ひっぱく)が起こるまで は、投資適格の発行体格付けを持つ企業はわずか数日間で最大規模の起債が可 能だった。だが、昨年7月に起債を開始した米電子部品メーカー、タイコ・エ レクトロニクスが目標額を調達するには1年かかった。

同社の財務責任者マリオ・カラストリ氏は、「現在の環境では誰も手を出し たがらない」と話す。信用危機の発生以来、起債延期や規模縮小、不利な条件 を迫られた発行体は60を超える。

社債利回りも2001年の米リセッション(景気後退)以来で最高に近く、フ ェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が4年ぶり低水準になっても資金が 社債市場には流れていないことが分かる。企業の資金調達への逆風は、リセッ ション回避を目指す米連邦準備制度理事会(FRB)や米財務省の取り組みを 頓挫させかねない。

過去1年の米社債発行高は11%減少し6400億ドル(約69兆円)。メリル リンチの指数によると、社債スプレッド(米国債との利回り格差)は一時421 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と約6年ぶり高水準になった。格 付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によれば、社債デフォル ト(債務不履行)率も2年余りで最高。

エコノミック・サイクル・リサーチ・インスティチュートのマネジングデ ィレクター、ラクシュマン・アチュタン氏は、社債市場の病気の「熱はまだ下 がらない」として、「米金融当局は治療しようとしているが、今のところ効果の ほどは疑問だ」と話している。

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