日本株は3日続落へ、原油市況安で資源関連安い-米金融政策を見極め

東京株式相場は3日続落となる見通し。海 外原油先物相場の急落を受け、収益上積みへの期待が後退する三菱商事など大 手商社、非鉄金属株など資源関連株が安くなりそう。国内景気の悪化懸念から 情報・通信や広告などの内需関連株も売られる公算が大きく、いすゞ自動車や 荏原など個別の業績悪化銘柄も下落が予想される。相場全般も、米国の金融政 策を見極めたいと積極的な買いが手控えられそうだ。

ドイツ証券の下出衛チーフエクイティストラテジストは、「内外景気後退 と企業業績の悪化を織り込む相場が続きそうだ。原油価格の下落は中期的には プラス材料だが、短期的には資源関連株が売られる材料になる」との見方を示 した。トヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループなどの決算を前に、 「そのインパクトが相場に与える影響は目を離せない」(同氏)という。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物9月物の4日清算値は1万 2930円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万2950円)に比べて20円安。

原油先物が急反落

4日のニューヨーク原油先物相場は前週末比3.69ドル(3%)安の1バ レル=121.41ドルと急反落した。熱帯性暴風雨「エドゥアルド」の進路が海 洋油田設備の大半を外れるとの観測が広がり、一時は5月以降初めて120ドル を割る場面もあった。シティ・フューチャーズ・パースペクティブ(ニューヨ ーク)のエネルギー・アナリスト、ティム・エバンス氏は「原油相場にとって の強材料があるにもかかわらず上昇しないのが、弱気相場だ」と述べた。

在庫増加や世界的な景気減速不安から、ニューヨーク銅先物相場も一時、 半年ぶりの安値を付けた。原油や銅、金など商品市況の下落が響き、4日の米 国株市場はエネルギー株中心に下落。三菱商事や三井物産などの商社株、住友 金属鉱山やDOWAホールディングスなどの非鉄株、国際石油開発帝石ホール ディングスなど鉱業株は、需要減少懸念から売りが先行する可能性がある。

米主要株価3指数の4日終値は、S&P500種株価指数が前週末比11.30 ポイント(0.9%)安の1249.01、ダウ工業株30種平均は42.17ドル (0.4%)安の11284.15ドル、ナスダック総合株価指数は25.40ポイント (1.1%)安の2285.56。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は 1対2。

景気不透明感で内需株も軟調に

景気に対する先行き不透明感も、内需株への売りにつながりそうだ。5日 付の日本経済新聞朝刊によると、内閣府は8月の月例経済報告で景気の基調判 断を「景気はこのところ弱含んでいる」とする方向で調整に入ったと報じた。 「回復」の表現を4年8カ月ぶりに削除し、景気が後退局面に入った可能性を にじませるという。国内景気の厳しさが改めて認識されることで、情報・通信 や広告、銀行、証券といった内需関連株には売りが増加しそう。

米金融政策を見極め

米国時間5日には、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。フェ デラルファンド(FF)金利先物の動向によると、政策金利を2%で維持する 確率は93%。インフレ加速と景気減速の両リスクが高まっていることが背景 にある。声明文では「やや弱めの内容となった雇用統計を受け、経済や雇用に 対する見方がどう変化するかが注目される」(三菱UFJ証券ニューヨークの 和田康志バイスプレジデント)。声明の内容を見極めたいとして、きょうは積 極的な買いが手控えられる公算が大きい。

その他金融には再編期待

半面、ノンバンクなどその他金融株は高くなる見込みだ。5日付の日本経 済新聞朝刊は、オリックスとクレディセゾンの大手上場ノンバンク2社が経営 統合交渉を進めていることが4日明らかになった、と伝えた。来年秋の実現を 目指すという。ノンバンク業界は景気低迷や貸金業法改正で収益環境が悪化し ていることから、同報道によって業界再編期待が高まることも考えられる。

いすゞや荏原、キリンHDに売り圧力

個別の材料銘柄では、4-6月期連結純利益が前年同期比16%減となっ たいすゞ自動車、今期の利益予想を下方修正した荏原やキリンホールディング スなどに売り圧力が強まりそう。4-6月期の連結純利益は前年同期比85% 減と落ち込んだ丸文、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を引き下げた富 士フイルムホールディングス、クレディ・スイス証券が格下げしたオークマ、 メリルリンチ日本証券が格下げした富士重工業などもそれぞれ下落の公算。

半面、4-6月期営業利益が36%増と大幅に伸びた宇部興産、9月中間 期の連結営業利益予想を引き上げた日本曹達、6月中間期の連結営業利益は前 年同期比3.9%増と堅調だったライオンなどは上昇が予想される。リチウムイ オン電池の生産能力を増強するソニー、日興シティグループ証券が格上げした スズケンなども堅調の見込み。