短期市場:年度内の先物金利ほぼフラット、景気後退の度合い見極めへ

短期金融市場のユーロ円金利先物相場では、 年度内の金利がTIBOR(東京銀行間貸出金利)に近い水準でほぼ平たん化 (フラット)した。欧米利上げ観測の後退に加え、国内の景気後退も懸念。市場 は今月発表される4-6月期国内総生産(GDP)で、景気の落ち込み度合いと その長さを見極めていく姿勢だ。

中心限月2009年3月物は一時0.015ポイント高の99.145(0.855%)と、4 月22日以来の高値をつけた。直近限月の08年9月物と08年12月物が99.160 (0.840%)で並ぶ場面も見られ、ユーロ円TIBOR3カ月物の0.84846%か らフラットな利回り曲線を形成している。

市場では、08年12月物と09年3月物を中心に買い戻しが目立っている。 直接的な要因は、4月下旬の金利上昇局面における短期債のヘッジ売りを解消す る動きだという。もっとも、金利水準から判断すると、日本銀行による年度内の 利上げはないとの見方にもなる。

国内大手銀行の先物トレーダーは、米サブプライム(信用力の低い個人向 け)住宅ローン問題の影響が予想以上に深く、長期化するなかで、日本も対岸の 火事ではないことを貿易統計や生産指数が示していると指摘。すでに景気後退局 面に入っているというのが大方の認識だという。

4-6月はマイナス成長-原油急落も警戒

前週末の米国では、ゼネラル・モーターズ(GM)の4-6月期決算が155 億ドル(1兆7000億円程度)の大幅赤字となる一方、7月の失業率が5.7%と 約4年ぶりの高水準を記録。この日の国内市場では企業業績への影響も懸念され、 日経平均株価が再び1万3000円を割り込んだ。

三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長は、「米国は年末にかけ て減税効果がはがれていくうえ、新たな政策も取りづらい。日本も一時的なマイ ナス成長が見込まれ、景気の良い材料を見つけるのが難しくなっている」という。

原油先物価格の上昇が一服するなか、7月の利上げに踏み切った欧州中央銀行 (ECB)の追加利上げ観測が後退。欧米に比べてインフレ圧力が強くない日本の 利上げ警戒感は一段と薄れている。今後の注目は、日本の景気がどこまで落ち込む かに集まっており、政府も財政出動による景気対策に動き始めた。

13日発表の4-6月期GDPについて、ブルームバーグ調査の予想は前期比

0.6%低下、年率2.3%のマイナス成長。先行き7-9月期の鉱工業生産は3期連続 のマイナスも予想され、景気後退が長引く可能性もある。

消費者物価指数(CPI)の上昇で利下げ観測が浮上しづらいものの、金融市 場の動向によっては利下げを織り込む水準まで先物金利が低下する可能性はあると いう。また、「原油価格が急落した場合の影響は注意。オイルマネーが流入しづら くなるリスクもある」(三井住友海上・高野氏)との声が聞かれた。

月末を乗り越え市場落ち着く

足元の資金取引は、月末の決済要因がはく落したことで安定感が強まってい る。外国銀行の調達減少で無担保コール残高が低迷するなか、準備預金の積みは 緩やかに進ちょく。レポ(現金担保付債券貸借)の低位安定もあり、無担保コー ル翌日物が落ち着いている。期内は短いターム(期日)物の運用も出てきやすい。

4日の無担保コール翌日物は0.50-0.505%程度。国庫に法人税を納める税 揚げと短期国債の発行が重なったが、運用意欲もしっかり。午後は0.50%から

0.49%の出合いもあった。同1-3週間物は0.55-0.57%での取引。レポは

0.53-0.54%程度だった。

日銀が午後に実施した2本の本店共通担保オペは、短めの6000億円(8月 5日-13日)の最低落札金利が0.53%、長めの8000億円(8月5日-9月18 日)の最低金利は0.54%と、いずれも前回とほぼ横ばいの水準だった。