日本株は小反発、原油安と円安で輸出中心高い-紙パは上昇率首位に

午前の東京株式相場は小反発。海外原油先 物価格の下落や円安基調から、トヨタ自動車やソニーなど直近で下げていた輸 出関連株中心に高くなった。原油安メリットで業績期待の高まったパルプ・紙 株は、午前の東証1部業種別上昇率で首位。オリックスとクレディセゾンなど、 業界再編期待の広がったその他金融株も上げた。

アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの中小型株ポートフ ォリオ・マネージャー、中塚浩二氏は「原油価格の下落は世界景気の減速を示 しているのではなく、価格が高過ぎたためだ。長い目で見れば、リーズナブル な価格へ戻ることは株式相場にプラスに働く」と話している。

日経平均株価の午前終値は前日比34円85銭(0.3%)高の1万2968円3 銭、TOPIXは0.84ポイント(0.1%)高の1249.09。東証1部の売買高は 概算で10億1331万株、売買代金は同1兆1168億円。値上がり銘柄数は857、 値下がり銘柄数は736。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が17、値下がり業種が 16。電気機器、輸送用機器、医薬品、その他製品、その他金融、電気・ガスが 高い。鉄鋼、保険、卸売、情報・通信、不動産は安い。

一時120ドル割れ、先物主導で迷走も

原油価格の急落などを好感し、株価指数先物中心に買い戻しがやや優勢と なった。4日のニューヨーク原油先物相場は、前週末比3%安の1バレル=

121.41ドルと急反落。熱帯性暴風雨「エドゥアルド」の進路が海洋油田設備の 大半を外れるとの観測が広がり、一時は5月以降初めて120ドルを割り込んだ。 原油安を背景として、外国為替市場では海外でドル買い・円売りが進み、午前 は1ドル=108円台前半で推移した。

日経平均はきのうまでの2営業日で443円(3.3%)の下げとなり、米国 株に比べて下落率が大きくなっていた。日興コーディアル証券の西尾浩一郎マ ーケットアナリストは、「きのう下げ過ぎた反動や円安、原油安が相場の支え になっている」と指摘。ただ、「方向感に乏しい展開」だという。

買い戻しや押し目買いが入りやすい局面ながら、指数の上げ幅は限定的。 きのうの米国では6月の個人消費支出(PCE)が前月比で0.6%増加と、前 月の0.8%増から伸びが鈍化。インフレ分を差し引いた実質ベースでは0.2% のマイナスに落ち込んだ。国内でも、2四半期連続の減少から景気後退局面入 りを示唆した鉱工業生産に続き、7日の機械受注でも「7-9月見通しは減少 傾向で発表される可能性が高い」(メリルリンチ日本証券の大久保琢史エコノ ミスト)と慎重な見方が多い。

今週末には株価指数オプションの特別清算値(SQ)算出を控えているこ ともあり、先物主導で午前の株価指数は迷走気味。米国の金融政策を見極めた いとのムードも強かった。東洋証券の児玉克彦シニア・ストラテジストは、 「企業業績の先行き警戒や信用収縮懸念は根強く、買い戻しの動きも長続きし ないだろう」との見方を示している。

原油安メリット株が高い

業種別では、原油安メリット株が高くなった。原燃料価格の大幅な上昇が 響いて4-6月期の連結営業利益が21%減となった日本製紙グループ本社が3 日ぶりに急反発し、王子製紙やレンゴーなども反発した。原油高がこれまでコ ストを圧迫していただけに、コスト低下と製品値上げ期待による業績改善期待 が高まった。

同様に空運、電気・ガス株も東証1部の業種別上昇率で上位に登場。米国 の個人消費悪化に対する過度の不安が和らいだことで、トヨタは4日ぶり反発 したほか、ホンダは8日ぶり、ソニーは3日ぶりにそれぞれ高くなるなど輸出 関連株も堅調だった。

その他金融は軒並み高、荏原は急落

個別では、経営統合交渉を進めていることが4日明らかになった、と5日 付の日本経済新聞朝刊が伝えたオリックスとクレディセゾンがともに急伸。ク レセゾンは12%高となり、東証1部業種別上昇率で3位。アコムやイオンクレ ジット、三菱UFJリースなどその他金融株も業界再編期待から軒並み高い。

通期純利益予想を引き上げたフジクラ、4-6月期業績が順調に推移した シスメックス、4-6月期営業利益が黒字転換したホクトなどが業績評価から そろって急伸。4-6月期営業利益が36%増と伸びた宇部興産は3日ぶりに急 反発し、日興シティグループ証券が格上げしたスズケンも大幅高となった。

半面、今期の利益予想を下方修正した荏原が、ドイツ証券の格下げも加わ り急落。業績予想を下方修正した大和システム、4-6月期連結純利益が前年 同期比16%減となったいすゞ自動車も安い。6月中間期業績が減収減益となっ たもようのイトーキは3年半ぶりの安値となり、みずほ証券が格下げしたディ ー・エヌ・エーは約10カ月ぶりの安値。クレディ・スイス証券が格下げした オークマ、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を引き下げた富士フイルム ホールディングスもそれぞれ売られた。

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