TOPIXが3カ月半ぶり安値、景気や業績警戒で輸出や鉄鋼中心下げ

週明けの東京株式相場は大幅続落。TOP IX終値は4月14日以来、3カ月半ぶりの安値となった。日経平均株価は約 2週間ぶりに1万3000円割れ。世界景気や企業業績に対する警戒から、輸出 関連や鉄鋼、大手商社など景気敏感株が売られた。トヨタ自動車が約3年ぶり、 日産自動車が約6年ぶり安値まで下げるなど、輸送用機器株が下落。新日本製 鉄が急落したのをはじめ、景気減速が下期の鋼材価格に与える影響などが懸念 された鉄鋼株は、東証1部の業種別下落率で1位となった。

DIAMアセットマネジメントの加藤泰浩シニアポートフォリオマネジャ ーは、「4-6月期業績は今後に期待を持たせる内容ではなく、悪材料はまだ 出尽くしていない。日経平均1万3000円は割安感があるものの、買うだけの 材料がない」と話している。

TOPIXの終値は前週末比24.68ポイント(1.9%)安の1248.25、日経 平均株価は161円41銭(1.2%)安の1万2933円18銭。東証1部の売買高は 概算で21億4064万株、売買代金は同2兆3109億円。値上がり銘柄数は284、 値下がり銘柄数は1385。

東証業種別33指数の騰落状況は、値下がり業種が26、値上がり7。銀行、 輸送用機器、電気機器、卸売、鉄鋼、化学などが下落。半面、電気・ガス、情 報・通信、医薬品など景気動向に左右されにくいディフェンシブ関連業種は高 かった。

米景気底打ちには時間

景気や業績に対する警戒から、自動車や鉄鋼、大手商社、銀行などの時価 総額が大きい銘柄がそろって売られた。日経平均の下落率が1.2%、TOPI Xは1.9%なのに対し、時価総額上位で構成するTOPIXコア30は2.2%安 と下げが大きくなった。大和証券の川崎進次エクイティ部長によると、「米景 気悪化の『負の連鎖』を断ち切る材料が想定しにくい。世界的な景気後退をに らみ、海外投資家が株式から資金を逃避させている」そうだ。

BNPパリバ証券の平塚基巳ストラクチャード・ソリューション部部長は 「換金売りが出ているもようのほか、企業業績の下方修正トレンドは今後も続 くとの悲観的な見方が増えている」と指摘。企業業績の悪化傾向が続く中、業 績の先行きを左右する米国のマクロ指標の弱さが下げ幅を拡大させた。

先週末に発表された7月の米失業率は5.7%(市場予想平均5.6%)に上昇 し、2004年3月以来の高水準となった。非農業部門雇用者数は前月比5万 1000人減少(予想中央値7万5000人減)。「雇用統計は予想ほど悪くない一 面もあるが、方向性としては悪化を続けている。ボトムを打つには時間がかか る」(DIAMアセットの加藤氏)と受け止められている。

ミクロとマクロの悪化により、投資心理が極端に振れやすくなっている相 場状況を象徴したのが三井物産の急落だ。同社は4-6月の連結純利益が前年 同期比43%減になったと午後に発表。予想されていたはずの業績悪化にもかか わらず、株価は一時11%安と約21年ぶりの下落率を記録した。

自動車株への不安

世界景気への警戒で景気敏感株が幅広く売られるなか、輸送用機器株の下 げがきつい。トヨタが年初来安値を大きく割り込んで2005年8月以来となる 約3年ぶりの安値となり、4-6月期が大幅減益となり、同じく年初来安値を 4カ月ぶりに下回った日産自は、02年7月以来、約6年ぶりの安値まで売られ た。ホンダは約2カ月ぶりの安値で、6月以降に底堅い動きを示してきたマツ ダも8.8%安と急落した。

自動車大手各社が1日に発表した7月の米自動車販売統計によると、ゼネ ラル・モーターズ(GM)とフォード・モーター、トヨタ自動車、ホンダの販 売台数が減少した。ガソリン価格の高騰でトラック需要が減退していることに 加え、米景気減速で消費者が購入を控えていることが背景。業界全体としては 8カ月連続で減少したことになり、「非常に悪い」(大和投資信託の長野吉納 シニアストラテジスト)という。

野村証券金融経済研究所では、米7月の自動車販売が年率換算値で1255 万台まで低下したことについて、市場コンセンサス1300万台後半はもちろん、 株式市場で最も慎重な予想と思われる野村金融研の1300万台さえ大きく下回 るショッキングな数字だったと強調。市場が急減する中で、「勝者」が見えな くなってきたとしている。

鉄鋼など売られる、オリンパスが大幅安

また、鉄鋼株や海運株、大手商社など景気敏感業種も軒並み売られた。値 下がり率首位となった鉄鋼株は、世界景気が減速感を強める中、鋼材需給の先 行きへの懸念も広がってきた、とUBS証券が指摘。市況安と原油高がマイナ ス要因となった海運株も、商船三井が3日続落するなど下落率が大きくなった。

個別銘柄では、4-6月の連結純利益が前年同期比63%減となり、JPモ ルガン証券が投資判断を引き下げたオリンパスが大幅安。午後に業績予想を減 額したバンドー化学、ゴールドマン・サックス証券が格下げしたヤマハ、4- 6月連結営業利益が前年同期比95%減となった日本ケミファもそろって急落し た。7月31日に中間期予想を減額した東急リバブルは2営業日連続で値幅制 限いっぱいのストップ安。

ディフェンシブ堅調、セガサミHは急騰

世界景気に対する不安の広がりは、海外景気の影響などを受けにくいとみ られる業種が高くなる一因ともなった。東京電力が年初来高値を更新し電気・ ガス指数が業種別上昇率1位となったほか、医薬品、情報・通信、陸運、食品 も上昇した。4-6月の連結純利益が5.1%増のアステラス製薬が4連騰し、 4-6月期の連結営業利益が前年同期を大きく上回ったもよう、と2日付の日 本経済新聞が報道したNTTは52週高値。今年のお盆(8月8日-17日)の 東海道・山陽新幹線の予約状況が、前年同期比4%増となった東海旅客鉄道 (JR東海)は続伸した。

このほか、7月31日に発表した第1四半期の業績内容が想定していたほ ど悪くなく、むしろ改善に向かう下地は出来上がりつつあると評価されたセガ サミーホールディングスが急騰。みずほ証券が投資判断を引き上げた大塚商会、 4―6月の連結純利益が前年同期比23%増となったもしもしホットライン、4 -6月期業績が会社計画を上回った富士ソフトもそれぞれ大幅高となった。ゴ ールドマン・サックス証券が格上げしたヤマダ電機は大幅反発。

内閣改造は影響軽微

一方、福田康夫首相(自民党総裁)は1日、内閣改造と幹事長に麻生太郎 前幹事長を起用する自民党の役員人事を決定した。これを受け、各紙が3日付 新聞で報じた全国緊急世論調査(電話方式、1日から2日にかけて実施)では、 内閣支持率が総じてやや改善した。第一生命保険株式部の伊藤弘康・国内株式 グループ課長は、「今回の内閣改造により政治が好転するとは思えないが、失 望を招くこともなさそうだ」との見方を示し、市場への影響は中立と判断して いる。

--共同取材:Patrick Rial、河野 敏  Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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