日本株(終了)3日続落、市況安で大手商社など資源株下げ-紙パ上昇

東京株式相場は、小幅ながら3日続落。海 外原油先物価格が下落した影響などから、三菱商事や三井物産など大手商社を 中心とした資源関連株が安い。国内外景気の先行き懸念から新日本製鉄など鉄 鋼株が連日の下落で、コマツは8日続落。保険や情報・通信、建設、不動産な ど内需関連株も下げた。

半面、原油安のメリットを受ける業種としての評価から、パルプ・紙が東 証1部の業種別上昇率で首位となった。空運や陸運も上昇、オリックスとクレ ディセゾンなど、業界再編期待の広がったその他金融株も上げ、指数の下げ幅 は限定的だった。

岡三アセットマネジメントの伊藤嘉洋上席ストラテジストは、「電機株や 内需の一角に買われる銘柄が出始めたように、業績下方修正懸念は個別ではか なり株価に織り込まれつつある」と指摘。中国関連や大手商社、鉄鋼、海運な ど下げが目立った時価総額上位銘柄への売りに関しては、ヘッジファンドの解 約による需給要因が大きいとし、「今週6-7日あたりで売りは一巡するので はないか」(同氏)と予測した。

日経平均株価の終値は前日比18円52銭(0.1%)安の1万2914円66銭、 TOPIXは0.54ポイント(0.04%)安の1247.71。東証1部の売買高は概 算で21億7417万株、売買代金は同2兆3836億円。値上がり銘柄数は704、 値下がり銘柄数は913。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が16、値下がり業種が 17。銀行、電気機器、その他製品、医薬品、輸送用機器、陸運、その他金融が 高い。鉄鋼、保険、情報・通信、卸売、機械、建設は安い。

せめぎ合いで迷走

景気や企業業績に対する不透明感や株式需給悪と、売られ過ぎによる警戒 感のせめぎ合いとなった。原油安と円安から株価指数はプラスで推移する場面 が多かったものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)や今週末の株価指数オ プションの特別清算値(SQ)算出を控え、株価指数は前日終値を挟んで幾度 も上下を繰り返すなど、方向感に欠けた。また、商品先物の規制に端を発した ヘッジファンドの資産圧縮による売りなどが、特定の業種や銘柄の下げを大き くしているとの声も市場で根強かった。

4日のニューヨーク原油先物相場は、前週末比3%安の1バレル=121.41 ドルと急反落。熱帯性暴風雨「エドゥアルド」の進路が海洋油田設備の大半を 外れるとの観測が広がり、一時は5月以降初めて120ドルを割り込んだ。アリ アンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの中小型株ポートフォリオ・ マネージャー、中塚浩二氏は「原油価格の下落は世界景気の減速を示している のではなく、価格が高過ぎたためだ。長い目で見れば、リーズナブルな価格へ 戻ることは株式相場にプラスに働く」と話す。

原油安を背景に、外国為替市場では海外でドル買い・円売りが進み、1ド ル=108円台前半で推移した。岡三アセットの伊藤氏によれば、「株価の足か せだったインフレ懸念が薄れ、ドルが売られにくくなったことから、先物主導 で下値を売り込めなくなっている」という。

一方で、午後になると上値も次第に重くなり、取引終了にかけて株価指数 は失速した。きのうの米国では6月の個人消費支出(PCE)が前月比で

0.6%増加と、前月の0.8%増から伸びが鈍化。インフレ分を差し引いた実質 ベースでは0.2%のマイナスに落ち込んだ。国内でも、8月の月例経済報告で 景気の基調判断を弱含みに見直すとの観測が強まっている。東洋証券の児玉克 彦シニア・ストラテジストは、「日本の景気が後退する中では、企業業績の先 行きにも期待できない」とし、買い戻しも長続きしないと見ていた。

鉄鋼株が売られる

鉄鋼株が売られた。新日本製鉄が3日続落し、約3カ月半ぶりの安値に転 落。JFEホールディングスは4日続落で、約4カ月ぶりの安値となった。グ ローバル経済の減速による市況悪化懸念が継続している。台湾のコマーシャ ル・タイムズ紙は、供給の増加と住宅市場の低迷によって中国での鉄鋼価格が 下落する可能性があると5日に報道。業績の先行きを不安視した売りが優勢と なった。鉄鋼株指数は前日比4.8%安となり、東証1部業種別下落率2位。

荏原が過去30年で最安値

個別では、今期の利益予想を下方修正した荏原が、ドイツ証券などの格下 げも加わり急落。過去30年あまりで最も安値に沈んだ。4-6月期が連結最 終赤字に落ち込んだと午後に発表した日本水産、業績予想を下方修正した大和 システムもそれぞれ大幅安。6月中間期業績が減収減益となったもようのイト ーキは3年半ぶりの安値となった。午後に業績予想を引き下げた小野薬品工業 は3カ月ぶりの安値。

さらにクレディ・スイス証券が格下げしたオークマ、みずほ証券が格下げ したディー・エヌ・エー、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を引き下げ た富士フイルムホールディングスなどもそろって売られた。

その他金融は高い、日本紙G急伸

半面、経営統合交渉を進めていることが4日明らかになった、と5日付の 日本経済新聞朝刊が伝えたオリックスとクレディセゾンはともに上昇。クレデ ィセゾンは11%高となり、東証1部業種別上昇率で上位に入った。アコムや 三菱UFJリースなどその他金融株も業界再編期待から高いものが目立つ。

このほか、値上げによる収益改善が進み、09年3月通期は計画通り増益 を確保するとの見方が広がった日本製紙グループ本社は急伸。通期純利益予想 を引き上げたフジクラ、4-6月期業績が順調に推移したシスメックス、4- 6月期営業利益が黒字転換したホクトなどが業績評価からそれぞれ大幅高。4 -6月期営業利益が36%増と大幅に伸びた宇部興産は3日ぶり急反発し、9 月中間期の連結営業利益予想を引き上げた日本曹達は続伸。

新興3市場も続落

国内の新興市場も続落した。ジャスダック指数の終値は前日比0.27ポイ ント(0.5%)安の57.23と4日続落し、約5年ぶりの安値。東証マザーズ指 数は3.95ポイント(0.8%)安の472.52、大証ヘラクレス指数は2.18ポイン ト(0.3%)安の751.65とそれぞれ6日続落し、最安値を更新した。

個別では、4-6月が連結純損失となり、通期計画達成が不安視されたコ スモイニシアが急落。みずほ証券が目標株価を引き下げた楽天は3日続落した。 ダヴィンチ・ホールディングス、エヌ・ピー・シーなども安い。半面、セブン &アイ・ホールィングスと業務提携すると、5日の日経新聞朝刊が報道したア インファーマシーズが、店舗展開のスピードアップや収益性の向上が期待され て急騰。四半期決算でネット広告事業の好調が確認され、KBC証券が格上げ したセプテーニ・ホールディングスは大幅高となった。この日ジャスダックに 新規上場した分譲マンション開発のアスコットは、初値が公募価格を7.7%下 回る600円、終値は513円と弱い動き。

--共同取材:Patrick Rial  Editor:Shintaro Inkyo

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